ユベントスのコーチだった当時、試合中に選手と話すサッカー日本代表のザッケローニ新監督=AP
W杯南アフリカ大会閉幕から50日、ようやく日本代表の監督がアルベルト・ザッケローニ氏(57)に決まった。
Jリーグ経験のある人物を日本サッカー協会会長の主導で決めてきた前例と違い、正攻法で世界で実績ある指導者を探した今回。難航したが、イタリア1部リーグで優勝経験を持つ人物にたどり着いた。
原博実・技術委員長によると、岡田武史監督の後任人事に本格着手したのは、W杯閉幕後。〈1〉海外で高い実績、経験を持つ〈2〉日本人らしさを理解し、生かす〈3〉日本人スタッフともうまくやれる――などを条件とし、「世界のマーケットで取り合いになる人から挑戦しようと思った」とした。
原委員長が日本を出発したのは7月22日。しかし、交渉は予想通り難航した。当初、本命として交渉したマヌエル・ペジェグリニ氏(56)(チリ)と、エルネスト・バルベルデ氏(46)(スペイン)というスペインリーグ系の人脈との折衝は、8月中旬までに不調に終わった。
すでに9月4日のパラグアイ戦、7日のグアテマラ戦の日程は決まっていた。関係者によると、一時は、2012年ロンドン五輪を目指すU―21(21歳以下)代表監督として交渉していた関塚隆氏(49)に対し、一足飛びに2試合の監督代行を依頼したが、「自らを任命すべき監督が不在なのに受けるのは筋が通らない」と関塚氏側が反発、混乱した時期もあった。
協会側は24日、原委員長を監督代行とすることを決定。この前後からザッケローニ氏との交渉も一気に前進した。「2試合のために、性急に決めることはない」と協会の小倉会長らは繰り返していたが、W杯16強入りからの再スタートを新監督に見せるという願いはぎりぎりでかなえられた。
(2010年8月31日00時50分
読売新聞)
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