近江神宮駅で
近江神宮駅で駆け込み乗車をしました。自宅で時刻表も見ないで行きあたりばったり駅に着いた時、乗ろうとしていた浜大津駅行きの電車が偶々停車していました。「これは具合良い」と思ってゆっくり乗車券を買おうとしていたら、発車を知らせるベルが鳴りました。急いで自販機で乗車券を買い、足が悪いのも忘れて5~6段の階段を駆け上がり、開いていた電車のドアーから車内に飛び込みました。滑り込みセーフです。その電車は近江神宮駅始発の電車で、車内には飛び込んだ眼の前に知り合いの「Eちゃん」がただ一人座席に座っていました。私の姉と同い年の、小さい頃は美人だったEさんも今年75歳になられます。
私の駆け込み乗車を見ていたEさんが、他人事ながら「ワー、間に合うたなあ」とホッとして発してくれた言葉が挨拶となりました。Eさんの言うことには、「階段を駆け上がるのがすごく速くて感心した!若いのやなあ!」、「齢をとっているかどうかは階段を上がって行く後姿を見たら一番よくわかる」そうです。齢をとると何かと体のあちこちに故障を生じてきますが、その為に生じる不自由を彼女に訴えると、「何を言うてるのん、まだまだ若いのに!」でした。年上の人から必ず言い返される言葉です。
理髪店で
理髪店は近所にいくつもあるのにどういうわけか自宅から少し離れたところにある理髪店にずーっと通っています。相性と言うようなものがあるのかも知れません。
女性でも、美容院ではなく理髪店にやって来る人もいます。先客は年を召された女性でした。理髪店の奥さんが担当して、ぺちゃくちゃ話をしながら髪の手入れをしていました。
私が店に入って来たので奥さんがブザーを鳴らして奥で休んでいる御主人を呼びました。
スタッフは夫婦二人だけの、もう70歳を超えるペアーです。最近はお客さんも少なくなり小遣い稼ぎ程度に店を開けている感じです。
私は何十年もこの店に通っているので、御主人は私の好みの髪の切り方を知っており無言のまま散髪に取り掛かるのが常です。しかしどういう風の吹きまわしか「どういう風にいたしましょう?」なんて言うので、一瞬「ボケでも来たのかな?」と思いました。隣に来ている客を意識したのかも知れません。
私は若い頃から髪の毛などはまるで構わない方で、伸びすぎて鬱陶しくなったら理髪店へ出かけるという次第です。自然と1~2か月に一度の頻度になります。その間隔が出来るだけ長い方が良いので、夏に向かう頃は勿論のこと、冬でも出来るだけ短く刈ってもらうようにしています。それで何を今更そんなことを聞くの?とばかりに「短くしてください」と答えました。
理髪店は世間話の場所です
主人 「お宅さんは風邪をひいたとき何処のお医者さんに行かはりますの?」
私 「風邪をひいても、風邪くらいで医者に行ったことはありません」
主人 「私は市販の風邪薬などは買わず医者に行って薬を処方してもらいます。その方が安上がりです。尤も、私が行く医者は直ぐに点滴をしたがります」。
主人も客も共に話すのが面倒で気が向かない時は何も話さないこともあります。
私 「何か、えーこと(良い事)無い?」
主人 「何ーんも無い。・・・・・・」
私 「・・・・・・」
主人 「・・・・・・」
近所の銭湯で
私が行った時刻は午後7時過ぎでした。風呂からあがって脱衣場で着かえる時刻には、もう一人、脱衣場で裸のまま椅子に腰かけて休んでいる70歳くらいのお客がいるだけの寂しい風景です。やがてもう一人、年の頃80歳近くのお客さんが入ってきました。御両人は顔見知りです。
80歳 「おっさん!元気のない顔してるやんけ」
70歳 「うん・・・・」
80歳 「人生に疲れたか?・・・・」
70歳 「・・・・・・」
やがて二人は順次サウナ室に入ってゆきました。
その後サウナ室でどんな会話が二人で交わされたことでしょう。
