あれこれゆっくりと学びについて考える

学んだことなどを自分勝手に気が向いた時だけ書くと、いうことで

七平方定理(垂心四面体の場合)

2008年11月15日 | 考察

「四平方定理」を「一般の垂心四面体」へ拡張した「七平方定理」 2008.11.3(月)

☆ この「定理」は2008.10.30(木)に得たばかりである。

「垂心四面体ABCD」の6辺の長さを例によって、
BC=a ,CA=b ,AB=c ,AD=d ,BD=e ,CD=f ・・・(1.1.1)とし、
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)),
y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)),
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)),
w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) ・・・(1.1.2)とおくと、
x=(b^2+c^2-a^2)/2=(c^2+d^2-e^2)/2=(d^2+b^2-f^2)/2
y=(c^2+a^2-b^2)/2=(e^2+c^2-d^2)/2=(a^2+e^2-f^2)/2
z=(a^2+b^2-c^2)/2=(b^2+f^2-d^2)/2=(f^2+a^2-e^2)/2
w=(d^2+e^2-c^2)/2=(f^2+d^2-b^2)/2=(e^2+f^2-a^2)/2 ・・・(1.1.3)
 kを a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2=k^2 ・・・(1.1.4)を満たす正の数とする。
また、△BCD ,△ACD ,△ABD ,△ABCの面積をそれぞれ、S_A ,S_B ,S_C ,S_D
とする。
このとき、次の関係式(1.1.5)があった。
 y+z=a^2 ,x+z=b^2 ,x+y=c^2 ,
 x+w=d^2 ,y+w=e^2 ,z+w=f^2  ・・・(1.1.5) 
実は、
「四面体ABCD」が「垂心四面体」であること、つまり(1.1.2) ⇔ (1.1.5) である。
このことは、また別の機会に示すつもりである。

さて、次の[定理2.1]が成り立ち、これは、「3直角四面体」で成立する「四平方定理」の
自然な拡張である。平方が7つあるので「七平方定理」と呼ぶことにする。

すなわち、
[定理2.1]   垂心四面体の「七平方定理」・・・・次の(2.1.5)を指す。
「垂心四面体ABCD」の6辺の長さを、
BC=a ,CA=b ,AB=c ,AD=d 、BD=e ,CD=f ・・・(2.1.1)とし、
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)),
y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)),
z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)),
w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) ・・・(2.1.2)とおき、
 kを a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2=k^2 ・・・(2.1.3)を満たす正の数とする。
また、△BCD ,△ACD ,△ABD ,△ABCの面積をそれぞれ S_A ,S_B ,S_C ,S_D
 とする。
このとき、aとd ,bとe ,cとfが3組の対辺であるが、

(1) 4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]=(ad)^2+(be)^2+(cf)^2 ・・・(2.1.4)

  が成立する。

  すなわち (2S_A)^2+(2S_B)^2+(2S_C)^2+(2S_D)^2=(ad)^2+(be)^2+(cf)^2 ・・・(2.1.5)

(2) 「A-3直角四面体」では、上の(2.1.3)から
  よく知られた、(S_A)^2=(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2 ・・・(2.1.6) の式が

  自然に導かれる。

「証明」
 (1) 2008.11.03(月)に、このBlogのあとにアップロードする予定のBlog「垂心四面体ABCDの垂心の
 ベクトルによる重心座標表現で見落としていた大事なこと」により、
 S_A ,S_B ,S_C ,S_Dは それぞれ △BCD ,△ACD ,△ABD ,△ABCの面積だから、

 4(S_A)^2=zw+yw+yz  ・・・(2.2.1), 4(S_B)^2=zw+xw+xz  ・・・(2.2.2)
 4(S_C)^2=yw+xw+xy  ・・・(2.2.3), 4(S_D)^2=yz+xz+xy  ・・・(2.2.4)

これらを加えれば、(1.1.5)を用いて
  4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]
 =(zw+yw+yz)+(zw+xw+xz)+(yw+xw+xy)+(yz+xz+xy)
 =2(xy+xz+xw+yz+yw+zw)
 =2{x(z+w)+y(x+w)+z(y+w)}
 =2{x(f^2)+y(d^2)+z(e^2)}
=(2x)(f^2)+(2y)(d^2)+(2z)(e^2) ・・・(2.2.5)

ここで (1.1.3)から 
  2x=b^2+c^2-a^2 ,2y=c^2+a^2-b^2 ,2z=a^2+b^2-c^2 を代入して
 
 4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]
  =(b^2+c^2-a^2)(f^2)+(c^2+a^2-b^2)(d^2)+(a^2+b^2-c^2)(e^2)
 
 ところで、(2.1.3)の a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2=k^2 により、d^2,e^2,f^2を
  k^2と、a^2,b^2,c^2で表せば、
 
 4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]
 =(b^2+c^2-a^2)(k^2-c^2)+(c^2+a^2-b^2)(k^2-a^2)+(a^2+b^2-c^2)(k^2-b^2)
 ={(b^2+c^2-a^2)+(c^2+a^2-b^2)+(a^2+b^2-c^2)}(k^2)
  -[(c^2){(b^2)+(c^2)-(a^2)}+(a^2){(c^2)+(a^2)-(b^2)}+(b^2){(a^2)+(b^2)-(c^2)}]
 ={(a^2)+(b^2)+(c^2)}(k^2)
  -[(bc)^2+(c^4)-(ac)^2+(ac)^2+(a^4)-(ab)^2+(ab)^2+(b^4)-(bc)^2]
 ={(a^2)+(b^2)+(c^2)}(k^2)-[(a^4)+(b^4)+(c^4)]
 =(a^2){(k^2)-(a^2)}+(b^2){(k^2)-(b^2)}+(c^2){(k^2)-(c^2)}
 =(a^2)(d^2)+(b^2)(e^2)+(c^2)(f^2) 
 =(ad)^2+(be)^2+(cf)^2 
 
 ここで、(2.1.3)の a^2+d^2=b^2+e^2=c^2+f^2=k^2 により
 (k^2)-(a^2)=(d^2) ,(k^2)-(b^2)=(e^2) ,(k^2)-(c^2)=(f^2)を用いた。
 こうして (2.1.4)の

