すすきの～藻岩山

ホテル代に充てる金がなく、ネカフェで夜を明かす。床が固いのと周りの騒音で熟睡できない場所なんだけど今日は熟睡した。テンションは高いがたぶん疲れていたのだと思う。博多行きの便は15時なので時間がある。普段行かないような場所に行こうと思い、市電に乗り藻岩山へ向かう。すすきのから20分程でロープウェイ乗り場に到着する。女性スタッフしかいない乗り場、ガイドの音声案内を聞きながら山を登るロープウェイから景色を臨むが次第に曇りだす。5分ほどで終着点に着き、そこから頂上までを結ぶ送迎バスの外は強風と大雨。さっきまで眺められた景色も今は視界ゼロだ。折角来たので少しうろうろするが景色以外に見るものがなく、停車中のバスに戻り、他の観光客の雑談に耳を傾ける。後ろは中国人観光客だろうか、何を話してるかさっぱり分からないが、ニュアンスから会話を想像して頭の中で勝手にアテレコする。強風と雨が吹き荒ぶ山で、オレは一体何をやってるのだろう。しばらくしてロープウェイが来たので下る。地上は曇っているだけだった。帰りも市電に乗ると、ロシア人と日本人の混血な感じの女性が乗ってきた。見た目は白人だが日本女性独特の佇まいがある。なかなかの美人だと思ったが、日本の小説を読んでいる姿が奇妙に映った。札幌駅から新千歳空港まで快速電車に乗り、所々見覚えのある場所が目に留まっては余韻に浸る。空港ではあまり時間がなく、とりあえず必要最小限の土産を買って飛行機に乗り込む。往路と打って変わって大混雑だ。2時間のフライトを経て福岡空港に到着する。亜熱帯地方に行ったことはないが、東南アジアに到着したんじゃないかと思うほど蒸し暑い。夜は肌寒かった北海道、帰ってきて初めてありがたみを実感しました。