近江神宮駅で駆け込み乗車をしました。自宅で時刻表も見ないで行きあたりばったり駅に着いた時、乗ろうとしていた浜大津駅行きの電車が偶々停車していました。「これは具合良い」と思ってゆっくり乗車券を買おうとしていたら、発車を知らせるベルが鳴りました。急いで自販機で乗車券を買い、足が悪いのも忘れて5~6段の階段を駆け上がり、開いていた電車のドアーから車内に飛び込みました。滑り込みセーフです。その電車は近江神宮駅始発の電車で、車内には飛び込んだ眼の前に知り合いの「Eちゃん」がただ一人座席に座っていました。私の姉と同い年の、小さい頃は美人だったEさんも今年75歳になられます。
私の駆け込み乗車を見ていたEさんが、他人事ながら「ワー、間に合うたなあ」とホッとして発してくれた言葉が挨拶となりました。Eさんの言うことには、「階段を駆け上がるのがすごく速くて感心した!若いのやなあ!」、「齢をとっているかどうかは階段を上がって行く後姿を見たら一番よくわかる」そうです。齢をとると何かと体のあちこちに故障を生じてきますが、その為に生じる不自由を彼女に訴えると、「何を言うてるのん、まだまだ若いのに!」でした。年上の人から必ず言い返される言葉です。
理髪店で
理髪店は近所にいくつもあるのにどういうわけか自宅から少し離れたところにある理髪店にずーっと通っています。相性と言うようなものがあるのかも知れません。
女性でも、美容院ではなく理髪店にやって来る人もいます。先客は年を召された女性でした。理髪店の奥さんが担当して、ぺちゃくちゃ話をしながら髪の手入れをしていました。
私が店に入って来たので奥さんがブザーを鳴らして奥で休んでいる御主人を呼びました。
スタッフは夫婦二人だけの、もう70歳を超えるペアーです。最近はお客さんも少なくなり小遣い稼ぎ程度に店を開けている感じです。
私は何十年もこの店に通っているので、御主人は私の好みの髪の切り方を知っており無言のまま散髪に取り掛かるのが常です。しかしどういう風の吹きまわしか「どういう風にいたしましょう?」なんて言うので、一瞬「ボケでも来たのかな?」と思いました。隣に来ている客を意識したのかも知れません。
私は若い頃から髪の毛などはまるで構わない方で、伸びすぎて鬱陶しくなったら理髪店へ出かけるという次第です。自然と1~2か月に一度の頻度になります。その間隔が出来るだけ長い方が良いので、夏に向かう頃は勿論のこと、冬でも出来るだけ短く刈ってもらうようにしています。それで何を今更そんなことを聞くの?とばかりに「短くしてください」と答えました。
理髪店は世間話の場所です
主人 「お宅さんは風邪をひいたとき何処のお医者さんに行かはりますの?」
私 「風邪をひいても、風邪くらいで医者に行ったことはありません」
主人 「私は市販の風邪薬などは買わず医者に行って薬を処方してもらいます。その方が安上がりです。尤も、私が行く医者は直ぐに点滴をしたがります」。
主人も客も共に話すのが面倒で気が向かない時は何も話さないこともあります。
私 「何か、えーこと(良い事)無い?」
主人 「何ーんも無い。・・・・・・」
私 「・・・・・・」
主人 「・・・・・・」
近所の銭湯で
私が行った時刻は午後7時過ぎでした。風呂からあがって脱衣場で着かえる時刻には、もう一人、脱衣場で裸のまま椅子に腰かけて休んでいる70歳くらいのお客がいるだけの寂しい風景です。やがてもう一人、年の頃80歳近くのお客さんが入ってきました。御両人は顔見知りです。
80歳 「おっさん!元気のない顔してるやんけ」
70歳 「うん・・・・」
80歳 「人生に疲れたか?・・・・」
70歳 「・・・・・・」
やがて二人は順次サウナ室に入ってゆきました。
その後サウナ室でどんな会話が二人で交わされたことでしょう。