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<三角形の垂心Hの三角関数による重心座標表現 「↑PH=cotBcotC(↑PA)+cotCcotA(↑PB)+cotAcotB(↑PC)」> 

2022年11月30日 | 考察

<三角形の垂心Hの三角関数による重心座標表現
 「↑PH=cotBcotC(↑PA)+cotCcotA(↑PB)+cotAcotB(↑PC)」> 2022.11.30(水)

 表題の結果についてはもう何十年も前の1980年6月頃に得て、数学セミナーのNOTE欄に投稿し
1981年の10月号に掲載された。[但しネットで検索すると、数学セミナー1981年の10月号には、
[重心のベクトル表示]と間違って表記されているので訂正をお願いしたいところである。
この結果については、このブログでも何回も書いてきた。2008.08.31のblogへのLinkは次の通り。

2008.08.31のblog

を見てください。

内積による表示が本質的である。
最近、知恵袋に次のような質問があったので詳しく回答したが、回答受付終了となり、勿体ないので
このブログに書きます。

点Hを三角形ABCの垂心とします。

2021/12/09(木)に以下の質問が知恵袋にありました。その回答を12/13(月)にしましたが、
回答受付終了となりました。URLがやっと、みつかりました。
リンクを貼っておきます。

知恵袋

質問:
至急回答お願いします!!
数学の幾何学の問題です!!
この問題で、AH↑を以下の形にしたいです。

どなたか解説よろしくお願いします。

私の注意:以下の形、とは、下の(#)のことです。

私の回答:

BC=a, CA=b, AB=cのとき、
AH↑=(cosC/sinC)・(cosA/sinA)AB↑+(cosA/sinA)・(cosB/sinB)AC↑…(#)を示せ。

:
AB↑=b↑,AC↑=c↑とおくとき、
AH↑=xb↑+yc↑…①と一意的に書ける。
Hが垂心⇔AH↑⊥BC↑かつ BH↑⊥CA↑かつCH↑⊥AB↑
⇒AH↑・BC↑=0かつBH↑・CA↑=0かつCH↑・AB↑=0となる。
[AH↑・BC↑は、ベクトルAH↑とBC↑との、「内積」を表す]
これらは、
AH↑・(c↑-b↑)=0…(ア)かつ(AH↑-AB↑)・(-AC↑)=0…(イ)かつ
(AH↑-AC↑)・AB↑=0…(ウ)となる。
ゆえに
(ア)⇔AH↑・b↑=AH↑・c↑…②かつ
(イ)⇔AH↑・c↑=b↑・c↑…③かつ
(ウ)⇔AH↑・b↑=b↑・c↑…④である。
[この事より、貴方の質問が正しいことが分かります。]
②③④⇔AH↑・b↑=b↑・c↑…④かつAH↑・c↑=b↑・c↑…③. であるから、

①をこれらに代入して、
(xb↑+yc↑)・b↑=b↑・c↑…⑤かつ(xb↑+yc↑)・c↑=b↑・c↑…⑥
⑤⇔|b↑|²x+(b↑・c↑)y=(b↑・c↑)つまり⑤はc²x+(cbcosA)y=cbcosAとなる。
[∵b↑とc↑とのなす角はA,|b↑|=c,|c↑|=b]
c>0だから、これは
cx+(bcosA)y=bcosA…⑦となる。同様にして⑥は
(ccosA)x+by=ccosA…⑧となる。⑦⑧をx,yの連立方程式として解く。
⑧-⑦×cosAとして
b(1-cos²A)y=cosA(c-bcosA)⇔(bsin²A)y=cosA(c-bcosA)…⑨。
⑦-⑧×cosAとして
c(1-cos²A)x=cosA(b-ccosA)⇔(csin²A)x=cosA(b-ccosA)…⑩

ここで
[第1余弦定理]の
b=ccosA+acosC…(1)
c=bcosA+acosB…(2)
a=bcosC+ccosB
の(1)(2)を用いて、
⑩⇔(csin²A)x=cosA(acosC)…(3)
⑨⇔(bsin²A)y=cosA(acosB)…(4)
さらに、正弦定理からのa=2RsinA,c=2RsinCを使用し

