地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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果てしない添乗員物語

2008年02月23日 09時37分01秒 | 添乗員のお仕事

添乗員のお仕事①「ツアーを現地で手配する」の4
前回からのつづき----

テレックスには、
プランA:プノンペンから飛行機でラオスのビエンチャンへ。そこからバスで国境を越えて
     タイのウドン・タニーへ。さらにタイ航空国内線でバンコクへ戻る。
プランB:朝のベトナム航空でプノンペンからサイゴンへ(空席あり)。
     ちょうど乗り継げるバンコク行きタイ航空がある。
そして「すぐにどちらか選べ」と書いてある。

誰が考えたってプランBだろ!
プランAを選ぶ理由が無い。
1.ラオスのビザの情報が無い。写真も持っていない。
2.ビエンチャンに本当にバスが待っているのか?待っているとは書いていない。
  またそのバスはタイに入れるのか?
3.タイ航空の航空券はどこで? だれが? 飛行機の時間も不明。
今回さんざん懲りている。
タイに入れば電話が通じるというメリットは、私にはもうたいして魅力的でもなかった。


だが待てよ。どうして選ばせるんだ?
選ばせるまでもないだろう?
それにどうしてプランBなんだ。こっちがAだろ?

タイ航空の航空券を発券できるのか、ガイドのボスに聞くと、
プノンペンには、タイ航空のオフィスもないし、発券も予約確認もできないと言う。
しかしプランBしか選択の余地が無い。

そこで念のために、
我々はもうベトナムのビザを持っていないこと(今からでは間に合わない)、
タイ航空の航空券は(入国できないのだから)
サイゴン空港のトランジット(乗り継ぎ)カウンターで受け取れるようにしておくこと
この点を、自分でテレックス用の文を作り送信した。
かつて手配課にいたとき、旧東欧諸国とテレックスのやりとりを
毎日していた経験が役立った(つもりだった)。

夕刻、お客様に変更案内。
翌朝、バンコクの昼食に間に合わないので、再びおにぎりを作る。


プノンペン空港へ行くと、スーツケースはバンコクまでは送れないと言う。
確かにサイゴン・バンコク間の航空券は持っていないが、
サイゴンで入国はしないのだから、スーツケースを一度受け取ることはできないと
主張してもダメ。
そもそも乗り継ぎ用のクレームタッグ(荷札)など、ここには無いと言う。
しかたなく、サイゴンどめでスーツケースを送る。
まあ。向こうに行ってから何とかするか。


さてサイゴンに着いてみると、全員、滑走路を歩き、
空港ターミナルのイミグレーションに連れていかれそうになる。
親切そうなベトナム航空のアオザイを来たスタッフをつかまえて事情を話すと、
トランジットルームや乗り継ぎカウンターなんて無いという。
そこで、搭乗待合室に外の滑走路側から入り、電気をつけてもらって待つことにした。

次はスーツケースだ。
急いで滑走路に戻り、今にもターンテーブルに運ばれそうになっている荷物の中から
自分たちのスーツケースを抜き取り、搭乗待合室の外に並べた。

今度は航空券の番。
先ほどのスタッフに、(トランジット・カウンターが無い以上)
「外のチェックイン・カウンターにサイゴン・ツーリストのスタッフが航空券を持って
待っているはずだ、確認してきて欲しい」とお願い。


しばらく、いや~な時間が流れた。
彼女「探しましたが誰もいませんでした。」
まさか?!
私「でも予約はされていますよね。確認してもらえませんか?」
大汗は、サイゴンの蒸し暑さのせいではなく、冷や汗だ。
彼女「予約は入っていません。今日は満席ですし、
   キャンセル待ちにもお名前はありません。キャンセル待ちが200人いるんです。」
きた~~ぁ! やっぱりプラン「B」だ!
こっちがプランAでなかった理由が確認できた。
私「すっ、すぐに、スタンバイということでキャンセル待ちに加えてください!!」
91年夏、サイゴン発バンコク行きの飛行機も毎日は飛んでいない。
(つづく)


上の絵は、この91年夏のツアーの時のもの。
バイヨンにもワットにもシュムリアプにも観光客は一人もいませんでした。
[照沼 一人]



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