korou's Column

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松浦亜弥 最高のライブの1つ(その3)

2018-09-29 | 松浦亜弥

2010.9.11 コットンクラブでの松浦亜弥コンサートライブ録音(その3)

 

前回アップの音源での歌唱の後

短いMCが挟まれる。

 

20100911(MC)

 

 

随分と「しおらしい亜弥ちゃん」を見せているが(笑)

自分としては

ドSの亜弥様とは違うこういうMCも

好みだったりする。

 

そして

「砂を噛むように…NAMIDA」「想いあふれて」が歌われる。

 

20100911 「砂を噛むように…NAMIDA」「想いあふれて」

 

 

「砂を噛むように…NAMIDA」に関しては

このライブのほぼ1年前に行われた「想いあふれて」ツアーでの

アコースティック・コーナーでの歌唱が断然優れていて

さすがに今回のこのライブの歌唱も

それには及ばないように感じられる。

録音状態の差というのもあるのだが

こればかりは

上記音源の抜群の音質の良さに感服するほかなく

「隠れ録音」なら

今回の音源でも十分すぎるくらいだ。

歌唱そのものも

最初のうちは、極度の緊張のせいで

声を張って歌いたいメロディ部分で

十分な声の張りが出ていない感じがあるのが惜しいところ。

ただし、すぐに修正して

2番の歌詞からはきちんと歌えているのは

さすがというほかない。

 

「想いあふれて」についても

このライブの2ヶ月前に行われたマニアックライブ3での歌唱

比べると

アレンジのせいもあって

出来栄えとしては物足りない。

もっとも、この3ヶ月後の新アルバムリリース記念のライブで

1回だけこの曲が歌われたが

そのときの出来と比べると

遥かに優れている。

というか、わずか3ヶ月でそこまで劣化するのが信じ難いわけで

こういうことを含めて

「2010年11月に何かが起こり歌手生命を絶たれた」という仮説を

個人的に信じる根拠となっている。

 

それから、今回初めて気づいたことだが

「想いあふれて」という曲の作りが

いわゆる”ヨナ抜き音階”で出来ていて

そのことが曲全体に

いい意味で言えば「懐かしさ」を

悪く言えば「古臭さ」を感じさせる所以となっている。

曲のサビ部分で

見事なまでに”シ”の音を抜いて展開しているわけで

「上を向いて歩こう」とか、最近では星野源「恋」などで使われる

J-POPの王道パターンだ。

 

日本の歌手を世代で分類すれば

一世代前のの歌手だと

ヨナ抜きのほうがしっくりきて

大抵の場合、音程にズレが生じることはなく

素晴らしい歌唱になることが多い。

逆に、”ヨナ”が音楽の急所に挿入される楽曲を

この世代の歌手が歌うことになると

特に音程がおかしいわけでもないのに

どことなく居心地の悪さを覚えることが多い。

 

それが

新しい世代の歌手に

ヨナ抜きの楽曲を歌わせると

全体に音程が揺れて聴こえることも珍しくない。

それは、そういう少ない音で歌を歌い切るには

いろいろなモノが不足していて(経験も不足していて)

それは歌っている本人がすぐに感じることなので

せめて自分の得意なスタイルに持ちこんで歌おうとするあまり

音程を微妙にフラットにしたり、リズムをちょっとだけ崩したりして

歌うことになるからだろう。

結果として、その人らしい歌にはなるものの

オリジナルの歌唱と比べれば

やや頼りないカヴァーという印象を与えても仕方ないことになる。

逆に、ヨナ音階もふんだんに使った楽曲だと

普通に歌っても十分メロディのニュアンスを伝えられるので

その人らしくしっくり来るということになる。

もちろん、歌唱一般にこんな風に割り切れるものではないのだが

全体としてそういう傾向があるように思う。

 

亜弥さんは

世代的に新しい歌手のはずなのだが

歌唱そのものは”ヨナ抜き”であろうと”ヨナ付き”であろうと

どちらも歌いこなせる稀有な歌手でもあった。

だから、ヨナ抜きの楽曲「想いあふれて」も

十分に感情をこめて歌うことができるのだろうけど

今回のこのライブでは

アレンジがモダンで、しかもテンポも速めなので

いつものようにしっかりと歌うことは

難しかったように感じられた。

数ヶ所ほど音程がフラット気味なのが気になったのだが

多分、そういう理由ではないかと推測したのである。

もっとも、声の伸びは十分だし

全然問題ない歌いっぷりであることは間違いない。

この一連のコットンクラブライブより後で歌われた「想いあふれて」は

全部物足りない歌唱なので

これが最後の充実した歌唱の「想いあふれて」になっている。

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