 4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]=(ad)^2+(be)^2+(cf)^2
 
 が導かれた。
次に
 (2)を示そう。
  「A-3直角四面体ABCD」は、∠BAC=∠BAD=∠CAD=90度の四面体で、これは「垂心H」が
 「頂点A」になる特殊な「垂心四面体」であった。
 よって 上の(1.1.2)の x=0 であって、
 x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD))=0
 これは(1.1.3)から、
 b^2+c^2-a^2=c^2+d^2-e^2=d^2+b^2-f^2=0 ,
 a^2=b^2+c^2 ,e^2=c^2+d^2 ,f^2=b^2+d^2 ・・・(2.3.1)
 ゆえに a^2,e^2,f^2は b^2 ,c^2 , d^2 で表される。
 よって
 △ABCは∠BAC=90度の直角三角形、△ABDは∠BAD=90度の直角三角形,
 △ACDは∠CAD=90度の直角三角形であり、
 S_D=(bc)/2 ,S_C=(cd)/2 ,S_B=(bd)/2 ゆえに
 bc=2(S_D) ,cd=2(S_C) ,bd=2(S_B) ・・・(2.3.2) である。
さて、
(1)で証明した公式(2.1.4)の右辺に(2.3.1)を代入すれば、
 (2.1.4)の右辺=(a^2)(d^2)+(b^2)(e^2)+(c^2)(f^2)
        =(b^2+c^2)(d^2)+(b^2)(c^2+d^2)+(c^2)(b^2+d^2)
        =2{(bd)^2+(cd)^2+(bc)^2} ・・・(2.3.3)
  これに (2.3.2)を代入すれば、
(2.1.4)の右辺=8[(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]となる。
 よって (2.1.4)式は
 4[(S_A)^2+(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]=8[(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2] となる。

 ゆえに 4(S_A)^2=4[(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2]

 すなわち (S_A)^2=(S_B)^2+(S_C)^2+(S_D)^2

 となり、(2.1.6)式が自然に導かれた。

 (証明 終わり)

一つの辺の長さが共通な2つの三角形を共通辺を貼り合わせて四面体ができる必要十分条件

2008年11月15日 | 考察

一つの辺の長さが共通な2つの三角形を共通辺を貼り合わせて四面体ができる必要十分条件 2008.11.15(土)

<幾何学的に四面体が構成できることの「証明」> 

この稿での主な目標は以下の[命題1.2]及びその「幾何学的証明」と

次の「定理8.3」の提示及びその「証明」の概略を示すことである。

[定理8.3]
   BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCと 
   BC=a,BD=e ,CD=fである△BCDとが与えられたとき、「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は

 ⇔ [(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)-(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
   <d^2 
  <[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
  ・・・(8.3.3)

 ⇔ 4detJ(3) >0 ・・・(8.3.4) すなわち

 ⇔ (ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2-a^2-d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2-b^2-e^2)
+(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2-c^2-f^2)-{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)2}>0 
  ・・・(8.3.5)

 ここに、S_D=△ABCの面積、S_A=△BCDの面積 とする。

◎ なお、[命題1.2]及び[定理8.3]は「私の2007年6月までの研究冊子」を読んでくれた
 畏友K氏の指摘によるところが大きな部分を占めている。K氏に感謝したい。

 さて、2008.10.22(水)のBlogの「四面体の外心の重心座標表現の具体例(一般的な場合)_例1」で、
detJ(3)を考えずに「四面体ABCDが構成できること『高校生の段階で分かる』ように、
「図形的」な方法で証明してみよう」と述べた。このことを、実行してみる。

 そのときの「四面体ABCDの外心の重心座標表現の具体例(一般的な場合)_例1」では
6辺の長さを次のように与えた。

「例1」「垂心四面体でないもので、6辺の長さがみな異なるものを造る」
四面体ABCDの6辺の長さを
BC=a ,CA=b ,AB=c ,AD=d ,BD=e ,CD=f で表す。
a=BC=√2 , b=CA=√3  ,c=AB=2,
d=AD=3  ,e=BD=√10 ,f=CD=√11 ・・・(1.1.1) とした。

このとき、この「四面体ABCD」の4つの面の三角形はみな鋭角三角形であった。
そして、最後に detJ(3)>0を示して (→AB),(→AC),(→AD)が一次独立と
なることから「四面体ABCD」が構成できることの根拠とした。
[1]
さて、△ABC及び△BCDは、できていて、これは共に鋭角三角形であった。
辺BCが共通であるから、この2つの三角形を辺BCを貼り合わせて、△BCDは水平な面上の置いておき、
△ABCをBCを軸として回転していって、「四面体ABCD」ができないか?と、考えてみるのである。

☆ 厳密には次のようにしてみる。
まず、△ABCのコピーを2枚用意する。それを△(A_1)BC と△(A_2)BCとする。また、xyzー空間 R^3を考え、
点Bがxyzー空間 R^3の原点 (0,0,0)に、辺BCをx軸上におき、Cのx座標が正であるようにして
点Dはxyー平面上におき、Dのy座標が正であるように△BCDをxyー平面上にとる。
すなわち、B,C の空間内の座標が、B(0,0,0),C(a,0,0),そしてDはxyー平面上にあり、
y座標が正でz座標が0であるように△BCDをxyー平面上におく。
[2]
 △ABCのコピーである△(A_1)BCをxy-平面上にBCが△BCDの辺BCと重なり、頂点(A_1)のy座興が正で
 あるように、xy-平面上に△BCDと重なるように置く。
 また、△ABCのコピーである△(A_2)BCは、裏返して点(A_2)のy座標が負であるように、xy-平面上に
 BCが△BCDの辺BCと重なるようにおく。つまり、△(A_2)BCを△(A_1)BCとx軸に関して線対称に
 なるように置くのである。
  
[3] 
 △(A_1)BCと△BCDとはx軸に関して同じ側、△(A_2)BCと△BCDとはx軸に関して反対側にあり、
 △BCDと△(A_1)BCとは近く、BCDと△(A_2)BCとはもっとも遠くにある。
 ここで、△BCDはxyー平面上に固定したまま、△(A_1)BCの板を辺BCを軸として回転してゆくことを
 考える。D(A_1)<D(A_2) ・・・(1.1.2) であることに注意しておく。
このA_1の「動点」を改めて、Qで表して、頂点DからQまでの伸び縮みする棒DQを考える。
 条件よりDA=dだから、△QBCの板をx軸に関して回転させて行ったとき、動点Qは「A_1」から「A_2」を
 通って動くが、この間にDQ=dとなることが可能であれば、側面の△QDB、△QDCの面はあとから張ればよいので
「四面体ABCD」の骨組みは完成し「四面体ABCD」は出来上がる。
つまり、側面の面QDB,QDCは無視しておいて、「棒DQの先端Qがxyー平面より上方の位置でDQ=dとなれば」
 その点Qが求める頂点Aである。
 動点Qが「A_1」のとき、距離DQ=D(A_1)はもっとも短く、動点Qが「A_2」のとき距離DQ=D(A_2)は
 もっとも長い。 なおQ=A_1や、Q=A_2では、△BCDと△(A_1)BCや、△BCDと△(A_2)BCは
 xyー平面上にあるので、「四面体ABCD」はできない。よって四面体ABCDができるための条件は

