THE
BOOM @調布市グリーンホール 撮影:岩佐篤樹
THE
BOOM
平成二十三年
春夏公演「光」、ツアー初日の23日、調布市グリーンホールには、あいにくの雨の中、開場前からたくさんのファンが列を作った。
ニュー・アルバム「よっちゃばれ」が東日本大震災の影響により発売延期となり、「THE
BOOM
Live
Tour
2011“よっちゃばれ”」としてすでに発表されていたこのツアーも、実施の可否を含めTHE
BOOMの今後の活動の在り方についてメンバーとスタッフは何度も話し合いを重ねたという。熟考の結果、内容を大幅に変更し、タイトルを変更した上でツアー実施という結論に至った。
この日のライブ開始に先駆け、緞帳の前に舞台監督が現れツアー実施に至った経緯を語り、メンバー、スタッフも登場して黙祷が捧げられた。幕が上がり、宮沢和史(vo)、小林孝至(g)、山川浩正(b)、栃木孝夫(ds)と22年間不動のTHE
BOOMのメンバー4人に、キーボードの鶴来正基を加えたシンプルな編成でライブは始まった。
前半、メンバーは椅子に座り、いわゆる“アンプラグド”な楽器編成で曲が奏でられていく。“今だからこそ届けたい曲を選んだ”という想いは、そのまま客席に静かに、そして確実に浸透していった。
中盤で立ち演奏のエレキ編成となったり宮沢ひとりの弾き語りやピアノを加えたセットなどスタイルを変えながら、震災で受けたショックと、幕を開けてよいのかという迷いと紆余曲折と、それでも幕を開けることができた喜びを率直に語る宮沢。その心のこもった演奏に止むことのない暖かい拍手を贈り続けたファンたち。
「THE
BOOMは今日から新しいスタートを切ります」と語った宮沢のMCに、強い決意が感じられた。不安定な電力供給や止まない余震や刻々と変わる情勢に誠実に配慮しながら、シンプルながらも前を向いて生きていこうと勇気をくれるTHE
BOOMのパフォーマンスに胸が熱くなる。
会場の保安点検の上、安全確認がとれた6月12日(日)のZepp
Sendaiを含み、7月30日(土)のZepp
Sapporoまで全国24公演が行われる。
そして宮沢、小林、山川の出身地である山梨県で8月27日(土)に復興支援のためのフリーコンサートも決定。彼らの実直で胸の奥底を揺さぶるステージを体感してほしい。
@ぴあ
(2011年4月25日
読売新聞)
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