いつも馬鹿なことばかり書いてるので、
偶には広告デザイナーらしい事を書いてみる。
つもり。
最近、というか昔からなのだが、
かなり気になってる事がある。
トイレでよく見かける表示。
こういう表示を見かけるようになったのが、
いつ頃からだったかは知らないのだけれど、
私が記憶してる限りでは、
2000年代前半ぐらいから広まっていったような気がする。
もしかしたら私が知らなかっただけで、
もっともっと昔からあったのかもしれない。
初めてこれを見たときというのは、
非常に『上手いコピーだな』と感じたものなんだけれど、
広まってしまうと、なんだか非常にチープに感じてしまう。
このコピーを最初に考えた人ってのは、
ほとんどのお客様はトイレを綺麗に使ってくれるんだけど、
どうしても一部の方が汚しちゃうんだよな。
どうやったら皆が綺麗に使ってくれるだろう・・・
そうだ、先に感謝の気持ちを伝えれば、
きっと綺麗に使ってくれるんじゃないか?
なんて経緯があったかどうかは解らないけど、
きっと、そんな流れで思いついたんだと思う。
で、それ以降に同コピーをトイレに表示した所、
というか、現在こういう表示がされてるトイレのほぼ全てについては、
あそこが、こういう表示をしたらトイレが汚され難くなったらしいよ。
じゃぁ、うちもやってみようか!
といった感じなんだと思うが、
そういう流れ考えると、
杓子定規的な表現で、
そこに『ありがとう』なんて気持ちは、
これっぽっちも存在しないんじゃないかと思ってしまう。
なんというか、気持ちのない『ありがとう』には価値なんてないし、
気持ちのないコピーには人の心を動かす力なんてないと思いたい。
“思いたい”ってのは、なんじゃそりゃって感じだけど、
まぁ、そうじゃない事があるぐらいは知ってるので・・・。
世の中綺麗事だけじゃないからねぇ。
残念なことに。