仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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石巻市で健康調査が行われました

2011-10-20 01:30:38 | 記事
焦点/東北大など、石巻で健康調査/失業・不安 眠れぬ夜

http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20110923_01.htm
 東北大と厚生労働省が、東日本大震災の被災者を対象に石巻市で実施した健康状態に関する調査で、被災者の4割余りに不眠などの睡眠障害の疑いがあり、一部は強い抑うつ状態を訴えたことが分かった。不眠の傾向は震災後に失業した被災者に多く見られ、雇用や生活の不安がストレスになっている現状が浮き彫りになった。

◎睡眠障害疑い被災者の4割

<「絶望的」は6%>
 調査は石巻市雄勝・牡鹿両地区の18歳以上の被災者を対象に、6月下旬から8月上旬にかけて実施。健康診断を行って生活状況や精神面について尋ね、計1399人から回答を得た。厚労省が22日、調査結果を発表した。
 「眠れない」「早く目が覚めてしまう」などの睡眠障害の疑いのある割合は42.2%で、全国調査(28.5%)を大きく上回った。抑うつの傾向も強く、日常的に「絶望的だと感じる」とする被災者の割合は6.6%と、全国調査(2.1%)の3倍以上だった。
 生活状況との関連では、震災後の失業者の49.6%が不眠の症状を自覚。失業していない被災者の37.1%を上回った。

<生活保障が急務>
 現在の暮らし向きについて「普通」と答えた住民のうち不眠の訴えは27.3%だったが、「苦しい」被災者で不眠は54.7%、「大変苦しい」は57.8%。家計が苦しいほど眠れない割合が高かった。
 研究チームは「雇用の確保などの生活保障は急務。精神科医や保健師らによるきめ細かいケアも必要だ」と強調する。
 被災のショックとの関わりは「震災の記憶を思い出してしまう・夢に見る」「思い出すと動揺する」の割合は35%を超え、うち60%以上に不眠の症状があった。
 一方、周囲との人間関係が保たれている人ほど、不眠や抑うつの割合が少ない傾向も示された。

<「長期化は危険」>
 生活習慣では喫煙者の33.7%が震災前より喫煙本数が増え、飲酒している人の20.2%が飲酒量が増えたと回答した。
 血液検査や尿検査、血圧測定などの健康診断結果は、雄勝地区のみ集計が終了。いずれの数値も平常時の全国平均値と大きな差はなかった。
 調査を行った東北大大学院医学系研究科の辻一郎教授(公衆衛生学)は「現時点では身体的な疾患の問題は少ないが、睡眠障害や抑うつは長期化すると高血圧や免疫機能の低下などにつながりやすい」と注意を促す。
 厚労省は被災者の心身の健康状態を把握して必要なケア体制を構築するため、岩手、宮城、福島の被災3県の各地域で、計3万人規模を目標に健康調査を順次実施。宮城県内では今後、仙台市内などの仮設住宅の住民を対象に調査を行う。

2011年09月23日金曜日 河北新報


 震災後、被災者の4割が睡眠障害の疑いがあるということがわかった。中でも、失業者の半数は不眠の症状を自覚し、生活水準が苦しいほど、周囲との人間関係がない人ほど不眠の割合が増加する傾向にあった。

 一種の「セーフティーネット」の役割を果たしていた共同体が破壊され、雇用されなければ生活できず、夜も眠れないのである。もちろん専門家によるケアも必要だが、それだけでなく、その背景にある社会問題の解決が急がれる。

 まず、雇用されなければ夜も寝られないということも社会的な問題である(もちろん非正規問題など、雇用されていても人間らしい生活ができないことも問題であるが)。これは、生活保護や失業者給付などの社会保障の水準が低いことの証左である。生活が保障されなければ就職活動もできず、健康障害がおこってしまえば働くこともできない。生活保護や失業者給付が人として生活できる水準まで拡充されることが求められる。
 次に雇用確保については、確保されることと同時にその質も問わなければならないことも忘れてはならない。生活困窮者は、生活していくためにどんな劣悪で不安定な労働条件であっても飛びつかざるをえない状況にある。そのため、雇用は確保されたが、過酷な労働で健康障害がでるようではむしろ悪化している。

 そもそも不安の根本にある社会問題は震災の前からあり、被災地に「特別」な問題ではない。もともとあった問題が被災地で顕在化しているに過ぎない。このような現状をふまえ、誰であっても、どのような事情であっても受けられる生活保障が一層求められる。


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