天国からはじまる物語
ガブリエル・ゼヴィン 著
堀川志野舞 訳
理論社
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2008年初版となっていましたが世界15か国で出版されたベストセラーだそうです。
死んだあとの世界ってどうなっているのかなぁ
きっと誰でも考えたことがあると思う。
天国?地獄?あるいは「無」?
この物語での死後の世界観はとってもユニークでちょっと「もし・・だったら」と想像してみたくなります。
ヒロインは16歳の女の子リズ。
交通事故で突然亡くなってしまいます。
リズが意識を取り戻したのは死後の世界でもある「ドコカ」という場所。
そこは死んだ年齢からだんだん若返って行き
最後には赤ちゃんになって現世へとリリース(生まれ変わり)されるという世界。
16歳で死んだリズは今度は16歳から始まってリリースまでの16年間をドコカで過ごすのです。
つまりドコカでの人生というのは現世で生きた年齢と同じだけの年数ということになります。
16+16=32年
これがリズとしての全人生というわけです。
A面B面みたいな感じ?
寿命のわからない、先の見えない前半の人生のあと、
今度は自分が何年生きるかわかっている人生。
先に亡くなった人に再会することもある。
でも先に亡くなった人はそれだけ若返っているので
親の方が若くなっていたりしてちょっと変な感じのこともある。
リズはこの新しい世界で葛藤しながらも自分の人生を見つけていきます。
老いて死ぬ。と思うと人生は一方通行だけれど
こうしてUターンするみたいに若返って赤ちゃんに戻る、というのは円を描くようで
魂の循環というのかなんか「そうかも」って思えてしまう自然さを感じました。
もし、ドコカにたどり着いたなら・・今度は何をしようかな
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天国からはじまる物語
ガブリエル・ゼヴィン 著
堀川志野舞 訳
理論社