(3)⇒(2RsinC)(sin²A)x=cosA(2RsinA)cosC。
sinA>0だから、(sinC)(sinA)x=cosAcosC。
sinC>0,sinA>0だから、

x=(cosAcosC)/(sinAsinC)=(cosC/sinC)・(cosA/sinA)…(5)
となる。
同様にして、
(4)⇒(2RsinB)(sin²A)y=cosA(2RsinA)cosB。

sinA>0,sinB>0だから、(sinB)(sinA)y=cosAcosB。

y=(cosAcosB)/(sinB)(sinA)=
=(cosA/sinA)・(cosB/sinB)…(6)となる。(5)(6)を①に代入して、

AH↑=(cosC/sinC)・(cosA/sinA)AB↑+(cosA/sinA)・(cosB/sinB)AC↑…(#)
となる。

なおこの(#)は、
AH↑=xAB↑+yAC↑…($)であったから($)は任意の点Pに対し、
PH↑-PA↑=x(PB↑-PA↑)+y(PC↑-PA↑)となり、
PH↑=(1-x-y)PA↑+xPB↑+yPC↑…(7)となる。そこでz=1-x-yとおくと
z+x+y=1…(%)かつPH↑=zPA↑+xPB↑+yPC↑…(8)となる。
(5)(6)から
z=1-x-y=1-(cosA/sinA)[cosC/sinC+cosB/sinB]
=1-(cosA/sinA)[sinBcosC+cosBsinC]/[sinBsinC]
=1-(cosA/sinA)[sin(B+C)]/[sinBsinC]
=1-(cosA/sinA)[sinA]/[sinBsinC]
=[sinBsinC-cosA] /[sinBsinC]
=[sinBsinC+cos(B+C)]/[sinBsinC]
=[sinBsinC+cosBcosC-sinBsinC]/[sinBsinC]
=[cosBcosC]/[sinBsinC]
=(cosB/sinB)・(cosC/sinC)
即ち、
z=1-x-y=(cosB/sinB)・(cosC/sinC)となる。
ゆえに任意の点Pに対し、
(8)は、
PH↑=(cosB/sinB)・(cosC/sinC)PA↑+(cosC/sinC)・(cosA)/(sinA)PB↑
+(cosA/sinA)・(cosB/sinB)PC↑
…(9)となる。
そこで、正接tanθ=sinθ/cosθに対し
余接[コタンジェントθ,co-tangent θ]を

cotθ=cosθ/sinθと定義すれば△ABCでは
[0°<θ<180°に対し、sinθ>0だから]

cotA,cotB,cotCはどんな三角形でも、定義され計算できる。

[例えばA=90°の直角三角形でも、cotA=cot90°=0。一方tanA= tan90°=±∞、Aが鈍角のときはcotA<0]
tanAはA=90°のとき定義できない。(9)は、
PH↑=(cotBcotC)PA↑+(cotCcotA)PB↑+(cotAcotB)PC↑
となりz=cotBcotC,x=cotCcotA,y=cotAcotB,
であって、(%)から
z+x+y=1となる。即ち
cotBcotC+cotCcotA+cotAcotB=1ということが分かる。

なお、第1余弦定理は普通の余弦定理から、
cosA=[b²+c²-a²]/(2bc)となどとして右辺に代入すれば、証明できるし、
図を描けば明らかです。

なお、tan90°=±∞なので、このように、h↑=[(tanA)a↑+(tanB)b↑+(tanC)c↑]/[tanA+tanB+tanC]
には、[キズ]がある。

tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC としても、[キズ]は残ったままで、解決にはならない。

PH↑=(cotBcotC)PA↑+(cotCcotA)PB↑+(cotAcotB)PC↑…(10)
が、どんな三角形[直角三角形でも、鈍角三角形でも]

成り立つ万能完璧な式です。ここにPは任意の点。

例えば、A=90°のとき、垂心Hは明らかに、頂点Aである。A=90°のとき、B,Cは鋭角となり、cosB>0で
B+C=90°↔C=90°-B→cotB×cotC= cosB/sinB)×{cos(90°-B)/sin(90°-B)}

=[cosB/sinB]×[sinB/cosB]=1。即ちcotB×cotC=1,
cotCcotA=0,cotAcotB=0となるから、(10)→PH↑=PA↑となる。Pは任意の点だからP=Hととれば、0↑=HA↑となり、H=Aと求まる。
(cotBcotC,cotCcotA,cotAcotB)を垂心Hの真の[重心座標]という。なお、
(10)⇔
(cotBcotC)HA↑+(cotCcotA)HB↑+(cotAcotB)HC↑=0↑ である。

なお△ABCの外心をOとすれば、オイラー線の関係 OH↑=OA↑+OB↑+OC↑…(11)が知られているから、

外心Oのベクトルによる重心座標表現は、

PO↑=[sin2A(PA↑)+sin2B(PB↑)+(sin2C)(PC↑)]/[4sinAsinBsinC]…(12)と簡単に求まる。これも1980年6月に発見したことを
述べておきます。[分母の sinA>0,sinB>0,sinC>0 なので、(12)の分母はいつでも正で、計算できる]


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