[命題1.2] 以上の記号などのもとで、
 「四面体ABCD」ができる 
  ⇔Dからの伸び縮みする棒DQの長さがxy-平面の上方(z座標が正なる点)で、DQ=DA とできること
  ⇔ (A_1)D< AD < (A_2)D ・・・(1.2.1)
 
  である。
[4]
条件(1.2.1)をもっと「幾何学的に」きちんと証明しよう。
「証明」
まず、「xyー平面上にある頂点Dを中心とし、半径DA=d の2次元の球面 S(d)」を描いておく。
次に△(A_1)BCの頂点(A_1)から直線BCに下した垂線の足をKとする。Kはx軸上の点である。
(A_1)K=(A_2)K=r>0 とおく。△(A_1)BCをxyz-空間 R^3内でx軸を軸として回転すれば、
その頂点である「動点Q」は「点Kを中心とする半径rの1次元の円周T(r)」を描く。
 
さて
(あ)
(1.2.1)が成り立っているとしよう。このとき、次のようにして、点Aの位置を決定できる。
 D(A_1)<DA=dだから、点(A_1)は「2次元の球面 S(d)の内部」にある。また、d=DA < D(A_2)より、
 点(A_2)は「2次元の球面 S(d)の外部に」ある。T(r)は、x軸と垂直な位置にある。
そこでT(r)と中心Kを結び2次元の円盤D(r)を作り(その境界が円周T(r)である)、x軸を軸とする「コマ」を
考えてクルクルと回転すれば、点(A_1)が「球面 S(d)の内部」にあり、点(A_2)が「球面 S(d)の外部」に
あることから、「回転運動」の「連続性」により、T(r)上の「動点Q」は、2次元の球面 S(d)とはただ2点
「Q1とQ2」とだけで交わることが分かる。S(d)∩T(r)={Q1,Q2}・・・(1.2.2) ここに
「点Q1のz座標は正の数」、「点Q2のz座標は負の数」で、 2点Q1とQ2とはxyー平面に関して
「面対称な位置に」ある。
そして DQ1=DQ2=d=AD より、点Q1が求める点Aになる。

もっと詳しくいうと、2次元球面S(d)をx軸上の点Kの位置でx軸に垂直に切断した切り口の円周Uと円周T(r)
(x軸に垂直な同一平面上にあり、その中心はどちらもxy-平面上にある)の2つの円周が2点Q1、Q2を交点とし
交わっている状況である。 この内、交点Q1が求める頂点Aになる。
このようにして、条件(1.1)⇒ 「四面体ABCD」ができた。

次に
(い)
  仮にD(A_1)≧DAとして上の議論のように「四面体ABCD」の頂点Aの位置を決めるために、
 点K中心、半径(A_1)K=rの円周T(r)を描いたとしよう。しかし、D(A_1)≧dだから点(A_1)は
 この球面S(d)の「外部または表面にある」ことになり、さらに(1.1.2)のD(A_2)>D(A_1)から、
 点A_2も球面S(d)の「外部に」くる。
(a) S(d)の外部にA_1があるときは、点A_2も球面S(d)の「外部に」くるので円周T(r)全体が
  球面S(d)の外部にあることになり、交点はない。
 つまり、S(d)∩T(r)=Φ(空集合) となり、「四面体ABCD」はできない。 
(b) A_1がS(d)の表面にあるとすれば、点(A_1)はxy-平面上の点なので、T(r)∩S(d)={A_1}となり、
  △BCDと△(A_1)BCとでは(A_1)D=d となっており、立体にならない。
最後に、
(う)
  DA≧D(A_2)のときは、点(A_2)は「2次元の球面S(d)の内部か表面」にあり、DはA_2とx軸に関して
 反対側にあって、(1.1.2)のD(A_2)>D(A_1)からA_1も「S(d)の内部に」あり、今度は円周T(r)全体が
 球面S(d)の内部にあるか、S(d)∩T(r)={A_2}となり、やはり「四面体ABCD」はできない。
以上より、(A_1)D< AD < (A_2)Dのときだけに、「四面体ABCD」ができることが分かった。
([命題1.2]の証明終わり)

◎ それでは本題に入って、「例1」で与えた「四面体ABCD」が構成できることを、
[命題1.2]を用いて「証明する」
[5]
(A_1)Dと(A_2)Dの長さを求めるために、点Dと点A_1の座標を求めよう。なおz座標は共に「0」である。
また、A_1,A_2,B,C,Dはすべてxyー平面上にあるかから z座標=0は無視して、計算して行く。
 Dのx座標=BD×cos∠DBC=e×(e^2+a^2-f^2)/(2ea)=(e^2+a^2-f^2)/(2a) ・・・(5.1)
     =[(√10)^2+(√2)^2-(√11)^2]/(2√2)=1/(2√2) ・・・(5.2)
次に△BCDの面積=S_Aだから、
 Dのy座標=(2S_A)/a=(4S_A)/(2a) ・・・(5.3)
     =(4S_A)/(2√2)       ・・・(5.4)
 よって、D((e^2+a^2-f^2)/(2a),(4S_A)/(2a))=(1/(2√2) ,(4S_A)/(2√2))・・・(5.5)
 A_1のx座標=AB×cos∠ABC=c×(c^2+a^2-b^2)/(2ca)=(c^2+a^2-b^2)/(2a) ・・・(5.6)
       ={2^2+(√2)^2-(√3)^2}/(2√2)=3/(2√2) ・・・(5.7)
 △ABCの面積=S_Dだから、
 A_1のy座標=(2S_D)/a=(4S_D)/(2a) ・・・(5.8)
            =(4S_D)/(2√2) ・・・(5.9)
 よって、A_1((c^2+a^2-b^2)/(2a),(4S_D)/(2a))=(3/(2√2) ,(4S_D)/(2√2))・・・(5.10)
 したがって、
     A_2((c^2+a^2-b^2)/(2a),-(4S_D)/(2a))=(3/(2√2) ,-(4S_D)/(2√2))・・・(5.11)
   となる。
[6] (A_1)D<AD<(A_1)D ⇔[(A_1)D]^2<AD^2<[(A_2)D]^2 ・・・(6.1)だから、
  [(A_1)D]^2
   =[(e^2+a^2-f^2)/(2a)-(c^2+a^2-b^2)/(2a)]^2+[(4S_A-4S_D)/(2a)]^2
   =[{(b^2+e^2)-(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2-32(S_A)(S_D)]/(4a^2)
   =(3-1)^2/(2√2)^2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2-32(S_A)(S_D)]/(2√2)^2
   =1/2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2-32(S_A)(S_D)]/8 ・・・(6.2)
  また、
  [(A_2)D]^2
   =[(e^2+a^2-f^2)/(2a)-(c^2+a^2-b^2)/(2a)]^2+[(4S_A+4S_D)/(2a)]^2
   =[{(b^2+e^2)-(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2+32(S_A)(S_D)]/(4a^2)
   =[(3-1)^2/(2√2)^2+16(S_A)^2+[16(S_D)^2-32(S_A)(S_D)]/(2√2)^2
   =1/2+[16(S_A)^2+16(S_D)^2+32(S_A)(S_D)]/8 ・・・(6.3)
   
