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保育士確保ピンチ~民営化の問題~

2012-04-12 16:04:35 | 記事
仙台市、保育士確保ピンチ 臨時職員の雇用不安定

  仙台市立の保育所で、4月から勤務する臨時職員の保育士の確保が難航している。1年後に雇用が打ち切られる不安定な条件に加え、首都圏の民間保育所による採用攻勢もあり、市は例年になく苦境に立たされている。

 市によると、市内48の保育所で必要な臨時職員は約170人。登録者を随時募っているが、現在100人しか確保できていない。
 2月に開く登録者説明会には、例年180人程度が参加していたが、昨年は約100人、ことしは47人まで減った。
 市は急激な減少の理由として、保育需要が伸び続ける首都圏の民間保育所が近年、地方都市で採用活動を活発化させていることを挙げる。人手不足を補うため正規雇用を掲げるほか、寮を完備するなど福利厚生面の充実も図り、保育士志望の学生らの関心を引いているという。
 市は保育所の民営化を段階的に進めており、正職員の採用を10人弱に抑制してきた。ここ数年は各保育所で臨時職員の比率が高まりすぎたことから、一転して20~30人に増やしている。
 新年度は25人の採用枠に200人以上が応募。地方公務員法の規定で最長1年しか雇用されない臨時職員と違い、正職員人気の根強さを示した。
 市保育課は「将来の民営化を見越せば、臨時職員に頼らざるを得ない。あらためて求人誌に記事を載せたり、保育士養成校に案内を出したりして、人材確保に全力を挙げる」と話している。


河北新報 2012年3月7日

 現在、市における保育士の確保が難航しています。その理由として、市が将来的に保育所の民営化を進めようとしており、そのためにも臨時職員に頼らざるを得ない状況がつくり出されているところが大きいでしょう。確かに、不安定な収入や限られた雇用期間といった雇用条件を強いられる臨時職員よりも正規の職員としての勤務を望むのはごく自然な反応でしょう。
 
 そもそも保育所の民営化の目的とは何か。それは、様々な理由が考えられますが、中でもコストの削減という一点が目的の大半を占めるでしょう。しかし、行政の財政難を理由に、人員の削減や単価の安い臨時職員の雇用といった経費削減目的の効率重視の保育所運営としていくことは必ずしも是とはなりません。

 また、こういった保育のような職業の質は「経験」によるところが大きいと思われます。保育や介護等の事業の運営費は大半が人件費だそうで、経費の削減で先に手が回るとなれば人件費であり、そのために臨時職員に頼らざるをえないということです。
 しかし、「経験」が重視される保育士で、短い期間で臨時職員を雇っては次の臨時職員といったようなことを繰り返すようでは、保育士の質も維持できなくなる可能性があります。つまり、臨時職員は目まぐるしく新しい子と接することになり、子どもにしてみても、新しい先生がどんどん入れ替わりで入ってくることになるのです。
 こういった激しい入れ替わりの中で、本当に保育の質は保障されるのでしょうか?子ども、保護者、そして職員が安心できる保育環境をつくることができるのでしょうか?私はそこが不安でなりません。

 現在、少子化という時勢から、保育所を民営化した方が効率がよいという考えの下で民営化が進められています。しかし、この時勢だからこそ、こういった事業を公的に保障し子どもも保護者も労働者も安心できる保育事業をつくっていくべきだと、私は考えます。

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