松浦亜弥の17枚目のシングル曲。
2005年9月21日に発売。
作詞・作曲はつんく♂。編曲は鈴木Daichi秀行・名越由貴夫。
元々はCMソング(キリンビバレッジ「午後の紅茶」)としてサビ部分が作られ
好評につき、後からAメロ、Bメロを追加して
シングル曲として出されたという経緯がある。
オリコンでの順位は
2005年10月3日付チャートで初登場第6位で
初動は3万8千枚。
直前のシングルの「風信子」「YOUR SONG~青春宣誓~」「渡良瀬橋」「ずっと 好きでいいですか」が
4曲連続で初動が3万枚に届かなかったのに比べて
久々の好感触となった。
しかも、この2005年10月という月は
それまでのオリコン史上でも最も低調な月と言ってよく
初動3万8千枚でもかなりレベルの高い数字だったので
例えば、10月31日付チャート(10月19日発売ということになる)だったら
堂々のチャート第1位を獲得できていたのである。
「あやや初のチャート第1位」となると
結構その後の展開が違ったのではないかと思ったりする。
この路線をもう少し続けてみようということになり
「爽やか”あやや”」というイメージが定着したかもしれない。
少なくとも、「めちゃホリ」などと比べて物真似による誇張が難しく
誰かがふざけて物真似しても「今のあややと違うぞ」という修正が入っていたに違いない。
そうなると、その後の歌唱力で勝負する歌手・松浦亜弥というイメージに
もっとスムーズに移行できたかもしれない。
そう思えば、もう4週遅くリリースできていれば、という思いに
今さらながら駆られるのである。
やはり、チャート初登場第6位ではインパクトが少ない。
やっぱり今の松浦亜弥はそんな程度か、という印象しか残らなかっただろう。
結局、次の10月10日付チャートでは第12位に後退。
その後ベスト20の圏外となったが、最終売上は5万7千枚で
「奇跡の香りダンス。」以来のセールスを記録した。
編曲の鈴木Daichi秀行(1974年生、埼玉県出身)は、業界でも著名なアレンジャーで
絢香とYUIは、この人のアレンジにより成功を収めたと言ってよい。
絢香のときはL.O.Eというペンネームで、「I believe」「三日月」などのアレンジを担当し
YUIのときはnortha+というペンネームで、「Good-bye days」「CHE.R.RY」などのアレンジを担当している。
ハロプロ関係でも、ほとんどの歌手について数曲以上の編曲を手掛けており
後藤真希「愛のバカやろう」、モーニング娘。「ここにいるぜぇ!」「AS FOR ONE DAY」などの
オリコン1位曲も、この人のアレンジによるものである。
松浦亜弥の楽曲では
「The 美学」「草原の人」「GOOD BYE 夏男」「奇跡の香りダンス。」
「ずっと 好きでいいですか」(小西貴雄と共編曲)「気がつけば あなた」(名越由貴夫と共編曲)
「友情 ~上カルビ~」「SHALL WE LOVE? (松浦Version)」「LOVE TRAIN」
の編曲を担当していて
アイドル時代の後期には欠かせないアレンジャーとなっていた。
鈴木Daichi秀行と共同でこの曲のアレンジを担当した名越由貴夫(1965年生)は
知る人は当然知っていて当たり前の超有名人だが
知らない人は全く知らない無名な人という
知る人と知らない人との差が無限大に大きい名ギタリストだ
(私も今の今まで全く知らなかった)。
例えば、サッカーW杯ブラジル大会の応援ソング「NIPPON」のPVで
椎名林檎のすぐ右後方でギターを弾いているのが名越由貴夫だったりする。
このPVはyoutubeで800万回近く再生されている話題満載の映像なので
かなりの人が(知らぬ間に?)名越由貴夫のプレイぶりを見ているわけだ。
活躍の範囲が広いことでも有名で
COPASS GRINDERZというバンド(かなりハードなサウンド!)で活躍しているかと思えば
アイドル歌手だった松浦亜弥のサポートも行うという多彩さ。
「気がつけばあなた」にどんな形で参加することになったのかは定かでないが
どうせなら間奏などでその見事なプレイぶりを聴いてみたかった感もある
(この曲のギター部分は、つんく♂と親しい仲の鎌田浩二が”こーじ”名義で弾いている)。
さて、この曲はシンプルにCメジャーという調性で作られていて(ギター初心者には超嬉しい簡単コード!)
