岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド
とりあえず過去執筆した作品、未完成も含めてここへ残しておく

2006年度執筆作品

2008年07月18日 20時13分15秒 | TOP

2006年度執筆作品
(未完)群馬の家
・ブランコで首を吊った男
・昭和の僕と平成の俺 ママの章
・つぶし屋
・何故この俺が…
・ピアノが弾けたら
・カレーライス
・保険証
・進化するストーカー女
(未完)父の背中
(未完)フルスイング
・おじいちゃんのすいとん
・めぐりあいワンピース
・忌み嫌われし子
(未完)ダークヒーロー


全15作品中完成11作品


 2006/01/21……
 新宿裏稼業を引退した日
新宿の部屋』に書き残し、アップする
 このちょっと前に『群馬の家』を書き始めている

 2006/04/10……
新宿の部屋』を使い、自分の為の執筆記録的なものを残そうとやりだした


 何故ならば話は遡るが……


2006/05/17
 元、小説の選考委員をしていたというおばさんと、一年ぐらい前に知り合った。
 最初に見せた作品は「とれいん」。ボロクソに言われた…。確かにこの作品は私情を入れ過ぎた為、自分でも納得できるものがあった

 今まで俺は色々な人を師匠として、リスペクトし、吸収してきた

・プロレスで、体を頑丈に鍛えてくれた師匠、人間としての生き方まで教わった。正々堂々とは、この辺りから始まったような気がする。本当の強さを教えてもらった

・ピアノを習った師匠。ドビュッシーの月の光を弾けるようになる。市民会館で、発表会までできた

・バーテンダー時代の師匠。お酒の基本的な事から、接客まで、様々な知識を吸収し、いいサービスマンとしての心得を養えた

・パソコンを教わった師匠。今現在、パソコンを使った仕事に、携われるぐらいのレベルに達せた。感謝で、頭が上がらない

・整体術を教えてくれた師匠。人体を壊す事は、自分で一流だと思っている。素手で、人間を壊すのは非常に簡単な事である。しかし、逆に位置する人を治す整体。俺は、その知識や仕組み、やり方などを全面的に教わった

 俺が本当にお世話になった師匠たち…。だから、この時、思った。この人を俺の小説の師匠にしようと…。今まで書いた俺の作品をこの人に見せてもらおう。新しいジャンルの師匠。俺の胸は高鳴った。

 次に見せたのが「新宿クレッシェンド」「でっぱり」「打突」のシリーズ作品。批評は…
・書き方がなっていない
・読み手に失礼だ
・何故、もっと人物の顔形などの描写を書かないのか?
・あなた、本を全然読んでないでしょ?
・背景描写がなさ過ぎる
・内容が駄目
・これは悪いけど、小説とはいえない。
 …など、本当に酷い言われ方をされた

 それでも自分の文章が上達するのならと、我慢していた。俺の小説が少しでも向上するならと、意見をできる限り取り入れた

「群馬の家」「はなっから穴の開いた沈没船」

 この二つは作品として途中だが、その状態で見てもらった。感想は、嫌そうな顔をして、なってないと言われた…。 情景描写が少な過ぎる。もっと、本を読んだらとも言われた

 もう小説書くのやめようかな…。自信がなくなり、一年間…。結局、小説を一冊も完成できなかった。やっぱり、俺って思いつきで始めたから、駄目なのか…。落胆した。 でも、諦めたくなかった

 そんな時、まわりの人間に言われた

「せっかく、あれだけ面白い作品書いているのに、もったいないよ」
「もっと他の作品も読みたい」
「どっぷりと、はまっちゃった」
「何で、賞に応募しないの?」

 俺の事をちゃんと評価してくれる人って、たくさんいたんだと、いう事に、今さらながら、気付かされた。とても、ありがたかった

 最初に小説を書こうと思ったのが、活字離れが多くなったと聞き、だったら俺が漫画より面白い作品を書いてやろうじゃないか。浄化作戦で酷い有り様の歌舞伎町を俺が救いたい。そう思って、ずっとひたすら書き続けた

 素人の人ばかりだったけど、読んでくれた人は、みんな、もっと読みたい。次はいつできるの?そう、言ってくれた。

 なのに何故、このおばさんは酷評しかしないのだろう。俺は文学の専門的な勉強などした事はない。でも、自分の経験を活かして、読み易くリアルなものは書けるんじゃないか。そう、気合い入れて、執筆してきたのに……

・小説じゃないと言われた。でも、俺が本として作ったものは、誰が見ても小説だと言ってくれる

・背景描写がない?でも、全然ない訳じゃない。俺はそんな事よりも、読者が一気にスラッと読めるように心掛けている

・人物の描写?ちゃんと目鼻だちから、髪型、年齢、ホクロの位置まで書かないと、あなたは小説を読めないの?

