korou's Column

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松浦亜弥ディスコグラフィー 19 「風に任せて」

2015-08-16 | 松浦亜弥

ほぼ1か月ぶりの再開です。

以前よりペースは遅めで

かつ「コーヒーブレイク」という形ではなくごく普通に

他の話題も混ぜて書き続けていく予定です。

よろしければ(お時間の許す限り)お付き合いください。

 

●「風に任せて」

4thアルバム「ダブルレインボウ」の収録曲。

アルバムの発売日は2007年10月10日。

作詞は久保田洋司、作曲・編曲は柳沢英樹(久保田・柳沢両氏については「今はレットイットビー」の項を参照ください)

 

調性はB♭。

全体として淡々とした作りで、これといった聴かせどころがなく

キラキラとした曲の多い名盤「ダブルレインボウ」のなかでは

いかにも地味な印象を受ける曲でもある。

 

曲調以上に違和感を覚えるのは

「机上の空論」とか「未知なるアイディア」とかの生硬な表現が

歌詞のなかの重要な部分で使われているところだ。

その生硬な感じを意図的に使っているのは

歌詞全体を眺めてみればなんとなくわかるのだが。

どちらかというと、生硬な表現というよりNGワードではないだろうか。

「机上の空論」という言葉を聴いたとたんに

ダメな曲という印象だけが残ってしまう。

 

さて、以上はこの曲への第一印象。

以下は、そこから後の印象を記すことにしよう。

 

この曲について興味を持ったきっかけは

なんといってもマニアックライブVol.5でのあの出来事だ。

ファンのサプライズに歌が止まって感涙する亜弥さんの姿に

心を奪われないファンは居ないだろう。

それにしても、よりによって

マニアックライブ最後の最後にこの曲をもってくるとは

よほどこの曲に思い入れがあるのだろうか、と思わざるを得なかった。

(その割には、コットンクラブなどで歌われることもなく

 まさにマニアックライブVol.5でのMCのとおりで

 亜弥さん本人の思いと、実際のセットリストの組みかたとに

 食い違いがあったのかもしれない)

 

「可能性の道」と同じような位置、ポジションにある曲なのだろうと思う。

歌詞の内容からいえば

ライブの最後に持ってくると、おさまりが良い曲であることは確かだ。

”ライブでのそのポジション”ということを思えば

「机上の空論」だろうと「未知なるアイディア」だろうと

どんな言葉を使おうと

歌詞全体の意味合いさえ伝われば

それで良いと言えるのも確かだ。

この時点で

私のなかでの歌詞への不満は氷解した。

 

それと同時に

曲調のほうも

歌詞全体がかもし出す”前向きで柔らかい”印象を伝えるのには

ピッタリの優しい感じで

好ましく思えてきた。

ムリに盛り上がったりする必要はないのだ。

 

☆☆☆

 

ということで、今は特にこの曲について不満はないのですが

ひとつだけ、マニアックライブVol.1の歌唱については

ライブならではのミステイクがあることを指摘しておきます。

 

マニアックライブVol.1の亜弥さんの歌唱では

「未知なるアイディアがそこにあるという
 文字通りそこにあるけれど 誰も気づかず いたのです」

と歌われたわけですが、

本当は、そこの部分の歌詞は

「未知なるアイディアがそこにあるという
 文字通りそこにあるけれど 誰も気づかず いるのです」

が正しいわけです、

 

「いるのです」を「いたのです」と歌い間違えると

どうなるのかについては

聴く人の感性にもよりますが

私は全然違うと思いました。

この部分のメロディについては、曲中に3回繰り返されていて

順番に記すと「いたのです」「いるのです」「いたのです」になります。

歌詞を予定調和風に書けば

「いたのです」「いたのです」と同じ設定で2回繰り返した後

3回目に違う設定の流れで「いるのです」としたほうが

おさまりがよく

歌詞の流れとしてスッキリと頭に入るはずです。

 

