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皆さん、こんにちは。川崎です。
世界で最初のキリスト教国でもあるアルメニアには、神秘的で魅力的な教会が至る所にあります。
数ある教会の中から今回ご紹介するのは、アルメニア南部に位置するゲカルト修道院です。
アルメニアがキリスト教を国教としたのが301年で、そのあとすぐに洞窟を利用して建てられたのがこの修道院付属教会です(その後、修復作業等が行われており、現在の形になったのは13世紀頃)。
ゲカルトとは「槍」を意味しています。元々、イエス・キリストが磔刑の際に、ロンギヌスという兵士にわき腹を刺されるのですが、その槍とされるものがこの修道院で保管されていました。現在は、アルメニア教会の総本山であるエチミアジン教会で保管されています。
(ドアに施された槍の装飾)
さて、山間部に位置し、岩を削って造られた洞窟型の修道院なのですが、実はキリスト教会が利用する前からすでにこの洞窟は存在していたようです。
ゲカルト修道院の近郊にはガルニ神殿があります。こちらは、ミトラ教の神殿なのですが、実はこのゲカルト修道院は元々ミトラ教の聖地として利用されていたようです。
(ガルニ神殿)
以前にもミトラ教のお話はしましたが、キリスト教以前のペルシャ由来の宗教で、後にローマ帝国で重要な地位を占める宗教へと進化していきました。
ミトラ教は雄牛を屠る儀式を洞窟で行っていたため、この場所を儀式の場として利用していたのかもしれません。
現在は修道院付属教会として利用されていますが、薄暗い内部に天井から差す美しい光はとても幻想的です。イギリスのカンタベリー大聖堂とは全く雰囲気が異なりますが、こちらも何か特別な力を感じるような不思議な感覚を覚えます。
アルメニアに訪問予定の方は是非訪れていただきたい修道院です!
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