 そして 16(S_D)^2=(a+b+c)(a+b-c)(b+c-a)(c+a-b)
           =(√2+√3+2)(√2+√3-2))(√3+2-√2)(2+√2-√3)
           ={(√2+√3)^2-2^2}{2^2-(√3-√2)^2}
           =(2√6+1)(2√6-1)=23 ・・・(6.4)
   ゆえに 4(S_D)=√23 ・・・(6.5)
  同様に 
     16(S_A)^2=(a+e+f)(a+e-f)(e+f-a)(f+a-e)
           =(√2+√10+√11)(√2+√10-√11)(√10+√11-√2)(√11+√2-√10) ・・・(6.6)
         ={(√2+√10)^2-(√11)^2)}{(√11)^2-(√10-√2)^2}
         =(4√5+1)(4√5-1)=80-1=79 ・・・(6.7)
   ゆえに 4(S_D)=√79 ・・・(6.8)
  よって (6.2),(6.3)は それぞれ、
  [(A_1)D]^2=1/2+[79+23-2√23√79]/8=(53-√23√79)/4 ・・・(6.9)
  [(A_2)D]^2=1/2+[79+23+2√23√79]/8=(53+√23√79)/4 ・・・(6.10)となるから、
 (6.1)は 
        (53-√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 ・・・(6.11) 
    ゆえに √(53-√23√79)/2<d<√(53-√23√79)/2 ・・・(6.12)
     
[7]  すなわち 
    BC=a=√2 ,CA=b=√3 ,AB=c=2 である△ABCと
    BC=a=√2,BD=e=√10 、CD=f=√11である△BCDが与えられたとき、
    「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

     (53-√23√79)/4<d^2<(53+√23√79)/4 ・・・(7.1) 

   つまり、√(53-√23√79)/2<d<√(53-√23√79)/2 ・・・(7.2)である
   
   ことになる。ここに 4S_D=√23 ,4S_D=√79 であることに注意されたい。 
     
   √23√79=4.795831523・・・×8.888194417・・・=42.62628297・・・なので、
  (53-√23√79)=10.37371703・・・、(53+√23√79)=95.62628297・・・
  (53-√23√79)/4= 2.593429257・・・,(53+√23√79)/4=23.90657074・・・、
  位なので (7.1)は、 大体 2.593429257・<d^2<23.90657074・  ・・・(7.3)
  となる。
 今この「例1」では、d=AD=3としているので、d^2=9であって(7.3)、したがって
  (7.1)を満たし、「四面体ABCDができる」
[8] 一般には、
    BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCとBC=a,BD=e 、CD=fである△BCDが
    与えられたとき、「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

   [(e^2+a^2-f^2)/(2a)-(c^2+a^2-b^2)/(2a)]^2+[(4S_A-4S_D)^2/(2a)]^2
   <d^2 <[(e^2+a^2-f^2)/(2a)-(c^2+a^2-b^2)/(2a)]^2+[(4S_A+4S_D)/(2a)]^2
  
      ・・・(8.1.1)
 ここで、実は
  {(b^2+e^2)-(c^2+f^2)}^2+16(S_A)^2+16(S_D)^2
  =2(a^2)(b^2+c^2-a^2)+2(e^2)(c^2+a^2-b^2)+2(f^2)(a^2+b^2-c^2) ・・・(8.1.2)
  となるので、(8.1.1)は、

  [(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)-(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
   <d^2 
  <[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
  
    ・・・(8.1.3) となる。
 よって 
「定理8.2]
   BC=a ,CA=b ,AB=c である△ABCと
   BC=a,BD=e 、CD=f である△BCDとが与えられたとき、
   「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は、

 ⇔ [(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)-(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
   <d^2 
   <[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
   ・・・(8.2.1)
 ここに、S_A=△BCDの面積、S_A=△BCDの面積であって、例えば ヘロンの公式から、
  
   4S_D=√(a+b+c)(a+b-c)(b+c-a)(c+a-b),4S_A=√(a+e+f)(a+e-f)(e+f-a)(f+a-e)
   で計算できる。
 
「定理8.3]
  (8.2.1)式は
 (1)   -(4S_A)(4S_D)
     <2(ad)^2-[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)]
     < (4S_A)(4S_D)
  ⇔ |2(ad)^2-[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)]|^2
    <(4S_A)^2×(4S_D)^2 ・・・(8.2.2)
   

 (2) これを、「一生懸命計算する」と
  (ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2-a^2-d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2-b^2-e^2)
+(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2-c^2-f^2)
  -{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)^2} > 0  ・・・(8.3.1)
   と同値になる。
  ここで

 4detJ(3)
  =(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2-a^2-d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2-b^2-e^2)
+(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2-c^2-f^2)
  -{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)^2} > 0  ・・・(8.3.2)だったので、
 結局

 (3)「定理8.2]の
   BC=a ,CA=b ,AB=cである△ABCと
   BC=a,BD=e 、CD=fである△BCDとが与えられたとき、
   「四面体ABCDができる」ためのAD=dの長さの「条件」は

 ⇔ [(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)-(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
   <d^2 
   <[(a^2)(b^2+c^2-a^2)+(e^2)(c^2+a^2-b^2)+(f^2)(a^2+b^2-c^2)+(4S_A)(4S_D)]/(2a^2)
  
   ・・・(8.3.3)

 ⇔ 4detJ(3) >0 ・・・(8.3.4)となる。すなわち

⇔(ad)^2(b^2+e^2+c^2+f^2-a^2-d^2)+(be)^2(c^2+f^2+a^2+d^2-b^2-e^2)
+(cf)^2(a^2+d^2+b^2+e^2-c^2-f^2)-{(aef)^2+(dbf)^2+(cde)^2+(abc)2}>0 
 ・・・(8.3.5) となる。
次へ続く・・・・・
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三角形の垂心の「重心座標表現の公式の証明

2008年11月07日 | 考察


三角形の「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」の公式の「証明」2008.11.07(金)

以下「ベクトル AB」などを (→AB)で表すことにする。すでに、
三角形ABCの「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」の公式を与え、その
なかで、『内積』による表示が基本である」と述べた。公式は以下に述べる[命題1.2]のようである。

