松浦亜弥ディスコグラフィー 73 「ふたり大阪」

2011年4月1日深夜0時24分から

大阪のABC朝日放送で放映された

単発ドラマ「サクラとさつき」の主題歌。

作詞：2℃、作曲：土肥真生。

 

着うたでｉＴｕｎｅなどで販売されただけで

ＣＤシングルなどの形での発売はなかったが

同年12月21日に発売されたデビュー10周年記念アルバム

「松浦亜弥 10TH ANNIVERSARY BEST」には収録されることになった。

大阪ローカルの深夜ドラマの主題歌だけなら

それほど歌われることもなかったはずだが

10周年記念アルバムに収録されたことで

いくつかの音源が残り

youtubeで普通に聴くことができる（公式音源として）。

 

「サクラとさつき」というドラマについては

いまだにHPが残存しているので

キャストとかストーリーについて未知の方は

そちらを参照してほしい。

http://www.asahi.co.jp/sakura_satsuki/

 

プロデューサーが番組の抱負を語っているが

それほどの内容のあるドラマではない。

そもそも、当時47歳の橋本じゅんを

当時25歳の松浦亜弥の元恋人と設定した時点で無理がある。

それに、橋本じゅん演じる男性には

（つまらない脚本のせいで）何の魅力も感じられないのが致命的だ。

そういういい加減な設定になっている男を

松浦亜弥演じる女と浜口順子扮する女が

争って獲りあうだろうか？

この2人には、もっと若いイケメン男性でないと

釣り合いがとれないのではないか。

そもそも、橋本じゅんのような名優に

こういうキャスティングそのものが失礼だろう。

見ていて、どうしても感情移入できないドラマだった。

 

もしこのドラマに見どころがあるとすれば

後半での亜弥さんの美しさだろう（特に表情のアップ）。

本来はもっと美しい浜口順子が

かなり三枚目風に仕上げてくれたおかげで

亜弥さんの美しさが際立っているように思えた。

演技そのものは、そういう訓練を受けていないので

天性の勘だけで勝負している感じで薄っぺらいのだが。

 

さて、ドラマでの橋本じゅん演じる恋人の男は東京の人であり

一方「ふたり大阪」の歌詞に出てくる恋人は大阪の人なので

そのへんもチグハグな印象を受ける。

「あたしの言葉を播州弁や」と言ったのは

ドラマでは「恋人」ではなく「さつき」だし

かといって、案外さつきのことを歌った歌なのかと

歌詞を見直しても

そういう女の友情のことを書いた歌詞でもない。

 

ただ、イメージとしては

さつきとの友情を

そのまま男女間の感情に転用して恋の歌にしたという

想像も成り立つ。

どちらにせよ、ドラマと主題歌が相乗効果でイメージを高め合う

といったストレートな感じではない。

随分とテキトーな仕事をさせられたのだなと思ったりする。

それは、この曲を初めて聴いたときの違和感（亜弥さんが関西弁の歌？）から

ずっとつながっている。

その意味で、あまり好きになれない曲だが

それでも全力で歌い切り、聴く者をひきつけてしまうのは

さすがである。

 

松浦亜弥 『ふたり大阪』 "10TH ANNIVERSARY BEST" SPECIAL LIVE