エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

何故、米国的な学び方が難しいか②

2023-08-08 04:30:00 | 教育

 月~水曜は学校教育について書いています。今回は、一昨日(R5.8.6)、昨日(R5.8.7)の続きで、「何故、アメリカのような学び方(学習を受ける側の自由や自律に任せた学び方)が日本では難しいか」について、小学校教師の立場として述べます。

 昨日は結論として、「現在行われている一人の教師が教える一斉授業形式だと、アメリカのような学び方を取り入れると不具合が発生するから難しい」と述べました。そして、その「不具合」として、「教師の指導力が低下する可能性がある」「学習を忌避する傾向が強まる」「周囲から学級崩壊していると見られる(同調圧力が発生する)」の三つを挙げました。今回は、「不具合」について具体的に述べます。

 まず、「教師の指導力が低下する可能性がある」です。

 実際に教室で児童を指導すれば分かりますが、教師という立場で教室に入ったからといって、簡単に児童を指導できる訳ではありません。昭和時代や平成前期の児童なら、「学校の先生の言う通りにするんだよ」という指導を家庭で行われていましたから、ある程度は簡単に指導できました。それでも、指導力不足の教師(大学を卒業して直ぐの私も、その一人でした)が担任になると、授業中に指導が通らなくなり、学級崩壊状態になってしまう事がありました(私も、それを経験した一人です)。

 それが、「自分のしたい事をする」傾向の強まった現代であれば、より難易度が上がっています。授業中、自由にトイレへ行く事を認めたり、自由に教師への質問や意見を認めたりする事で、「先生の言う事に従わなくてもいいんだ」という誤解が子供の中に生じてしまった場合、教師の指導に従わない子供が出てくる事は容易に想像できます。

 また、「一人の教師が教える一斉授業形式」の授業の場合、どう授業を組み立てるかは教師が考え、進めていく事が多いです。つまり、授業をコントロールするのは教師…となる訳ですが、例えば、自由にトイレへ行く子供が何人も出てくると、授業をコントロールするのが難しくなります。大事な説明をしたい時、学級の児童が十人近くトイレへ行ってしまったら、そこで説明を続けるのはためらわれますから。

 実際、令和5年度に担任していた学級では最初の頃、トイレに行きたい子は自由にトイレへ行って良い事にしていました。ところが、一人がトイレに行くと次々とトイレに行く子が出てしまい、本当に十人近く教室から出てしまう状態になってしまったのです。これでは授業を進めるにも支障を来してしまうので、授業中にトイレへ行く事は禁止する事となりました。

 もちろん、これは私がB級教師で力不足だから招いた結果です。私は拝見した事がありませんが、授業記録などを読みますと、静岡県の築地久子先生の学級では、相当にアメリカ的な授業が為されていた様子です。授業中に立って調べに行ったり、友達と相談したりする事が普通に行われていた様子ですから。だから、相当な実力のある教師であれば可能なのでしょうが、普通の一般的な大多数の教師(=私)にとっては、かなり難しいと言わざるを得ません。

 ところで、一人がトイレに行くと次々とトイレに行く子が出る…というのは、二つ目の不具合、「学習を忌避する傾向が強まる」と関連しています。

 これは私の肌感覚ですが、平成初期の子供に比べ、現代の子供は幼くなった様に感じます。そのため、自分の事を自分で律する…つまり、自律する力が弱くなっているように感じるのです。

 かなり長くなったので、続きは明日のブログで書きます。御意見・御感想のコメントお待ちしています。また、良かったと思われた方は、ぜひ「いいね」を押していただけるとありがたいです。


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