今回は、マニアックライブ3の音源から。
会場の音響効果を絶妙に再現できている録音と
亜弥さん自身の歌唱の調子良さが相俟って
全体としても、なかなか聴き応えがあります。
とりあえず、カヴァー曲特集を継続中ですので
まずは
2010年月6月26日の大阪公演で歌われた
「明日、春が来たら」をご紹介しましょう。
「明日、春が来たら」は
松たか子のデビューシングル曲であり
最終的には40万枚を超える大ヒット曲にもなったので
多くの人に知られているポピュラーな曲でもあります。
松たか子は
その出自が歌舞伎界の著名な家柄である上に
本人自身も
その容姿、演技力、キャラクターが人並み以上であったので
1996年にCXドラマ「ロング・バケーション」に出演したのを機に
人気が急上昇。
主演の山口智子と並んで
一躍時代のヒロインとなりました。
さらに
その年の「紅白歌合戦」の紅組司会に
史上最年少の19歳の若さで抜擢され
その3ヵ月後(1997年3月21日)に
1stシングルとして
この曲がリリースされたわけです。
オリコン最高位は8位で、15週連続でチャートインした結果
松たか子にとっては
デビュー曲にして最大のヒット曲となったのでした。
作詞は坂元裕二・・・・って、今知りました。
あの坂元さんとは驚きです。
著名な脚本家ですね。
「東京ラブストーリー」(CX)で鮮烈なデビューを果たし
最近も「カルテット」(TBS)の脚本で話題になった方です。
(そういえば、「カルテット」の主演の1人は松たか子でした)
作曲は日向大介・・・うーん、この方も超大物!
小室哲哉を一流の音楽家に育てた人であり
国民的人気を誇った「ロンバケ」「「ラブジェネ」という2大ドラマを
音楽面で支えた功労者でもあります。
ただし、メインの顔はプロデューサーということで
作曲に限れば
案外、この曲が代表作ということになるのかもしれません。
youtubeにはこの曲(1997年のオリジナル)の動画は
普通に検索しても見つかりません。
以前には見た記憶があるのですが
削除されたのでしょう。
その代わりとして
10年後に発表されたオリジナルカヴァーの
「明日、春が来たら 97-07」の映像がアップされています。
アレンジ等、曲の雰囲気がどう変わったのかは
CD音源を未確認なのでコメントできませんが
歌詞の一部が違う内容に置き換えられ
かつてスタジアムで知った恋愛感情を
地下鉄を駆け上がり空を見上げたときに思い出す
という風に
大人テイストになっています。
松たか子 - 明日、春が来たら 97-07 ...... (Live at 中野サンプラザホール)
亜弥さんがカヴァーしたのは
オリジナルのほうです。
できれば”97-07”バージョンでカヴァーしてほしかったですね。
24才直後の歌唱なので
「教室の廊下」とか「スタジアム」の思い出よりも
「地下鉄の通路」とか「風が頬を撫でるふとした瞬間」で
こみ上げる気持ちを表現するほうがムリがないはず。
まあ、そういうことにこだわらず
なおかつ凄い歌唱ができるのが”松浦亜弥”なんですが・・・
明日、春が来たら(20100626)
なんというか・・・うっとりしますね。
最初から最後まで
何ともいえぬ幻想的な雰囲気が漂い
甘美な夢に浸ったまま時間が過ぎていく感じ。
この曲からは
明日、いいきっかけを見つけたら、そこから頑張るぞ!という
秘かな決意と、勇気、元気などを感じていたのですが
こういう甘美な夢、朧げで儚げな景色、幻想的な世界があったとは!
これこそカヴァーの醍醐味ですね。
紛れもなく亜弥さんの最高歌唱の一つだと思います(アレンジの菊池さんにとっても)
スゴイものを発掘されましたね。
ツタンカーメンの黄金のマスクにも匹敵する歌唱。
それにしても本来なら日本を代表する歌唱として広めるべきものが、アンダーグラウンドでしか聴くことができないというのはどうも釈然としません。
亜弥さんはビジュアルだって素晴らしいし、バンドの演奏や観客の反応まで含めた総合芸術ですからこういうのはブルーレイかなんかで文化財として残したいですね。
次に出てくるときは、素晴らしい歌唱は亜弥さんに頑張っていただくとして、それをどう録音、録画して全世界で視聴可能な形にするか、スタッフに頑張っていただきたいところですね。
それまで、アヤパルチザンとしてのご活躍に期待しております。
この音源自体は
昨年12月には確認済みで
たまたま、ご紹介する時期が
ブログの流れで
こんな遅いタイミングになってしまった次第です。
最初に聴いたときの感想は
いい音質だなとは思いましたが
それは、この公演の他の曲にも共通していることだったので
特にこの曲という印象はなかったわけです。
今回、久々にきっちり聴いてみると
一気に惹き込まれました。
この曲を歌うまでの流れを仔細にチェックすると
この直前に歌ったのが
同じ松たか子の「桜の雨、いつか」なんですが
皆からリクエストのあった「明日、春が来たら」を無視して
「同じ松さんの曲だからいいでしょ。今まで皆のリクエストを
無視したときは全然関係ない曲を歌ったけど、今度は
松さんつながりで関係がある分、ちょっとだけ進歩したでしょ?」
というワケの分からない理屈をこねてww
歌い始めました。
ところが
この静かなバラードで気持ちが盛り上がって
さあ2番に入ってこれからというときに
例によって(!)
完全な歌詞トビを演じてしまったわけです。
ステージではドSを演じる亜弥さんも
これには意気消沈し
「バチが当たった・・・とも言える」
と反省のMCとなり
それなら、ということで
本来はリクエストにより歌うべきだったこの曲を
歌いました・・・・という流れですね。
「桜の雨、いつか」も
(歌詞トビはともかく)全体的に素晴らしい出来でしたが
反省が込められた分
「明日、春が来たら」は
さらに良い出来の歌唱になったということでしょうか?!