それまでのつんく♂作曲の歌に多かった複雑な調性とは好対照である。
偶然とは思えないのが
この次のシングル曲「砂を噛むように…NAMIDA」もCメジャー、
その次のシングル曲「笑顔」はGメジャー、
その次のシングル曲「きずな」はまたしてもCメジャー、
その次の(現時点で)最後のシングル曲「チョコレート魂」はAメジャーと
それぞれ作曲者は違うのに
この「気がつけばあなた」以降のシングル曲はシンプルな調性の曲ばかりになっている
という事実である。
「桃色片想い」「めちゃホリ」「奇跡の香りダンス。」などの
とてもギター初心者が初見で弾けない難しい調性と比べると
随分と印象が違うのである。
やはり、このちょっとした調性の変化が
その後の歌手・松浦亜弥の基本線になっていると思わざるを得ない。
そう考えると
アイドル時代の曲で唯一「Love涙色」だけが
Cメジャーというシンプルな調性を使っているので
脱アイドル後の亜弥さんでも違和感はないはずという推測が成り立つ。
(だから、もっと歌ってほしかったと思ってしまう)
ただし、調性の選択はピッタリでも、曲の作り方が変則的になってしまったので
”結局うまく辻褄を合わせた”という感は否めない。
作曲家つんく♂の長所である”予定調和の微妙な崩し”という要素が皆無となり
全体としてとらえどころのない、でもサビだけはキャッチーな曲ということになってしまった。
これではせっかくの松浦亜弥の歌唱力が生かせない。
人気曲だけあってyoutubeにはいろいろな映像がアップされているが
どの動画でも大差ない、逆に言えば、どの映像で聴いても
同じ印象しか残らない(あくまでも個人的感想であるが)
そのなかでは、「想いあふれて」の映像がまあまあなので
下記に引用しておきます。
気がつけばあなた 松浦亜弥 「想いあふれて」より
(2020.8.7確認。この記事を書いた当時はリンク可能で、実際にリンクしていた
「NHK POPJAM(2005.9.16)」の動画は削除されていました。
上記歌唱よりもっと活気のある感じで良かったんですが・・・)
午後の紅茶さんは、人気に陰りのでてきた「あやや」を
辛抱強く使い続けてくれていましたw。
この曲が松浦亜弥の曲だということを、世間は、もう忘れてしまっているでしょうが、
聴けば、「この曲、知っているよ」「聴いたことがあるよ」
という反応が返ってくると思います。
CDが売れるのと、有名な曲というのは、必ずしもイコールではありませんよね。
今思えば、アイドル「あやや」と現在の「松浦亜弥」の橋渡しになれた曲だと思います。
本人は、あまり好みでなかったのかもしれませんが、
この路線をもう2・3年続けていくべきであったと思います。
そうすれば、うまくソフトランディングすることができたのにと、残念でなりません。
そうだなあ・・・「午後の紅茶」さん、ありがとう・・・
と思っていたのですが・・・
おいちゃんさんのブログのコメントにも書いたのですが
2007年12月頃に集計されたネットでのアンケートがあって
そのアンケート「U-25アイドル誰が好き?」の結果は
1位 松浦亜弥
2位 堀北真希
3位 綾瀬はるか
4位 上戸 彩
なんですよねえ。
http://www.news2u.net/releases/25873
堀北、綾瀬を上回る人気とは
ホンマかいな?と思いました。
まあ
設問の仕方、回答者の年齢層・嗜好など
いろいろあるにせよ
2007年の年末でさえ、まだまだ根強い人気があったとも言えますね。
ということで
「午後の紅茶」さんへの感謝の念は
以前よりは薄れてきました(笑)
実際、好感度CMランキングでも
この時期ずっと第1位を別のCMと争っていますしね。
問題は
その時期からまもなく
観客動員の減少でツアー中止を余儀なくされたことです。
急激な変化という面もあるだろうし
もともと、ツアーとかレコードセールスとかに結びつきにくい類の人気だったのかも
しれないですし。
なかなか、”松浦亜弥人気”の分析は難しいです(^^
korouさんの仰るように、もしこのままの路線で進んでいたとしたら、アイドル路線から脱皮出来ていたかも知れません。
しかしながらその後、あややのモノマネブームが起こってしまい、元のイメージに引き戻されてしまった感は否めませんよね。
私も個人的には、ここが非常に残念です。
次の「砂を噛むように…NAMIDA」が
なかなか微妙な出来でしたからねえ。
今にして思えば
もう少しウエットな曲調(「中央改札」とか「横浜ロンド」とか)のほうが
良かったですね。
でも、亜弥さん個人の思いが込められたシングルなので
ファンとしては文句は言えないところです。
でも、はるな愛は余計でした。
あれで時計が逆戻りしましたね。
もう少し早くAKBが流行って
指原莉乃がもっと早く生まれてスターになっていれば
同じ逆戻りでも随分違ったことになったはずですが。
先日も、指原が、何か盛り上がる曲を歌わなければいけない場面で
当然のように「Yeah! めっちゃホリディ」をほぼフルコーラス歌っていました。
今一番人気のあるアイドルが
亜弥さんの歌に敬意を表してくれるのはありがたいけど
既に時は遅し!