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食糧問題について、レスターブラウンは、その編著『地球白書1999―2000』(ダイヤモンド社)において、つぎのような警告を発している。
「次の千年紀(引用者注:21世紀)を迎えるにあたって、政治指導者が食糧問題の重大さを過小評価するとしたら、それこそ最大の過ちを犯すことになる」(230ページ)。
そして、同書は語る。いまや、食糧生産は食糧消費の増加に追いつくのが、たいへん難しいと。ここ数年来、食糧の基本である穀物の需給が、世界的に逼迫している。
レスターブラウン『フード・セキュリティー 』(福岡克也監訳・株式会社ワール ドウォッチングジャパン刊)によると、この4年間、世界の穀物生産量は、その消費量を下回っている。
レスターブラウンは語る。「土地の生産性の伸びが到化し続け、一方で、人口が毎年7000万人以上増えつづけるなら、各国政府はナショナル・セキュリティー(国家安全保障)を、食糧不足と食糧価格の高騰、そして「不足の時代」に対応する政治という観点から構想するようになるだろう」。
さらに、同氏は「フード・インセキュリティー(食糧不安)は、各国政府の最大の懸念材料として、近いうちにテロリズムより重視されるかもしれない」という。
いよいよ、食糧輸入大国・日本は、その食糧自給を怠ったツケの支払を免れないであろう。これも、自業自得というものか。