三角形ABCに対して、BC=a,CA=b ,AB=c,
x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB)) ・・・(1.1.1)
 とおく。
そのとき、
 x+y=AB^2=c^2  ,x+z=AC^2=b^2 ,y+z=a^2 ・・・(1.1.2)
 が成り立ち、したがって x+y+z=(a^2+b^2+c^2)/2 ・・・(1.1.3) でもあった。
また、三角形ABCの面積を S ,2次の正方行列 J(2)を
J(2)=
( ((→AB),(→AB)) ((→AB),(→AC)) )
( ((→AC),(→AB)) ((→AC),(→AC)) )
=  
( c^2  x  ) 
( x   b^2 )  とおくと、

 detJ(2)>0 で detJ(2)=(b^2)(c^2)ーx^2=(2S)^2=4(S^2)であった。
  そして(1.1.2)から
 yz+xz+xy=z(x+y)+xy=(b^2-x)(c^2)+x(c^2-x)=(b^2)(c^2)ーx^2=detJ(2)
 すなわち
 yz+xz+xy=detJ(2)=4(S^2) ・・・(1.1.4)であった。

三角形ABCの「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」は次のようである。

「命題1.2」
 mは、m≧2を満たす自然数とし、△ABC⊂E^m (E^mはm次元ユークリッド空間)とする。

△ABCの「垂心」をHで表わすことにする。そのとき、E^mの任意の点Pにたいして、
 
  (→PH)={1/(4・S^2)}×[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)] ・・・(1.2.1)
      となる。
 ここで 
  yz+xz+xy=4(S^2) ・・・(1.2.2) が

 成立するので、(1.2.1)は「ベクトルによる重心座標表現」である。

☆ この[命題1.2]を証明するため、次の[補題1.3]を用意する。
[補題1.3]
   (→h)=(→AH),(→AB)=(→b) ,(→AC)=(→c)とおくとき、
   点Hが△ABCの「垂心」になる
 ⇔ ((→h),(→b))=((→b),(→c)) かつ ((→h),(→c))=((→b),(→c)) ・・・(1.3.1)
「証明」
 点Hが△ABCの「垂心」になる ⇔((→BH),(→AC))=0 かつ((→CH),(→AB))=0 
 ⇔((→AH)-(→AB),(→AC))=0 かつ((→AH)-(→AC),(→AB))=0 
 ⇔((→AH),(→AC))=((→AB),(→AC)) かつ ((→AH),(→AB))=((→AB),(→AC))
 ⇔((→h),(→b))=((→b),(→c)) かつ ((→h),(→c))=((→b),(→c))
 (証明終わり)

それでは、
「命題1.2」の証明に移ろう

「「命題1.2」の証明」

 (→AB)=(→b),(→AC)=(→c)は一次独立であるから、
 (→h)=β(→b)+γ(→c) ・・・(1.2.3)と一意的に書ける。また 
 (→PH)=λ(→PA)+μ(→PB)+ν(→PC) ・・・(1.2.4) ただし、λ+μ+ν=1 ・・・(1.2.5)
 とする。「ベクトルによる重心座標表現」の意味から β=μ ,γ=ν となる。
 (1.2.3)を[補題1.3]の(1.3.1)式に代入して、
 (β(→b)+γ(→c),(→b))=((→b),(→c)) かつ 
 (β(→b)+γ(→c),(→c))=((→b),(→c))    よって
 ((→b),(→b))β+((→b),(→c))γ=((→b),(→c)) かつ
 ((→b),(→c))β+((→c),(→c))γ=((→b),(→c))
 
すなわち
( ((→b),(→b)),((→b),(→c)) )(β)
( ((→c),(→b)),((→c),(→c)) )(γ)

=( ((→b),(→c)) )
 ( ((→b),(→c)) ) ・・・(1.2.6)

J(2)=
( ((→b),(→b)),((→b),(→c)) )
( ((→c),(→b)),((→c),(→c)) )・・・(1.2.7) だから、(1.2.6)は

J(2)( β  γ )^t =( ((→b),(→c))  ((→b),(→c)) )^t ・・・(1.2.8)

となる。 ここに ( β  γ )^t は ( β  γ )の「転置行列」を表すものとする。
(→b),(→c)は一次独立であるから、detJ(2)>0 よって Cramer(クラメール)の公式から

β ,γは一意的に求まり。
detJ(2)β=
|((→b),(→c)) ((→b),(→c))|
|((→b),(→c)) ((→c),(→c))|


|((→b),(→c))      0     |
|((→b),(→c)) ((→c)-(→b),(→c))|

=((→b),(→c))・((→c)-(→b),(→c))
=((→AB),(→AC))・((→BC),(→AC))
=((→AB),(→AC))・((→CA),(→CB))
=xz  ( 何故なら(1.1.1) ) 
同様に
detJ(2)γ=

|((→b),(→b)) ((→b),(→c))|
|((→b),(→c)) ((→b),(→c))| 


|((→b),(→b)-(→c)) ((→b),(→c))|
|     0      ((→b),(→c))|

=((→b),(→c))・((→b),(→b)-(→c))
=((→AB),(→AC))・((→AB),(→CB))
=((→AB),(→AC))・((→BA),(→BC))
=xy  ( 何故なら(1.1.1) )

よって β=(xz)/{detJ(2)} ,γ=(xy)/{detJ(2)} ・・・(1.2.9)
これを(1.2.3)に代入して
(→h)=β(→b)+γ(→c)=[xz(→b)+xy(→c)]/{detJ(2)}

すなわち、
(→AH)=[xz(→AB)+xy(→AC)]/{detJ(2)} ・・・(1.2.10)

ゆえに 
(→PH)=[1-(xz+xy)/{detJ(2)}](→PA)+1/{detJ(2)}[xz(→PB)+xy(→PC)]
   =1/{detJ(2)}[detJ(2)-(xz+xy)](→PA)+1/{detJ(2)}[xz(→PB)+xy(→PC)] 
   =1/{detJ(2)}(yz)(→PA)+1/{detJ(2)}[xz(→PB)+xy(→PC)]
   =1/{detJ(2)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]
すなわち 、
  (→PH)=1/{detJ(2)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]
     =1/{4(S^2)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]
 よって 証明された。
 (証明終わり)
なお、この前回に記した
「九点円」の中心を「N」とすると、Nは「外心O」と「垂心H」の「中点」で、
「外心O」、「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」はそれぞれ、
(→PO)=1/{2detJ(2)}[(y+z)x(→PA)+(x+z)y(→PB)+(x+y)z(→PC)] ・・・(2.1.1)
   
(→PH)=1/{detJ(2)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]          ・・・(2.1.2)

