
ヨーロッパ留学中に自分の国が消滅してしまった(らしい)"Hiruko"が、どこかにいるであろう同郷人を探す旅に出る。その途中で偶然に出会った人々も旅に加わり、奇想天外な物語が展開していく。
図書館で多和田葉子の小説『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』『太陽諸島』を借りた。これが三部作だとは知らなかったのだが、たまたま一度に三冊借りたので話の繋がりが把握しやすくてよかった。
舞台はデンマーク、ルクセンブルグ、ドイツ、フランス、そして航海する船上へと移る。出身も母国語もさまざまな6人が一人称で交互に物語っていくのだが、そこが刺激的で興味深い。文化的言語的背景が事象の捉え方にも反映される。物事を見る角度がそれぞれに異なる。さらに各人の強烈な個性(癖のある登場人物ばかり)も加わって、とても不思議で先が読めない物語が綴られていく。
多和田葉子の小説には「言葉遊び」(韻を踏んだり、語呂合わせのようなもの)が必ず出てくるが、この三部作にもそれがたくさんあって楽しい。特に、外国語の音を自分の母国語の音で聞く「空耳」は愉快だ。
6人の関係は、多様性社会の縮図。アメリカでの暮らしを思い起こさせる。文化的言語的背景の異なる人達との会話は新鮮でもあり、少し面倒でもあった(解釈の違いが誤解を招かないようお互い説明し合わないといけなかったりするので)。多様性を受け入れるには想像力と発想の転換と忍耐力が要る。
また、ファンタジーのようでありながら、ヨーロッパで起きている戦争、東日本大震災、環境問題、移民問題、トランスジェンダーなど、現実の出来事も物語に組み込まれ、そうした問題に対する著者の考えが行間から読み取れる。
三部作は幕を閉じるが、6人の旅はこれからも続くことを『太陽諸島』のラストが示唆する。
「わたしたちは波と似ている。押し合い、ぶつかりあい、形を崩しては、また新しい形をつくり、いろいろな方向に目を向けながら、いつも揺れている。」(334ページ)
「わたしたちはそれぞれ独自の姿勢で立ち上がった。明日のことが分からなくても、わたしたちはまだこのまま一緒に旅を続けていくことができそうだった。」(335ページ)
"Hiruko"の故国の神話(スサノオノミコト、ツクヨミ、ヒルコなど)や昔話(浦島太郎など)が他の人達を魅了し、それが6人で旅を続ける原動力になっているのかもしれない。未知への関心、探究心が、人を動かす。
わたしも、人生の旅を続けていきたい。いつかどこかで、この6人のような出会いが待ち受けているかもしれない、とひそかに期待しながら。
kami
(ΦωΦ)じー
ヒルコもスサノオも神様ですから、もちろん
オトシガミさまも大歓迎でございます。
で、オトシガミさまはどんな神話に登場するのでしたっけ?
(ΦωΦ)じー
コメントありがとうございました♪
異国の地から戻った、こころ優しき低山好きの女神を応援する物語です!
(。ー`ωー)フッ✨
こんばんは~。
素敵な神話ですね。その女神さんは心広きオトシガミさまに
応援してもらえて幸せですね。
良きことかな。
私は、長編の本を読むのが苦手なので、三部作を読まれたのだと思うと、尊敬の眼差しで見上げてしまいます。(ᵒ̴̷͈ᗨᵒ̴̶̷͈ )✧✨
そして、その長編の感想を、まとめて読ませて頂いている〜〜と思うと、お得感でホクホクしますっ(* ˃ ᵕ ˂ )b💕
storytellerさんの御話は、本当に、わかりやすくて、ワタクシ好みですっ♡
これからも、更新を楽しみにしておりますねぇ!
くぁんみぃ♡
こんばんは~。わ~、褒められちゃって木に登ってしまいました 笑。
わたしは多読・速読派なので、読み終わるとすぐに内容を
忘れてしまう困ったところがあります。
そこで、気に入った本はこうして読後感ぽくまとめておくことに
しています。
本当に主観丸出しなので、あまりお役に立てないかもしれませんが、
でも読んでいただけて嬉しい♪
ふふふ~。
コメントありがとうございました♪
You have a spark, so be confident and open up to it.
((((*¯ ³¯*)See you Tomorrow💕
You have a spark. You have a spark.
You have a spark. You have a spark.
You have a spark. You have a spark.
What a beautiful expression!!!!!
Thank you so much Otoshigami-sama, you made my day!!!
こんばんは。
多和田葉子独特の文体と言葉遊び、そして世界観がとても
刺激的で面白かったです!
物語の内容そのものより、6人の関わり方、言葉の使い方が
興味深かったかな。
アメリカと日本を往復している自由人のallyさんなら、
きっとHiruko達の気持ちや言動がよく分かるかも。
是非読んで感想聞かせてくださいね!
日本にいる間にもし時間がとれそうなら、
飛んでいきますのでお知らせくださ~い。
楽しみ!
コメントありがとうございました♪