・登場人物を自分で、想像できないのと言いたい

・内容が駄目?あなたの主旨に合わないだけでしょ?面白いって言ってくれる人、多いし……

・本を読んでない?かなり自分では読んでいると思うけどな…。生まれて初めて言われた

・読み手に失礼?俺、自分の金で読みたいって人だけ、作ってあげているだけなんだけどな。出版されて買った人に言われるなら、まだしも……

 ふざけんなって、言い返したかった…。しかし、俺はそれでも文句を言わず、自分の心の中だけにしまっておいた

「ブランコで首を吊った男」を11ページほど書き、見せに行く

 初めてホラーというジャンルに挑戦してみた。 知り合いには先に読ませると、気持ち悪い…と、いった感想をもらえた。狙い通りである。気持ち悪く、怖く感じるように書いたので、成功である

 だからそのおばさんに、気持ち悪いですよと、あらかじめ言っておいた

 しばらく日にちが経ち、評価を聞きに行く

 おばさんは印刷した紙を面倒臭そうに、引き出しから取り出し、俺が受け取ろうとすると、渡してくれない。机の上に置いて、急に目の前で読み出した

 一枚ずつ読み終わるたびに、俺へ渡してきた。俺は我慢しながら、笑顔で聞いた。

「どうですか?気持ち悪くなかったですか?まあ、最後の方で一気に怖くしようかなって…」

 おばさんは、呆れた表情で言う

「悪いけど、全然気持ち悪くない…。どこが気持ち悪いのか、分からない」

 もうこの人の評価はいいやって、感じた。でも、今まで師匠と一度決めた人を自分で裏切るのは、どうかという思いも同居していた

 この人に師事していて、俺はプラスになるのだろうか。実際にこの人と会ってから、あれだけいいペースで書けていた小説が、一冊も完成していない。一年間も……

「この主人公。男の人が、飯、食事とか言うなら分かるけど、何故、ご飯なんて使うの?あと、金って言うのに、何故、お金って言うの?これじゃ、おかまっぽく見えるだけでしょ。おかしいよ。それに、このタイトルが、長過ぎる。首吊りってだけにしたら?」 

「うーん、タイトルは、自分で決めるものなので…。それは絶対に変えるつもりはありません」

「長いわよ。それに、何て言ったらいいのかな……」

 おばさんはしかめっ面で、まだ、何かを言おうとしていた。俺は自分で印刷した原稿をその場で破った。それで、笑顔でできる限り冷静に言った。言いたいのは、そんなものかと感じる

「うーん、そうですか…。じゃあ、俺の書く作品は、駄目って事ですね……」

「そうね、もっと文章のトレーニングから、やったほうがいいんじゃないの」

「そうですね。俺、小説なんて、やめたほうがいいみたいですね……」

 言葉とは裏腹に、喜んで読んでくれる人たちの為に書こう…、そう思った。別にあえて、飯ではなく、ご飯。金ではなく、お金とわざと書いただけの話だ。おかまっぽいと思うなら、好都合である。だって、40歳の引きこもりオタクが主人公の話なんだから……

 ちょうど、この頃、歌舞伎町で裏稼業のコンサルタントをやっていたが、嫌気がさして、その業界から足を洗った。まっとうな社会で、俺はやっていこうと決意した時期でもあった

 会社の面接を十社以上受けて、すべて落ちた。知り合いがどういう風に履歴書を書いているのと、訪ねてきた

「俺は正々堂々と、裏にいた事も、全日本にいた事もホテルでバーテンダーやっていた事もすべてちゃんと書いてますよ」

「そんなんじゃ、受かるところも受からないって……」

「でも嘘はつきたくないんで…。俺はすべて一生懸命やってきたものですから…」

「気持ちは分かるけど、裏は匂わせないほうがいい。俺が会社で面接する時だって、絶対にそんな事を言う奴いたら、スキルあっても絶対に落としてるよ。履歴書はなるべく癖がないほうがいいんだから…。おまえ、デザイン会社に行きたいって言っているんだから、マイナスにしかならないぞ」