だから
 (→PN)=1/{4detJ(2)}[{(y+z)x+2yz}(→PA)+{(x+z)y+2xz}(→PB)+{(x+y)z+2xy}(→PC)]

(→PN)=1/{4detJ(2)}[(2yz+xz+xy)(→PA)+(yz+2xz+xy)(→PA)+(yz+xz+2xy)(→PC)]
      ・・・(2.1.3)

(→PN)=1/{4detJ(2)}[(detJ(2)+yz)(→PA)+((detJ(2)+xz)(→PA)+((detJ(2)+xy)(→PC)]
   =1/4[(→PA)+(→PB)+(→PC)]+1/4[yz(→PA)+xz(→PA)+xy(→PC)] ・・・(2.1.4)
   =(3/4)(→PG)+(1/4)(→PH)
   =1/4[3(→PG)+(→PH)]  ・・・(2.1.5)  ここに 点Gは△ABCの「重心」としている。

☆ すなわち「九点円の中心N」は、「重心G」,「垂心H」としたとき、
 「線分GHを1:3に内分する点」になる。
 
 このことは、「オイラー線の関係・・・OG:GH=1:2」と「九点円の中心N」が
「外心O」と「垂心H」の中点であることから当然のことである。
「九点円」についてはまたいつか話をしたい。


垂心四面体ABCDの垂心のベクトルによる重心座標表現で見落としていた大事なこと

2008年11月03日 | 考察

「垂心四面体ABCDの[垂心」のベクトルによる重心座標表現で見落としていた大事なこと」 2008.11.03(月)

☆ 先に垂心四面体において「内積」に着目して、垂心四面体ABCDの[垂心」の
「ベクトルによる重心座標表現」について述べた。また、別に
三角形の「垂心」の「ベクトルによる重心座標表現」についても、別の
稿で述べた。

◎ もともと、三角形の「垂心・外心」の「ベクトルによる表示」を求めようと
思ったきっかけは、名古屋大学の「栗田 稔」先生が著わされた
数学セミナー増刊 「入門|現代の数学[7」 具象から幾何学へ」(日本評論社)
を読んでいたら、p54に
「(三角形の)外心や垂心の位置ベクトルを(→OX)=p(→OA)+q(→OB)+r(→OC)
 (p+q+r=1)の形に著わすことは複雑である。」とあったので、
これに触発されて計算したのであった。
計算して割と簡単に「垂心」について「内積」による「ベクトル表示」を得て、これを
「余接」cotを用いて三角関数による表示にし、また「オイラー線の関係」より
「外心」の「ベクトルによる表示」も得ることができ、三角関数の正弦(sin)を用いて表示ができた。
当時「内心」のベクトル表示はしばしば大学入試に出題されていて、「傍心」については、
例えば 石谷 茂 監修 徳峯 良昭 著 「ベクトルとその応用 ー数学ブック6(大阪教育図書)
に載っていて、「内心・傍心」については、知られていたことであった。
それで、「垂心・外心」について発表した。そのとき、「位相幾何学」のホモロジー群の計算に
でてくる「単体の重心座標」の言葉を借用して、「ベクトルによる重心座標表現」の考えの萌芽に
至った。また 名古屋大学の「栗田 稔」先生も同様な研究をされていて、お手紙をいただいた。
「栗田 稔」先生のものは、三辺 a,b,cと角A,B,Cの三角関数の混在したもので、
 同封のコピー用紙に

『任意の点Xの位置ベクトルを
(→OX)=1/(p+q+r)[p(→OA)+q(→OB)+r(→OC)]・・・(1)とするとき、

(ア)
 重心G については、p=q=r=1/3            ・・・ (1.1.1)
(イ)
 内心 Iについては p=a ,q=b ,r=c        ・・・(1.1.2)
(ウ
「外心O」については、p=acosA,q=bcosB,r=ccosC  ・・・(1.1.3)
(イ)
「垂心H」については、p=asecA、q=bsecB 、r=csecC ・・・(1.1.4)
(エ)
 「九点円の中心N」については、
  p=acos(B-C) ,q=bcos(CーA) ,r=ccos(A-B)  ・・・(1.1.5)
 
 これらは、次のようにして統一的に導かれる・・・             』
として、図形的に求めておられた。

 さて、私が発表したものを読まれた、「一松 信」先生は、御子息の「明」氏と共に研究されて、
三角形の3辺 a,b,cだけで先の「垂心・外心」を含めて五心について表示され、
「三角形の諸心のベクトル表現」として「一松 明」氏の名前で投稿された。
そのときは、「一松 明」氏のものでは一切、三角関数表示については
触れてはいないので、三角形の「垂心・外心」の「ベクトルによる重心座標表現」の三角関数表示に
ついては、私の方に先行権があるはずである。まあ、そんなことをここで論ずるのではなく、次の

表題の「垂心四面体ABCDの「垂心」のベクトルによる重心座標表現で見落としていた大事なこと」について
触れよう。

☆(1)「(垂心)四面体の「垂心H」のベクトルによる重心座標表現」については、
2008年9月11(木)にBlogに発表したが、
そのとき、

四面体ABCDを考える。四面体では一般に、各頂点から対面に引いた4本の垂線は

1点では、交わらない。

この4本の直線が1点で交わるとき、その四面体を「垂心四面体」または

「直辺四面体」といい、その交点Hを四面体の「垂心」とよぶ。

  BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=f ・・・(1.1.7) とおき、

   x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)) ・・・(1.1.8) 

   y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)) ・・・(1.1.9)

   z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)) ・・・(1.1.10)

   w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) ・・・(1.1.11)

  とおく。

このとき、

[命題2]

  「垂心四面体ABCD」に対して

  x+y=c^2,x+z=b^2,x+w=d^2,y+z=a^2,y+w=e^2,z+w=f^2 ・・・(2.1.1)
 
[定理3] mをm≧3の自然数、四面体ABCD⊆E^3⊆E^mとし「四面体ABCD」の6辺を

 上の(1.1.7)のように a,b,c,d,e,fとし、x,y,z,wを上のようにおく。

 PをE^m内の任意の点とすれば、「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」は

 (→PH)=1/{detJ(3)}[yzw(→PA)+xzw(→PB)+xyw(→PC)+xyz(→PD)]・・・(3.1.1)
 
 で与えられる。

「命題4.2] 

 「垂心四面体ABCD」に対して6辺を上の(1.1.7)のように

   a,b,c,d,e,fとし、 x,y,z,wを(1.1.8)~(1.1.11)のようにおく。

   このとき yzw+xzw+xyw+xyz=detJ(3) ・・・(4.2.1)

  が成立する。                                    』

を発表して、「証明」は後から発表した。

一方 △ABCの「垂心H」については事実を、もっと早く2008.9月の始めに発表して

「内積」を用いた表示では、

  (→PH)={1/(4・S^2)}×{yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)}・・・(3)

