岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド
とりあえず過去執筆した作品、未完成も含めてここへ残しておく

川越駅西口にあった洋食屋グリルTOGO

2024年05月05日 16時11分46秒 | 降りた事の無い駅で降りてみるよシリーズ

2024/05/05 sun

2017年7月末で閉店した洋食屋のグリルTOGO

俺はここの味噌焼きチキンが本当に大好きでね

18歳の頃から通っていたから、30年くらい行っていたんだなあ

TOGO風ハンバーグという不思議な味のソースもあってね

ここのマスター本当に人柄が良くて

俺が新宿クレッシェンドを全国出版したあと、TOGOへ寄ったら

 

【新宿クレッシェンド】当時表紙で出版社と揉めた話 - 岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画等)

2024/05/01wed2008年に発売された私の処女作新宿クレッシェンド2004年1月に執筆した作品だから、あれからもう20年以上経ったのか実は本にする前に自分でこうやって扉絵描い...

goo blog

 

「最近どうしているの?」

「小説で賞取って本を出版したんですよ」

「え? じゃあ本屋で売ってるの?」

「ええ、多分そこの川越駅西口のガストの前の本屋でもあると思いますよ」

マスターはバイトの子に「ねえ、彼の本今買ってきてよ」と言い出し

俺の前に本を出して「ねえ、サインちょうだいよ!」って

そんな粋なマスターでしたね

値段もリーズナブル

多くの人が好んでこのお店を来店しました

実はこれだけ時間経ったからこそ言えるんですけど……

 

7 新宿クレッシェンド - 岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画等)

12345678910111213帰り道に行きつけの喫茶店、アラチョンの看板が視界に入る。無性に腹が減っていた。大好物のハンバーグを思い出すと我慢できなくなった。アラチョンに自然...

goo blog

 

俺の処女作新宿クレッシェンドに出てくる喫茶店のアラチョンって、イメージはここ、TOGOを真似て描写し、マスターの人柄も勝手に使わせてもらいましたw

この事はTOGOのマスターにも言っていないので知らないだろうw

 

 帰り道に行きつけの喫茶店、アラチョンの看板が視界に入る。
 無性に腹が減っていた。大好物のハンバーグを思い出すと我慢できなくなった。アラチョンに自然と足が向かう。
 店の中へ入ると、閉店一時間前のせいか、四人の客が一組しかいない。そのグループ客も、食後の一服を終え、席を立とうとしていた。
「おっ、いらっしゃい」
 マスターが声を掛けてきた。何だかんだいって、このマスターとは結構長い付き合いになる。
「ありがとうございました。ちょっと待っててくれよ」
 他の客の会計を済ませ、その客がいなくなると、店内には俺一人だけになった。マスターは食器を手早く片付け、俺のところへニコニコしながら歩いてくる。
「何だよ、座って待ってればいいのに…。相変わらず固い奴だなー。ほら、座って。今日はカウンターの方でいいでしょ?他に客いないしさー」
 マスターはカウンターの椅子を引いてくれる。素直に腰を下ろすことにした。それにしても何故、この人はこんなに明るいんだろう。そういう表情を普通に出せるのが、見ていてとても羨ましかった。
「注文はハンバーグでしょ?」
「やっぱり分かりますか……」
「何年、隼人ちゃん、うちに食べに来てると思ってんの。隼人ちゃんもう七年くらい来てくれてるのにハンバーグ以外のもの、頼んだことないじゃん」
「そう言われれば、確かにそうですよね……」
「最初の頃は変わった奴だなーって印象しか持てなかったよ。ただね、ここまで一つのものを頼まれるとさー、料理人冥利に尽きるなってね。いやー、本当、宣言出来るよ」
「何をですか?」
「だって俺のハンバーグをさ、そこまで気に入ってくれる客はいないもん。他の料理だって自信はあるけど、ハンバーグ作る時は、気持ちの込め方がやっぱ違っちゃうよなー。特に隼人ちゃんのやつ作る時は、気合入れまくりー」
 マスターの気遣いに自然と笑顔がこぼれる。
「おっと…、ごめんごめん…。腹減ってんだろう?すぐ作るから待ってくれよ」
 奥の厨房にマスターの姿が消え、しばらくすると、肉を焼く音といい香りが漂ってくる。
 気持ちがリラックス出来ている。あの、人懐っこいマスターのおかげだ。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 川越市霞ヶ関駅のレストラン... | トップ | 唐揚げ&焼肉&麻婆春雨豆腐... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

降りた事の無い駅で降りてみるよシリーズ」カテゴリの最新記事