ma vie quotidienne

フランス語で「私の日常生活」。
ささやかながらも大切な日常の記録です。

仏検二次試験体験記 準備時間編

2011-08-10 20:58:54 | フランス語
7月に受けた仏検の二次試験。早ければ明日11日にも結果が届くはずです。

二次試験終了後の日記に書いた通り私は失敗してしまい、試験レポートを書いても恥をさらすだけだと思ったのですが、体験記というのは合格体験記であっても不合格体験記であっても貴重だとも思うので、やはり当日のことを思い出しながら書いてみることにしました。


試験会場はアテネ・フランセでした。受付後、案内されて地下の教室の前へ。椅子に座って待機するよう指示がありました。

1教室につき受験者ひとり、係員ひとり。中の教室では面接試験が行われているようで、声が少し漏れ聞こえてきました。当然話の内容はわかりませんが、試験官らしき方がかなり丁寧にあいづちを打っている様子なのはわかり、優しそうな試験官だなあと思いながらぼんやりしていました。

試験前3分前になり、テーマの書かれた用紙が渡されました。

用紙にはA・Bふたつの質問がフランス語で書かれていて、入室までの時間でどちらかを選び発表内容を頭の中でまとめます。用紙にメモを取るのは認められていますが、書いたものを試験中に読むのはダメだと受付時に説明がありました。試験開始後は選んだテーマについて3分間で発表し、その後試験官との質疑応答、という流れです。

Aの質問を見てまず目に飛び込んできたのは「3月11日」。地震・原発関連だなと思いほっとしたのもつかの間、質問の全文を読んで凍りました。

意味がわからない。

質問文に未知の単語が含まれている訳でもないのに、書いてあることの意味がわからなかったのです。

私の理解が正しければ、下記のような文章でした。

「3月11日の災害によって日本人の『賢明さ』(《sagesse》とカッコで括ってありました)が明らかになった(révélerが使われていました)と外国人は言っているが、あなたもそう思うか」

地震や原発事故から日本人は教訓を得て賢明になったか、と言いたいのかと一瞬思ったのですが、それにしては時制が合っていない気がするし、révélerが使われるのも変な感じだし、sagesseがなぜカッコで括っているのかもわからない。でもそうじゃないとしたら何が言いたいのかさっぱりわからない。

パニックになりかけながら慌ててBの質問に目をやると、目についたのは「《kawaii》」と「この現象をどう説明するか」。こちらは全文読まなくても言いたいことがわかりました。「kawaii」という日本語が「manga」などのようにそのまま海外で使われていると聞いたことがあるので、そのことだとすぐに思いました。

でも、このBの質問については、意味はわかっても知識がありません。何の意見も持っていないし、そもそも外国人は何を指してkawaiiと言うのか、漠然とイメージはあっても具体例がひとつも思いつかない。絶対ムリだ、と思いました。

多少は準備した地震・原発関連であることは間違いないが問題文の意味がわからないA。問題文の意味はわかるが事前準備ゼロで知識もないB。どちらにするか悩みましたが、前日の対策講座で「テーマの選択に時間をかけてはいけない。準備の時間がなくなる」というアドバイスを受けていたので、Bを選ぶのはリスクが大きすぎるのでAにしよう、と決めました。それでも頭の中のパニックは治まらず、ろくに発表内容も練らないまま3分間が終了し、入室を指示されました。もうどうしようもないので、上に書いた「教訓」路線で行こうと肚をくくり、ふたりの試験官の前に座りました。

(本番編に続きます)

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