ここに、
 x=((→AB),(→AC)),y=((→BA),(→BC)),z=((→CA),(→CB))である。


 ただし、((→AB),(→AC))は(→AB)と(→AC)の「内積」を表すものとする。

  そして yz+xz+xy=4(S^2) ・・・(4)

  が成立するので、(3)は「ベクトルによる重心座標表現」である。

 また、Sは三角形ABCの面積である。』 とした。

☆ この、△ABCの「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」の公式の「証明」が
「まだ現在発表してない」が、容易である。もう少し待っていただきたい。

◎さて、この「垂心四面体」の「垂心」と三角形の「垂心」の2つのことを得た時点で
 次のことに気が付かねばならなかった。

 つまり、「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」において、
x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)) ・・・(1.1.8) 

y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)) ・・・(1.1.9)

z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)) ・・・(1.1.10)

w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) ・・・(1.1.11)
とおいたのだから、△BCD ,△ACD ,△ABD ,△ABCの「垂心」を
それぞれ、H_A ,H_B ,H_C ,H_D、また面積をそれぞれ S_A ,S_B ,S_C ,S_D
としたとき、例えば
△BCDについては 頂点がB,C,Dであって(1.1.9)から((→BC),(→BD))=y ,
(1.1.10)から((→CB),(→CD))=z ,(1.1.11)から((→DA),(→DB))=wとなっているから、

三角形の「垂心」の表示の公式より、
 (→PH_A)=1/{4(S_A)^2}×{zw(→PB)+yw(PC)+yz(→PD)}・・・(*)
 かつ、(*)はベクトルによる重心座標表現だから、
 
 4(S_A)^2=zw+yw+yz ・・・(**) となるわけである。

以上のことより , 次の[定理5.1]が成立するのである。

[定理5.1]
 垂心四面体ABCDにおいて、BC=a,CA=b,AB=c,AD=d,BD=e,CD=f ・・・(5.1) とおき、

   x=((→AB),(→AC))=((→AB),(→AD))=((→AC),(→AD)) ・・・(5.1.1) 

   y=((→BA),(→BC))=((→BA),(→BD))=((→BC),(→BD)) ・・・(5.1.2)

   z=((→CA),(→CB))=((→CA),(→CD))=((→CB),(→CD)) ・・・(5.1.3)

   w=((→DA),(→DB))=((→DA),(→DC))=((→DB),(→DC)) ・・・(5.1.4)

  とおく。
 また、△BCD ,△ACD ,△ABD ,△ABCの「垂心」をそれぞれ、H_A ,H_B ,H_C ,H_D、
 また面積をそれぞれ S_A ,S_B ,S_C ,S_Dとするとき、
 
(1) PをE^m内の任意の点とすれば、「垂心四面体ABCD」の「垂心H」の
 「ベクトルによる重心座標表現」は



 (→PH)=1/{detJ(3)}[yzw(→PA)+xzw(→PB)+xyw(→PC)+xyz(→PD)] ・・・(5.1.5)
  
  detJ(3)=(3!V)^2=(6V)^2=yzw+xzw+xyw+xyz      ・・・(5.1.6)

(2) PをE^m内の任意の点とすれば、「垂心四面体ABCD」の4つの三角形の面の
 「垂心H_A」,「垂心H_B」,「垂心H_C」 ,「垂心H_D」の「ベクトルによる重心座標表現」も
  求まり、
   (→PH_A)=1/{4(S_A)^2}[zw(→PB)+yw(→PC)+yz(→PD)] ・・・(5.2.1)

(→PH_B)=1/{4(S_B)^2}[zw(→PA)+xw(→PC)+xz(→PD)] ・・・(5.2.2)

(→PH_C)=1/{4(S_C)^2}[yw(→PA)+xw(→PB)+xy(→PD)] ・・・(5.2.3)

(→PH_D)=1/{4(S_D)^2}[yz(→PA)+xz(→PC)+xy(→PC)] ・・・(5.2.4)

(3) 面積について

  4(S_A)^2=zw+yw+yz ・・・(5.3.1)
  
  4(S_B)^2=zw+xw+xz ・・・(5.3.2)

4(S_C)^2=yw+xw+xy ・・・(5.3.3)

4(S_D)^2=yz+xz+xy ・・・(5.3.4)

☆ したがって、前に「四面体の垂心・外心の重心座標表現の具体例」をあげたときに、その
 「垂心・外心」またその体積 Vのみなず、
  側面の「4つの三角形の面積」及び「4つの垂心」もすぐ簡単に計算できたわけであった。






垂心四面体ABCDの各頂点から対面の三角形に下した垂線の足はその三角形の垂心

2008年11月02日 | 考察

「垂心四面体ABCD」の各頂点から対面の三角形に下した垂線の足はその「三角形の垂心」2008.11.2(日)

(1) 例によって 、BC=a ,CA=b, AB=c,BD=e ,CD=f とし
   x=([→AB],[→AC])=([→AB],[→AD])=([→AC],[→AD]) ・・・(1.1.1) 

   y=([→BA],[→BC])=([→BA],[→BD])=([→BC],[→BD]) ・・・(1.1.2)

   z=([→CA],[→CB])=([→CA],[→CD])=([→CB],[→CD]) ・・・(1.1.3)

   w=([→DA],[→DB])=([→DA],[→DC])=([→DB],[→DC]) ・・・(1.1.4)

  とおく。detJ(2)は、(→AB)と(→AC)のGramの行列式であり、detJ(3)は
  (→AB),(→AC),(→AD)のGramの行列式とする。detJ(2)>0 ,detJ(3)>0 である。

(2) 表題の事実は、「三垂線の定理」を用いて「証明」ができる。
  
 すなわち 次の「命題1.1」が成立する。
 [命題1.1]
  「垂心四面体ABCD」において、頂点Dから、対面の△ABCに下した「垂線の足」K_Dは△ABCの
  「垂心H_D」になる。
 「証明」  
  まず、K_D≠Aのときを考える。このとき、 BC⊥A(K_D) ・・・(1.1.5)を示そう。
  
