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上村松篁展(京都国立近代美術館)

2014年06月22日 00時05分27秒 | 鑑賞記録(2011・2012年中断)

好きだなあ。本当に。
この人の作品は、もうなんとも言えず、好きだなあ。

格調高く美しい花鳥画。
でも繊細ではなくてとても強い。
大らかなようで計算され尽くしている。
色彩の美しさが、内側からわき出てくるよう。

蓮の三作が、その成長ぶりを明確に示していて、興味深かった。

今回一番の作品は、「青柿」。
単純な形の中に緑の豊富さ、奥行き、背景色の温かさ、したたる水。
そして、「万葉の春」。
あんなにも色彩豊かで、華やかな情景はない。
万葉にはこの強さが、厚みが必要なのだとつくづく思った。
叶うならば大極殿の壁画は、松篁さんに描いて欲しかった・・・。
それから、「白孔雀」。
どこまでも美しい白い羽根の重なり、包み込む背景色、
言祝ぐような黄色いハイビスカス、赤いシベ。圧倒的に美しい。
しかし、山種って本当になんて美術館なのかねえ。
いい作品は必ず持ってる。
チラシになってた「孔雀」も良かった。
集大成って感じ。
重なり合う背景の柔らかい白。
華麗に広がる羽根、はっきりと明確な顔。
なんて気高い。
母の気に入りは「熱国睡蓮」。確かにあの色合いは良かった。

小品が少なく、大作が多かった。
大好きな「木蓮」はなかったけれど、大満足。
図録を買うつもりだったけれど、
いつか大回顧展が開かれる時まで、待つことにした。

常設展も関連だから、見応えがあった。
石崎光瑤、全然知らなかった。
松篁が影響されただけある。むせかえる厚みが凄い。
鈴木松年の梅も良かった。



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