では、これ以上に、安いものが入ってくるのだろうか?
賃金の安い国で需給ギャップのあるものは全て入ってくるのではないでしょうか?
鉄が危険な匂いが???
鉄鋼 2011年5月に比べ18%下落
冷延薄鋼板 2011年6月に比べ15%下落
印刷紙 9年ぶりの安値(上質コート、香港市場)
アクリロニトリル 過去最高値から4割下落(アジア地区)
中国の粗鋼生産能力は今までは6.5億トン。リーマン後も調整をせず、この年末には9億トンという予想です。
日本の生産高はこの10分の1ほどしかありません。
中国が本気で日本の鉄鋼業界を潰そうと思えば、簡単に出来る環境にあるのです。
生産性が向上したとして日本向け価格を半分にしてくれば、日本国内の鋼材価格は暴落し、
日本の鉄鋼メーカはすべて潰れます。 需給ギャップ云々という次元ではなく、
よっぽどの高品質製品以外は日本製の需要そのものが「消滅」する事態になりかねないのです。
えっ! まさか??? 確かにそんな、まさかに思いますが、任天堂に売り上げが3年で3分の1になったり
今の、シャープ、ソニー、パナソニックは?
思えば、昔、花形?だった炭鉱も無くなってしまいました。
そして、遠くない将来、化学製品もアメリカのシェールガスを使えば、日本製より8分の1のコストで製造できますので、
競争云々という次元ではなくなります。 日本製の需要が「消滅」します。
このような環境下にある中、政党が2%の物価目標と言ってもそれは絵に描いた餅であり、全く根拠のない話となります。
もっともっと、深く将来の戦略が必要になります。
円安になればバラ色??? 自動車会社はそうかもしれませんが
今の環境下で円安に持ち込めば、企業は原材料のコストアップとなり赤字がさらに拡大するか
今黒字でも赤字に転落していきます。
どんなに製品価格を引き上げようとしましても、海外から安い製品が流れ込んでくれば、とても引き上げることなどできるはずがないからです。
今の需給ギャップが50兆円から60兆円、70兆円に拡大し、GDPが縮小している中、日本は今こうしている時でも借金は積みあがっていきます。
公共投資200兆円?
一時的なもので、更に悪くなるでしょう。
「需給ギャップ」いろんなところで簡単に使われる言葉ですが
非常に恐ろしい事と思うことでしょう。