月刊オダサガ増刊号

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063 「学校大奥」長池小学校裏物語 6-3 探偵と怪盗は紙一重

2014-02-16 11:52:34 | 脚本「ママは名探偵」~「学校大奥」
「学校大奥」長池小学校裏事情 6-3

季来子「すごいですね、中学生で11秒台なんて、下手したら日本記録ですよ」
千代子「そんなことないの。たまたま中学校の先生が陸上の専門家だったのよ」

ここ居酒屋よろこんでは、すっかり、千代子さんの陸上話で盛り上がっております。ナレーションは私、本業の天知可憐でお送りします。

亜希子「私から言わせれば、ふたりとも超人だわ」
千代子「あらあ、ふたりだけじゃないのよ」
可憐「ああ、もちろん、朝倉先生が一番だからね」

千代子「それもそうなんだけれど、その朝倉先生に勝ってしまった人もいます」
亜希子「ああ、きっこ先生ね」

千代子「もうひとりいますよ」
可憐「美香ちゃんね」
千代子「美香はまだまだダメです」
睦子「他にいたっけ?」

可憐「そういえばさ、睦子さんのところの真子ちゃん、1年生になったのよね」
睦子「そうなのよ、ふたりとも小学生になってくれて、お弁当作らなくてラクだわ」
亜希子「小学校は給食あるからね」

よかった、なんとか陸上の話は無事終わったわ。

千代子「それはゆっこさんでーす」

甘かった。千代子さんはスピードが人と違うんだった。

季来子「ゆっこがどうかしたんですか?」
千代子「朝倉摩央先生に駆けっこで勝ったんですって」
季来子「いつの間にそんなこと、したんだろう?」

亜希子「ああ、あれですよ、放課後のグラウンドでね、美香ちゃんと朝倉先生とゆっこさんで競争したんですよ」

さすが名探偵、デマカセを当たり前のように言えるのね、頼んだわよ。

華子「知らなかったわ」
亜希子「それで、朝倉先生と美香ちゃんは師弟関係になったそうなの」
季来子「でもまた、なんでゆっこがそこに?」

可憐「それはあれよ、きっこ先生と朝倉先生のリレー対決の話を聞いて、ゆっこさんも挑戦してみたくなったんでしょ」
睦子「ライバル意識ってヤツね」
季来子「ゆっこが摩央に勝てるはずないんだけれどな」
千代子「それはほら、摩央さんはハイヒールで走ったから」
華子「ああ、ハンデをつけたのね、納得」

亜希子「これにて一件落着ってことかな」
可憐「では、次の話題。近藤真子ちゃんの1年生の生活について」
睦子「弓菜先生、弓菜先生って、毎日、大騒ぎよ」
亜希子「ああ、新しく転勤してきた由井弓菜先生ね」
華子「由井弓菜はね、私と同期なんです」
可憐「あらあ、それは奇遇ね」
華子「さらに、教芸大出身なんで、きっこちゃんと摩央ちゃんの先輩なんです」

千代子「あらあ、すごいわね。陸上部が3人も揃うなんて」
亜希子「陸上部なのは摩央先生だけよ、千代子さん」

千代子「じゃあ、次回こそは裏庭ではなくて、正々堂々と校庭で陸上のシューズを履いて決戦ね」
季来子「裏庭?」
可憐「美香ちゃんが、誰にも見られないようにって、裏庭で特訓しているのよ」
華子「見られて困るもんでもないのに、面白い子ね」
亜希子「でも、これはここだけの内緒の話なんで、美香ちゃんにも朝倉先生にも秘密ですよ」

千代子「酒も煙草も秘密なんです」
季来子「酒と煙草?」
可憐「それはその、千代子さん、ご主人にはここでお酒を飲んで煙草を吸っていることを内緒にしてるんです」

仕方ない。この烏龍杯と烏龍茶を擦りかえて、酔っぱらったところで煙草を吸わせるか。

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