しかし

(「机上の論法」のような言葉を挿入して)予定調和を目指さない久保田さんとしては

あえて順番を変えて

「いるのです」を真ん中に持ってきたわけですね。

この順番の変更が

歌詞全体の言葉の流れの変更を促すことになりました。

つまり、この曲の歌詞は

1番と3番に相当する歌詞が

それと少しニュアンスが異なる2番に相当する歌詞を

間に挟んでいるような構造になったわけです。

 

だから、(「いたのです」「いるのです」「いたのです」の)2番目の言葉は

絶対に「いるのです」と歌わなければならないということになります。

そこを「いたのです」と歌ったマニアックライブVol.1の歌唱は

大げさにいえば

歌詞の意味が十分に伝わらない歌唱とも言えるのですが

それがどうした、と言われれば・・・

 

・・・・それまでですね(笑)

まさに以上のような分析こそ、それこそ予定調和というか理屈偏重ともいえるわけで

この曲のおおらかさが、そんなミステイクなどやんわりと包んでしまうのだ

という言い方も可能ですから。

(以上、できるだけ簡潔に記したので、わかりにくい部分が多いかもしれませんが・・・)

 

(参考)「風に任せて」の歌詞

http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=F03408

 

ということで、今回の動画はそのマニアックライブVol.1の映像にします。

歌詞を間違っていても

伝わってくるものは伝わってきますので。

 

風に任せて Aya Matsuura ManiacLive1

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4 コメント

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平曲 (aiseki)
2015-08-18 18:39:03
歌詞も含めCDで聴く限り情景が浮かんでこない
ので聞き流していましたが

vol1を観てから一変した曲です

あまり歌われない曲なので本人も好きじゃないと
思っておりましたが

この何の変哲もない曲を見事に歌いあげておられます

ギターのキクチさんが嬉しそう
まるで見守るように弾いていらっしゃいます

『歌いたくないって言ってたのにイイだろー』
てな感じ(^ ^)妄想
返信する
多分好きだった曲のはず (korou)
2015-08-18 20:59:31
aisekiさん、コメントどうもありがとうございます。

この曲は、マニアックVol.5で
本人が「ちょいちょい歌っているとおもってたのに。そんなに歌ってない?
じゃああんまり好きじゃなかったのかな、私」と
言っていた曲ですから
かつては好きだった曲の部類に入ると思いますよ。

キクちゃんが亜弥さんを見ている表情は
いつもいろいろなことを想像させますね。
私の中では
マニアックVol.3で
メールに返信しないことを追及されたときに
ベロを出してごまそうとする亜弥さんを
「ペロッじゃなくって・・そんなに可愛くねえし」と言ってのけたキクちゃんが最高です(^^)
返信する
意外でした (aiseki)
2015-08-18 23:20:24
そうでしたか『かつては』と言うことは好きだったのにそうでも無くなったということですか?

取り巻く人達のウケが悪く歌い処を失くしてイヤになったのかなぁ

本人のランキングと需要のランキングが合わないとダメなんでしょうね

ちなみに本人のランキングが知りたいです
納得したい(^ ^)
返信する
亜弥さんの好きな歌 (korou)
2015-08-19 21:11:02
>本人のランキング

分かるものなら知りたいですよねえ。
まあ、歌っている本人としては
この曲が好きというコメントはアリとしても
具体的な順位などは公表しないでしょうけど。

マニアックライブの頃は
この曲の歌詞が好きとか
特定の曲についてMC中にコメントを入れていますね。
その時期には
「部屋とYシャツと私」「いつかは笑って歌える悲しい歌」
「君の好きなとこ」「みんなひとり」などのカバー曲、
持ち歌だと「私のすごい方法」「想いあふれて」などが
好きだったみたいですね。

でも、マニアックVol.5とかクリスマスナイト2013などの映像を見ると
セットリストを人任せにしていたりして
そういうこだわりが感じられない印象を受けます。
もはやCD「ダブルレインボウ」を発表した頃の”歌うことへの情熱”は失せて
早く幸福な家庭生活を送りたいという思いでいっぱいだったのでしょうか。
返信する

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