  BC⊥D(K_D) ・・・(1.1.6)である。また「垂心四面体ABCD」の条件 BC⊥DA から
  BC⊥△DA(K_D) よって BC⊥A(K_D)   [注意:これが「三垂線の定理」の1つの型である]
  同様にして、K_D≠B ,K_D≠C のときは、 
  CA⊥B(K_D)・・・(1.1.7), AB⊥C(K_D)・・・(1.1.8)
  (a) ゆえに、K_Dが△ABCの頂点 A,B,Cのどれにも一致しないときは、(1.1.5)と(1.1.7)(1.1.8)
   から、点 K_Dは△ABCの「垂心H_A」になる。
  (b) K_Dが△ABCの頂点 A,B,Cのどれかに一致するとき、例えばK_D=Aのとき、
    K_D≠B,かつ K_D≠Cとなるから、上の(a)から 
   CA⊥(BK_D)・・・(1.1.8), AB⊥(CK_D)・・・(1.1.9がいえている。
   K_D=Aだから これらは、   CA⊥BA  ,AB⊥CA となる。
  つまりAB⊥AC  よって△ABCは、∠BAC=90度の「直角三角形ABC」になる。
  この「直角三角形ABC」の「垂心H_D」は明らかに、「頂点A」である。
   K_D=Aだから、頂点Dから、対面の△ABCに下した「垂線の足」K_Dは△ABCの
  「垂心H_D」=「頂点A」になる。
 なお、このとき、DK_D⊥△ABCより、DA⊥△ABCとなる、よって、K_D=Aのときは
 この「垂心四面体ABCD」は「A-3直角四面体」となり、その「四面体」としての
 「垂心H」=「頂点A」であることも分かる。
 (「命題1.1」の証明終わり)
☆ この「命題1.1」の証明の(b)の部分を
 [命題1.2]として掲げておこう。

 [命題1.2]
  「垂心四面体ABCD」において、頂点Dから対面の△ABCに下した「垂線」の足が
   △ABCの「頂点Aに一致」
  ⇒ この「垂心四面体ABCD」は「A-3直角四面体」である。つまり、
    「垂心四面体ABCD」の「垂心H」は「頂点A」である。

☆ さて、
「命題1.1」は、「頂点D」が「垂心四面体ABCD」の「垂心H」と異なるときには
「ベクトルによる重心座標表現」の公式から、計算によって示すことができる。

まず、次のことに注意しよう。前にBlogの「重心座標表現の具体例_第5(3直角四面体の場合)」で
 述べたことの否定命題を考えて
 [命題1.3]
 「頂点D」が「垂心四面体ABCD」の「垂心H」と異なる 
    ⇔ D≠H  ・・・(1.3.1)
    ⇔ w≠0  ・・・(1.3.2)  (wは上の(1)の(1.1.4)のものである)
    ⇔「垂心四面体ABCD」は「Dー3直角四面体」ではない  ・・・(1.3.3)
◎これを用いて「頂点D」が「垂心四面体ABCD」の「垂心H」と異なるときには、
 計算で「命題1.1]を「証明できる」
 [命題1.4]
  「頂点D」が「垂心四面体ABCD」の「垂心H」と異なる「垂心四面体ABCD」に
  おいて、「頂点D」から対面の△ABCに下した垂線の足K_Dは、
 △ABCの「垂心H_D」である。つまり直線DHと△ABCを含む平面との交点は
  △ABCの「垂心H_D」である。
 「証明」
 「垂心四面体ABCD」の「垂心H」の「ベクトルによる重心座標表現」は
 任意の点P∈E^m (mは3以上の自然数)に対して
 (→PH)=1/{detJ(3)}[yzw(→PA)+xzw(→PB)+xyw(→PC)+yzw(→PD)]・・・(1.4.1)

 また、△ABCの「垂心H_D」のベクトルによる重心座標表現」は△ABCを
 考えているから、 x,y,zを用いて

 (→PH_D)=1/{detJ(2)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC))] ・・・(1.4.2)

 ここに detJ(2)は、(→AB)と(→AC)からできるGramの行列式であって、
 S_Dを△ABCの面積としたとき、detJ(2)=yz+xz+xy=4(S_D)^2 ・・・(1.4.3)
 であるから、
 
 (→PH_D)=[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC))]/(yz+xz+xy) ・・・(1.4.4)ともなる。

さて、D,H,K_Dは一直線上にあるから、(→DH)=(1-t)(→DK_D) ・・・(1.4.5)
 となる実数 tがただ一つ存在する。
 
 κ=(yzw)/{detJ(3)} ,λ=(xzw)/{detJ(3)} ,
 μ=(xyw)/{detJ(3)} ,ν=(xyz)/{detJ(3)} ・・・(1.4.6)として、
 (1.4.1)は(→PH)=κ(→PA)+λ(→PB)+μ(→PC)+ν(→PD) ・・・(1.4.7)
 かつ κ+λ+μ+ν=1 ・・・(1.4.8) となる。よって
 t=ν ・・・(1.4.9)となり、
(t=ν ・・このことについてはまた別の機会に示す。垂心Hに限ったことではない。
  重心座標表現において一般的に成り立つことである 。              )
 (1.4.5)は 
(→PH)-(→PD)=(1-ν){(→PK_D)-(→PD)}
⇔ (→PH)=ν(→PD)+(1-ν)(→PK_D) ・・・(1.4.10)
 ゆえに 垂心Hは、線分DK_Dを (1-ν):νの比に分ける点である。
 
よって D≠H ⇔ 1-ν≠0 ⇔ ν≠1 ・・・(1.4.11)である。
 (1.4.10)と(1.4.7)から 
(1-ν)(→PK_D)=(→PH)-ν(→PD)=κ(→PA)+λ(→PB)+μ(→PC)
ここで D≠H より、ν≠1 よって
 (→PK_D)=1/(1-ν)[κ(→PA)+λ(→PB)+μ(→PC)] ・・・(1.4.11)
 (1.4.6)から κ+λ+μ=1-ν≠0 で(1.4.11)は
 (→PK_D)=[κ(→PA)+λ(→PB)+μ(→PC)]/(κ+λ+μ) ・・・(1.4.12)
  となる。(1.4.6) から

 κ+λ+μ=(yzw+xzw+xyw)/{detJ(3)}=w(yz+xz+xy)/{detJ(3)} ・・・(1.4.13)
 また κ(→PA)+λ(→PB)+μ(→PC)
 =1/{detJ(3)}[yzw(→PA)+xzw(→PB)+xyw(→PC)]
 =w/{detJ(3)}[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)] ・・・(1.4.14)
 よって (1.4.12)は w≠0 から
 (→PK_D)=w[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]/{w(yz+xz+xy)}
     =[yz(→PA)+xz(→PB)+xy(→PC)]/(yz+xz+xy) ・・・(1.4.15) となった。
 (1.4.4)と(1.4.15)から
 (→PH_D)=(→PK_D) ⇔ K_D=H_D
 
ゆえに 「頂点D」が「垂心四面体ABCD」の「垂心H」と異なる「垂心四面体ABCD」
において、「頂点D」から対面の△ABCに下した垂線の足K_Dは
 △ABCの「垂心H_D」であることが、計算で示された。
 (証明終わり)