4月28日、厚地脳神経外科病院開設40周年記念事業として鹿児島市宝山ホールにおいて「がん診断と放射線治療・脳神経外科治療の最前線」の講演会が開催されました。
主催者を代表して医療法人慈風会理事長の開会の挨拶で今回の講演会の概要についての紹介と医療法人慈風会関連の事業の紹介があり講演が始まりました。
第1部 「がん早期診断の最前線~PET診断の威力~」では 講師の厚地記念クリニックPET画像診断センター院長 陣之内 正史先生より略歴の紹介のあとに、PET(ペット)検査の内容と導入の経緯や治療の実態について説明がありました。
PET診断は他の検査に比べて良いところは1回の検査で全身をチエックでき、小さながん(1cm以上)もみつけやすいこと、体に負担がかからないなどの利点があるので、西日本の民間病院では初めて平成14年に導入し、これまでに4万5千人が受診して2%程度に「がん」が発見され、そのほとんどが早期のもので治療されて治っているとの説明でした。
更に、PET検査とCTを組み合わせたPET/CTという装置が開発されたので、その装置を使った診断の最前線についても画像を使って説明がありました。
第2部 「切らずに治す 世界最先端のがん放射線治療の成果」では、講師の厚地記念放射線医療研究所付属UASオンコロジーセンター センター長 植松 稔先生より略歴の紹介のあとに、放射線治療は手術や抗がん剤に比べて身体的に優しい治療であり、放射線治療医として15年来研究を重ねてきた放射線治療方法の改善の経過などについて説明がありました。
CTガイド下の3次元ピンポイント照射に更なる改良を加え、動く標的に対し持続的追尾機能を持つ4次元ピンポイント照射によるがん治療方法は世界初の高精度、高エネルギー照射を可能にした装置であり、その優れて治療効果について画像により説明がありました。
特別講演 「最新の脳神経外科治療~脳ドックで脳を守ろう~」では講師のデューク大学脳神経外科教授 福島 孝徳先生より略歴の紹介のあとに、脳神経外科の専門医師として世界各地から要請を受けて年間600例以上の手術を行い、各国に多くの専門医を育てていることが説明されました。
重症の患者さんにも最大限の努力で手術しているので、100%成功しなくても世間ではゴットハンド(神の手を持つ男)時にはラストホープ(最後の切り札)ともいわれているが、患者さんの命を救ってあげたい一心で仕事に取り組んでいて、「すべては患者さんのために」が信条である。
そのために独自の発想と技法の開発による、頭蓋に小さな穴を開け手術用顕微鏡下で微細手術を行い体のダメージを少なくする方法など、手術成功100%を目指して手法の開発に取り組んでいる。
いかに医療が進歩しても人の命を100%救うことはできないが、最も大切なことは一人一人が体を大切する心構えをしっかり持って、日常生活の改善に心がけ(特に煙草の害を考えて禁煙に努める)、一歩進んで予防のための脳ドック、がんドック等を積極的に利用することを勧められて講演が終わりました。
今回の講演会に出席したおかげで最先端医療の概要を知ることができ、今後受診する場合に参考になるので、参加できて良かったと思っています。
第1部 PET検診の威力 「PET画像診断センター院長の説明」
第2部 がん放射線治療の効果「UASオンコロジーセンター センター長の説明」
特別講演 最新の脳神経外科治療「デユーク大学脳神経外科教授福島先生」
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