岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド
とりあえず過去執筆した作品、未完成も含めてここへ残しておく

闇 02(探偵、サラリーマン時代編)

2024年07月14日 19時23分00秒 | 特殊記事

2024/07/14 sun

※写真は20歳時、この時は体重65kgしかなかった

前回からの続き

闇(補足) 01 - 岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

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当時19歳

自衛隊を辞め、地元川越へ戻ったものの無職の俺

 

祖父が免許くらい取っておけと言うので教習所で合宿所のあるところを選ぶ

静岡県の浜松自動車学校に決まる

車の免許も無事習得し、まだ何の仕事をしようか何一つ決めてなかった

 

 

1 打突 - 岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

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興味本位というのもあって原一探偵事務所へ入社した

実際に探偵業をして感じたのがかなり理不尽で重労働、さらに命の危険性まで含んだ仕事なのを気付く

基本は張り込み、そして尾行がメイン

研修時、環七のような大通りで通行量の多い道路で、信号無視のやり方などを教わった

依頼人に頼まれ素行調査するわけであるが、調査対象が家を出る前から張り込む事になるので日々物凄い時間量になる

24時間調査は当たり前

酷い時は池袋から相手を尾行し、気付けば軽井沢を超えて小諸市まで行った事もあった

徹夜で調査を終え、事務所に戻るとそのまま次の調査なんてザラ

過度な睡眠不足、また無茶な尾行による事故で月に三台は廃車している状況

半年でこの仕事は駄目だなと見切りをつけた

 

広告代理業を営む社長から声が掛かり、そこで働く事にする

ここも無茶苦茶な職場で、社長個人でマンションの一室を事務所代わりにしている零細企業であった

企画書はワープロで綺麗な状態で出さないといけないから、岩上君も買った方がいいと当時20万以上するワープロをローンで買わされる

「岩上君家は大きいけど、車何台くらいあるの?」

配達用のも入れたら七台くらいと答えると、次は全部使っているのかと聞いてきた

仕事以外の自家用車は休みでプライベートでもないと使わないと答えると、「せっかく車あるのに使わないのはもったいないよ」とこの会社の為に車を使用するよう言われる

断ると「ガソリン代とか経費はちゃんと出すからさ」と無理くり家の車を仕事に使わされた

初任給といっても15万くらいだが、給料日になると社長が飲みに行こうとBARに連れて行かれ、会計時「今日は岩上君金持ちだからなー」と支払いをさせられる

俺の祖父が名士で天皇陛下から勲章をもらったり、交通安全協会の会長、クリーニング組合の会長などをしているのを知っていたので、そのコネをやたら利用するように何度も言われた

この会社も半年ほど働いて駄目だなと見切りをつける

こんな中途半端な状態で俺は二十歳を迎えた

 

変な教材売りの仕事をしている頃、弟から一本のビデオを見せられた

ジャンボ鶴田・淵正信・田上明VS三沢光晴・川田利明・小橋健太のプロレスの試合だった

幼少の頃から強さに拘って生きてきた俺

身体の芯が妙に熱くなっている事に気付く

ここへ行けば、俺は求めている強さを得る事ができるのではないか

この妙な会社では一回り年上の上司が、常に仕事終わると酒や食事を毎度たかられ、「給料日になったら返すから」と結局一円も返してもらえない状態のまま数ヶ月過ぎ、働いているのに何故か俺自身が借金しているという理不尽な状況が我慢ならなくなり、この仕事は辞めた

 

教習所の合宿時代、同室で仲良くなった人間から横浜のシーパラダイスをこれから作る大きな仕事があるから住む家も用意するから来ないかと、高砂熱学という会社に所属して横浜へ行く事になる

初めての横浜、金沢八景駅から徒歩十分程度の物件に住み、新しい生活が始まった

働いて寝るだけの日々

しかしそんな日常を送りながらも、全日本プロレスへ行きたいという想いは次第に大きくなる

身長180cm体重65kgの体格の俺がいくらレスラーになると言っても、みんな笑うだけで、真面目に聞いてくれる人間は誰一人いなかった

 

まず身体を大きくしよう

そう思った俺は横浜での仕事を辞めて、川越に戻る

 

高卒自衛隊途中除隊

自分の選択ではあるが、二十歳にして中途半端な状況の俺

アルバイトをしながら稼いだ金はほとんど食費に当てる生活が始まる

 

たくさん食べて身体を大きくしないといけなかったので、自宅で自炊するようになった

父親の妹であるおばさんは、キャベツの葉一枚使うだけで「勝手に家のものを使うな」「私が台所使うからどけ」と辛辣な言葉を浴びせ、様々な嫌がらせをされる

良かれと思って作った料理

しかし冷蔵庫に入れたまま料理が腐ってもそのまま放置だった

 

母親が出て行ったあと、好きなものを食べたいと台所に立つと、「女みてえな真似しやがって」と父親から殴られた過去

しかし今はもう殴られなくなっている

 

アルバイト以外の時間はトレーニング漬け

ひたすら走り、腕立て伏せ、腹筋、スクワット

回数など決めず、ただがむしゃらに頑張った

 

一食でご飯3合食べても体重は70kg

たった5キロしか増えない

過度な運動量の消費で体重がほとんど増えない

レスラーになるという俺に対し、ほとんどの人は笑う

レスラーになると決めて一年間が経つ

俺は21歳になっていた

10kg増えて75kg、少しは頑張れ、期待しているぞといった声が増える

一心不乱にトレーニングをし、たくさん食べた

食べ過ぎで起きると目の前にゲロがある事など日常茶飯事だった

寝ながら吐いていたのだ

それでも中々増えない体重

 

自分には誇れるものが何も無い

だから強くならないと……

この頃は金も無い

中途半端な人生

物色したくて必死に身体を苛めた

 

プロレス雑誌を見て、全日本プロレスが六本木にあるのを知る

誇れる実績も、何のコネもない

何かしらのリアクションを起こす必要がある

履歴書を書き、六本木へ向かう

全日本プロレス事務所へ着き、緊張が全身を包む

俺はドアを思い切り蹴飛ばした

中にいる社員がみんな俺に注目する

「レスラーになりに来たんだけど、どうすりゃいいすかね!」

できるだけ悪びれながら言った

 

しばらくの静寂だけが辺りを支配した

俺は目に力を入れ、天井を睨みながら黙って立ったまま

数分して社員の一人が近付いてくる

「書類選考というものがありましてね……」

俺は履歴書を渡す

「無礼な真似してすみませんでした」

深く一礼して全日本プロレスをあとにした

 

門前払いだけはしてほしくなかったから、悪印象だとしても全日本プロレスには俺を覚えて欲しかった

当時の俺は馬鹿なのでこんな方法しか思いつかなかったのだ

 


続き ↓

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