korou's Column

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松浦亜弥ディスコグラフィー 74 「blue bird」

2016-08-09 | 松浦亜弥

4thアルバム「ダブルレインボウ」の収録曲。

アルバムの発売日は2007年10月10日。

作詞・作曲・編曲:コモリタミノル。

 

アルバム「ダブルレインボウ」には

それ以降の亜弥さんが

歌手として進化(深化)していく方向がいろいろと示されているのだが

この「blue bird」は

ライトなジャズ・フィーリング、ラテン風にもアレンジできる曲という意味で重要である。

この曲想を深めれば同じアルバム内の「ソウルメイト」になり

その方向でリラックスしていけば

次のアルバムでの「七回歌うといいことがある歌」になる。

もっとリズムを強調すれば

やはり同じアルバム内の「HAPPY TO GO!」になり

それを深めると「女 Day by Day」になったり「レスキュー!レスキュー!」になる。

次のアルバム「想いあふれて」の「beautiful day」などは

「blue bird」の焼き直しのような曲で

それが実にうまく出来上がっているので

私などは、最初のうちは、この2曲を混同していたこともあった。

 

もちろん、上記の曲はそれぞれに個性を持っていて

「blue bird」から自動的に導かれるコピーのような曲ではないのだが

亜弥さんの歌手としての方向性という面でみれば

ひとくくりとして考えることは可能だと思っている。

そして、もはや「灯台」とか「部屋とYシャツと私」などを

じっくりと歌い込んでいくことは

今後の亜弥さんには期待薄である以上

この「blue bird」のような路線で

ひたすら愉しく、軽快で、かつオシャレなコンサートを

(もし復活する気があるのであれば)やってほしいと願っている。

 

さて、今回、あらためてこの曲を聴き込んでみて

これは、昭和最後から平成の初期にまで続いた

バブル全盛の匂いが漂う楽曲ではないかと思った。

<遠距離恋愛になっても、いつまでも貴方は私の「blue bird」>という歌詞は

いかにも楽天的で、今の時代の空気にそぐわない。

飛行場で転勤になった彼氏を見送るという情景も

いかにもトレンディドラマ風で一時代前のものだ。

 

でも、それは決して「古さ」ではない。

 

あの懐かしく、ほろ苦い胸の痛みさえも感じられる偽物の繁栄の時代、バブル期。

でも、もう二度と

あのような昂揚感ある時代は訪れないと分かってしまった今となっては

1960年代の高度経済成長の時代とは別の意味で

ある種のノスタルジーが感じられるようになったのも事実。

映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(2007年公開の日本映画)などは

そのノスタルジーをうまく表現した好例だ。

最近のCMでも、そのあたりを表現したものが増えてきたように思う。

 

そう考えれば

この「blue bird」でそのあたりを表現するときに

バブル時代特有の楽天的な発想からくる

 

「明るさ」

 

が必須なように思えてきた。

 

そう思うと

この曲のベストパフォーマンスは

意外にも「ダブルレインボウ」ツアーでのそれではないかと

思い至ったわけです。

この記事を書くまでは

断然「想いあふれて」ツアーのアコースティックコーナーの歌唱

(途中で歌詞を忘れて誤魔化しているのがカワイイ・・・じゃなくて玉にきずだが)

が一番と思っていましたが

こればかりは、曲想の関係もあって

抜群の声の伸びとか歌唱の巧さなどよりも

歌っているときの表情の明るさが決め手ではないかと。

となれば「ダブルレインボウ」ツアーの亜弥さんがベストでしょう。

復帰後の亜弥さんも

こんな表情でこの曲を歌ってほしいです。

 

松浦亜弥 - Blue Bird 2007.11.04

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2 コメント

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お洒落な曲 (mago_emom)
2016-08-09 21:18:39
私はこの曲は、「お洒落な曲」というイメージですね。

CD音源ではやや無理して声を出しているようにも聞こえ、まだ少し幼さも感じますが、様々な場面で歌われることで自分の曲として身についていったのでしょう。

ライブでも色々なアレンジで歌われそれぞれに魅力です。
特にお気に入りなのが「ayaayaaya19860625」さんのSTBライブの音源です。とてもリラックスしていい声が出ています。甘く包み込んでくれるようなこの声はやはりお酒片手に聴きこめる会場が良いです。この映像(といっても音だけですが)を視聴するたびに、この場に身を置いてみたかったといつも思います。

こういう軽快でお洒落なライブシーンというのは、今後の姿としては期待したいものの一つと私も思います。

でも、『「灯台」とか「部屋とYシャツと私」などをじっくりと歌い込んでいく』ライブシーンも、私は気長に根気強く期待したいです。
こういうシーンで私は感動しファンになったわけですから。
返信する
Re:お洒落な曲 (korou)
2016-08-09 23:24:02
STBライブの音源は
生で聴いた分には一番素晴らしいのではないかと
私も思っています。
ただし、録音状態などからくるエコーのかかり方などで
「想いあふれて」ツアーの音源のほうが
声の強さ、クリアな魅力において勝っているように思うのです。
同じ歌唱でも
正規なDVDで聴くのと、この独特の音質の音源で聴くのとでは
違って聴こえて
むしろ後者のほうに感銘を受けてしまうという
厄介な問題がありますね。
これを録音した人が意図していないことと思うのですが
独特の音質のせいで予想外の感動を得てしまうのは何なのでしょうか。
STBライブもそうですが
「想いあふれて」のアコースティックコーナーの音源には特にそういう傾向があります。
(「ayaayaaya19860625」さんという方には本当に感謝していますが
 別の意味で罪深いお方でもあります)。

『「灯台」とか「部屋とYシャツと私」などをじっくりと歌い込んでいく』ライブシーン・・・・もちろん、私にとっても
これこそ松浦亜弥の歌を聴く最大の動機となっているわけでして。
でも、これを復帰後の亜弥さんに期待するとすれば
どうしても、ボイストレーニングをしてもらわないといけないと思うのです。
もしくは、その必要もないほど頻繁にライブをこなすか、どちらかですが
そのどちらも可能性が少ないということも
ファンならば承知のことでしょう。

長い目でみれば
亜弥さんが再びステージに立つことは
間違いなくあり得るでしょう。
そのときに、間違った方向でちょっとだけライブをやってみる
という不幸な展開にならぬよう
こんな感じでブログ等に書き止めておくことが肝心だと思っています。
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