石仏み~つけた

大和とその周辺の石仏や磨崖仏を探し歩いています

和歌山県 御坊市 仏井戸三尊石仏

2014年08月17日 | 石仏

 

 熊野参詣道紀伊路の上野王子旧地に在る「仏井戸」

その井戸の水中に没する三尊石仏に逢って来ました。

 

和歌山県御坊市名田町上野

「紀伊続風土記」「紀伊国名所図会」にも記される「仏井戸」

「仏井戸」は、石仏を祀る地下遺構と考えられ、

三尊石仏は常に地下水中に没しています。

このような地下石組遺構の水中に石仏を安置している例は

全国的にも貴重なものです。

 

波紋が写っているので、三尊石仏が水中に在るのをお解り頂けると思います。

井戸の上から覗き込んでも三米下の水面は真っ暗。

石仏の位置も分からぬまま フラッシュを焚いたら何と!

幸運にも水中の三尊石仏が写っていました。

 

中央に阿弥陀如来坐像、左に地蔵菩薩、右に観音菩薩が刻まれています。

室町中期

上野王子が火災にあい、本地仏の阿弥陀三尊が消失してしまい

二度と本地仏に火災で熱い思いをさせないため

仏を刻んだ一枚岩を井戸の底に沈めたと言う事です。

それから、この井戸を「仏井戸」と呼ぶようになりました。

中世の民間信仰のあり方を考える上でも重要なものです。

 

 

 

 


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6 コメント

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これでは・・ (阿漕 平八)
2014-08-17 22:15:13
まるで、水責めではありませんか?
そら仏さんやさかい、何しても許してくれはるけど。

私の感覚では、ドボンはどうも納得いきませんわ。
なんか、当時の霊能者が「沈めんといかんのじゃ」
と言ったとか、事情があるんでしょうね。
涼しそう… (夢子)
2014-08-18 06:10:52
と、思うだけじゃなく、
>中世の民間信仰のあり方を考える上でも重要なものです。
ちゃんと理由があるのですね~。

水紋はアメンボでしょうか、三尊石仏の構図に
とても良いところに来てくれています(^_^)v

上野王子は地名と知りましたが、
たいしんさんは「石仏王子」ですね、褒めすぎ~。
Unknown (たいしん)
2014-08-18 07:22:05
阿漕 平八さん

当時の火災に対する恐怖は相当なものだったんでしょうね。
木造佛だけではなく石仏であっても火災でやられてしまいます。
一番安全なのが水中だと思ったんでしょうね。
Unknown (たいしん)
2014-08-18 07:30:35
夢子さん

そうなんです。訳ありなんですよ。

まさか写るとは思っていませんでした。
でもせっかくここまで来たんだからと言う
思いが通じたのかも知れません。

誤・「石仏王子」→正・「石仏小父」(笑)
素晴らしい (まだまだ)
2014-08-23 22:22:42
本当 奇跡の一枚かも よく撮れましたね たいしんさんの 想いが この写真を撮らせたのでしょうね
ありがとうございます (たいしん)
2014-08-24 20:33:17
まだまださんへ

本当、こんな事ってあるんですね。
自分でも吃驚しています。
何でも諦めたらあかん事が良く分かりました。
石仏さんにも想いは通じるもんですね。