 俺は履歴書を書き直した。ちょっとだけ…。罪悪感と自分の生き方に少し傷がついた。でも、何よりも、働くのが最優先である
 また、今、更新しているブログもやりだした。みんな、俺を励ましてくれた

 例のおばさんとばったり会った。俺がまだ就職決まっていない状態なのを知り、何故、まだ働かないのと言われた

 好きで働いていない訳ではない。働く気がないのとは違う。面接に行っても落ちただけなんだから……

「たぶん、採用されないのって、すぐキレそうに思われているんじゃないの?会社って、言い易いほうをとるからね。あなたの顔が怖いんじゃないの?」

 人にあれだけ本を読んでないと言えるのは、自分は読んでいるという自負があると思う。言い方を変えれば、読解力があると……。

 俺は普通に思った。何故、そんな事しか言えないのだろう

・顔が怖い?俺より怖い奴って、いっぱいいるでしょ?

・その言い方は、俺には働く場所なんて、ないって事を言いたいのかな

・怖く見える奴って、採用してくれないんだ?

 さすがに頭にきた

 怖いと思う人間に、面と向かって怖いって言うかな?そっか、俺って舐められてんだ

「そうですね。人には適材適所ってありますからね。じゃあ、俺はヤクザ者ぐらいしか、行くとこないですね。俺が実際に行けば、喜ぶ組だっていっぱいあるだろうし……」

 俺が凄んで言うと、俺は優しいから向いていないよと、急になだめてきた。

「何、言ってんですか?普通のところが、とってくれないんじゃ、しょうがないでしょ?行く道、行きますわ」

 本当にそう思った。健全で真っ当なヤクザになってやろうと…。それでも小説は書ける。でも、まわりの人間に必死に止めてきた。俺がヤクザになると、悲しむ人間ってこんなにいるんだって思うと、できなかった

 みんなを裏切っちゃいけない。真っ当に、表社会を歩こう……

 めげずに、面接に行くと、すぐに採用してくれた会社があった。こんなタイミングで決まるものなのかと、びっくりした。とても嬉しかった。感謝した

 この件で俺は一つ教訓を得た。本当の信頼関係は、俺がどんな状況にいても、変わらずに接してくれるものなんだと……

 弾けるしかないんだ…。

 そう決めたら、四月だけで三冊小説が完成した。仕事を始めた今現在で、四冊完成



2008年7月18日
 たがが外れたように小説を書き始めた時期でしたね
『ブランコで首を吊った男』という初のホラーに挑戦し、次は『昭和の僕と平成の俺』
 続いて『つぶし屋』『何故この俺が…』……
 ホラー作品が多かった

 どんどん執筆意欲が乗ってきて、自分が書きたいって思うものを書けばいいんだに変わった

『新宿の部屋』でも徐々に応援する人が増え、ブログ更新や相手へのコメントを返す作業で忙しくなる

川越の部屋』も作り、これは『新宿の部屋』の裏バージョンとしてやった

 初の短編にあたる『カレーライス』や『保険証』なども始め、充実した一年だった

 そして久しぶりにサラリーマンをやった一年でもある

 9月に入り、『新宿の部屋』の更新をほとんどストップ
 代わりに『ウォーズマンのスペース』、『真・新宿の部屋』を始める
 しかし二つともいまいちで、『智一郎の部屋』をスタートさせた

 この時で『新宿の部屋』から繋がっていた人間のほとんどとの縁がなくなっていく

『新宿クレッシェンド』などの時が第一次執筆期なら、この年の四月からは第二次執筆期でもある

 後半に入り『進化するストーカー女』が新風舎の出版賞一次選考を通過するが、実際に会社へ行き、編集プロデューサーと話すと、とんでもない会社なのが判明

 俺は怒り、ネット上『智一郎の部屋』でも攻撃
 案の定、二次に受かる事はなかった

 ちゃちさんの薦めで、「第2回世界で一番泣きたい小説グランプリ」という賞へ『新宿クレッシェンド』を出す

 11月に整体をやろうと決意し、その前に『忌み嫌われし子』を完成させる




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