korou's Column

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「二刀流」期間限定のススメ

2021-09-30 | MLB

2018年1月、当ブログで

「大谷翔平のエンゼルス選択は間違っていなかったか」というテーマで

文章を書いた。

今読んでみると、大谷クンに対してかなり低い評価を与えており、

「投手としては使える球種を増やすことが最低条件で

 それができればローテ投手として通用するだろう。

 打者としては長距離砲に徹することで

 打順は下位ながら意外性のある大砲として機能するだろう」

という予想をしていた。

 

今年の6月下旬頃にこの文章を読んだとしたら

「とんでもないヒドい評価だ。削除しなければ」と

自分でも思ったに違いない。

とにかく、その頃の大谷クンと言えば

大げさでなく、日本国民の希望の星だった。

終りの見えないコロナ禍のなかで

唯一の明るい話題が

MLBでの大谷選手の活躍だったはずだ。

時差の関係で、朝のニュースの速報として

「大谷選手、また目の覚めるような特大ホームランを放ちました」

という内容を耳にすることも多く

それだけで朝から元気をもらった人も多かったのではないか。

 

その頃から3か月経った今

相変わらず、大谷クンのニュースは途絶えることがないものの

かつてのような物凄い大活躍を伝える話題は

少なくなってしまった。

数字とか記録にこだわる向きには

実に残念なシーズンの終わり方になりつつある。

あともう少しというところまできたシーズン2ケタ勝利は

今日の時点で断念ということになり

8月上旬頃までは確実と思われたリーグ本塁打王についても

今日現在でほぼ絶望的になってきている。

もちろん、投手として9勝を挙げ、

同時に打者として45本もHRを打つことなど

MLBの長い歴史のなかでも今まで誰一人として達成したことがなく

2ケタ勝利、本塁打王の達成がなくても

2021年のMLBで最も優れた選手として

リーグMVPとなることは確実だろう。

問題は、この”シーズン後半の不振”が

何によるものなのかを

大谷クン本人がどう分析するかということだろう。

誰も指摘しないが

結構深刻な問題なのではないか。

 

7月以降、大谷クンの表情から明るさが消え

いかにも疲れたような仕草がしばしば見られるようになった。

それに伴い、打者・大谷の成績は急降下した。

(その一方で投手・大谷からは、ムダな力みが消え

 調子は上向きとなった。

 とはいえ、7月以降の大谷投手は

 MLBの水準でいえば技巧派投手のレベルである。

 三振をバッタバッタと奪う豪快な投げっぷりではなくなったのである)

 

9月になると、さらに疲労の度合いが濃くなってきた。

特に、投手・大谷が多めの投球数を費やしたとき

その翌日のバッティングがひどくなった。

ホームラン可能な甘いコースの球でさえ対応できなくなっていた。

明らかに疲れがとれていない。

6月まではそんな気配は全く見せていなかったのだが。

 

そんなのを何度も見てしまったので

以前から思っていたことと考え合わせると

これでは、彼が今のまま「二刀流」を続けたとして

仮にエンゼルスが

この9月においてリーグ優勝を争うようなレベルになったときに

結構致命的なことになるのではないかと思ったのである。

幸か不幸か、今のエンゼルスは

リーグ優勝どころか地区優勝、ワイルドカード争いのレベルからも程遠く

低迷を極めている。

しかし、数日前のインタビューでの発言のように

「9月に勝利を争うチームでいたい」と希望するなら

少なくとも9月には「二刀流」を封印すべきでないかと

思ったのである。

体の疲れは本人が一番良く分かっているはずで

今回、2ケタ勝利にチャレンジできるチャンス(レギュラーシーズン最終日の登板)

をあっさりと放棄したのも

そういうことなのだろうと思っている。

 

こういうことはシーズンでフルに出場してみないと

分からないことだったはずである。

だから、今シーズン、この時期に

打者として低調になったことは仕方ないことだと思う。

しかし、来年も同じようなことになったとしたら

それは大谷クンらしくないムダな失敗、ムダな繰り返しになる。

特に、エンゼルスが補強に成功し

来シーズンは最後まで優勝争いに絡めるようになったとしたら

そのあたりはよく検討してほしいと思っている。

(もちろん、さらなる奇跡を起こしてほしいとも思っているのだが

 やはり「二刀流」でシーズンを通して大活躍というのは難しいのでは

 ないだろうか。いかに大谷クンであっても)

 

個人的な見解を述べれば

「チームのことは別にして自分自身をより高めることに重点を置く」のであれば

今のままで、今までやったように鍛錬を続けていけばいいと思うが

もし「エンゼルスが勝てるチームになって、自分がその中で中心になって活躍したい」と

思うのであれば

そのチャンスが到来したと思った時点で「二刀流」を期間限定で封印したほうが

良いように思えるのである。

大谷クンにとって

”「二刀流」を期間限定にする”という発想は今までなかったように思うが

MLBで優勝争いをするということは

NPBのそれよりは遥かに難しいことなので(球団数が多い、選手の入替が激しい、

ケガをして短期離脱する選手がNPBよりもケタ違いに多い)

臨機応変に対応していくことが重要になってくる。

大谷クンは、通常のMLBの登板間隔である中4日でなく中5日で投げるので

その分、球団としては投手の補強が難しい。

一流の投手は、登板機会が少なくなる球団に

あえて移籍したいとは思わないからである。

そこは「二刀流」を抱える球団の難しさでもあるのだが

その分、ファンを惹き付ける魅力ある選手を確保できているとも言えるので

そこはエンゼルスとしても計算済みのリスクなのだろう。

しかし、選手補強が容易にできる期限である7月末の時点で

チームが優勝争いに絡んでいるとしたら

「二刀流」はその足かせになりかねない。

少なくとも、トレードで一流の投手を補強できないのは間違いない。

その分だけ、大谷クンが8月、9月も大車輪の活躍をしてくれれば

それはそれで解決済みとなるのだが

今年はそうはならなかった。

やはり、補強は必要なのではないか。

となれば、「二刀流」は期間限定で封印し

投手ローテを普通の間隔に戻して

一流投手の補強を行ったほうが

大谷クン自身のモチベーションも保てるのではないかと考える。

 

最近の大谷クンの地味な打撃結果とか

登板翌日の振りの鈍さとかを見るにつけ

6月まではこんなことはなかったなあ、

じゃあ7月以降はチーム状態によっては二刀流封印のほうがいいのでは

と思った次第。

(なお、あえて明記しませんでしたが、二刀流封印というのは

 打者オンリーでプレイするということです。

 そのためにも、このシーズンオフから

 外野守備にも取り組んでほしいと思っています。

 今のままでは、DH制を採用しないナ・リーグのチームとの対戦で

 活躍できませんからね。

 もっとも、来季からナ・リーグでもDH制が採用される可能性が出てきていますので

 そうなると、やや事情は変わりますが・・・

 どちらにせよ、いつの日か「二刀流」は体力的にムリになることは間違いないので

 今のうちから外野手としてもプレイ可能なように準備しておくことは

 必要なんじゃないかなと思います)

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