熊野参詣道紀伊路の上野王子旧地に在る「仏井戸」
その井戸の水中に没する三尊石仏に逢って来ました。
和歌山県御坊市名田町上野
「紀伊続風土記」「紀伊国名所図会」にも記される「仏井戸」
「仏井戸」は、石仏を祀る地下遺構と考えられ、
三尊石仏は常に地下水中に没しています。
このような地下石組遺構の水中に石仏を安置している例は
全国的にも貴重なものです。
波紋が写っているので、三尊石仏が水中に在るのをお解り頂けると思います。
井戸の上から覗き込んでも三米下の水面は真っ暗。
石仏の位置も分からぬまま フラッシュを焚いたら何と!
幸運にも水中の三尊石仏が写っていました。
中央に阿弥陀如来坐像、左に地蔵菩薩、右に観音菩薩が刻まれています。
室町中期
上野王子が火災にあい、本地仏の阿弥陀三尊が消失してしまい
二度と本地仏に火災で熱い思いをさせないため
仏を刻んだ一枚岩を井戸の底に沈めたと言う事です。
それから、この井戸を「仏井戸」と呼ぶようになりました。
中世の民間信仰のあり方を考える上でも重要なものです。
そら仏さんやさかい、何しても許してくれはるけど。
私の感覚では、ドボンはどうも納得いきませんわ。
なんか、当時の霊能者が「沈めんといかんのじゃ」
と言ったとか、事情があるんでしょうね。
>中世の民間信仰のあり方を考える上でも重要なものです。
ちゃんと理由があるのですね~。
水紋はアメンボでしょうか、三尊石仏の構図に
とても良いところに来てくれています(^_^)v
上野王子は地名と知りましたが、
たいしんさんは「石仏王子」ですね、褒めすぎ~。
当時の火災に対する恐怖は相当なものだったんでしょうね。
木造佛だけではなく石仏であっても火災でやられてしまいます。
一番安全なのが水中だと思ったんでしょうね。
そうなんです。訳ありなんですよ。
まさか写るとは思っていませんでした。
でもせっかくここまで来たんだからと言う
思いが通じたのかも知れません。
誤・「石仏王子」→正・「石仏小父」(笑)
本当、こんな事ってあるんですね。
自分でも吃驚しています。
何でも諦めたらあかん事が良く分かりました。
石仏さんにも想いは通じるもんですね。