【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ7-461 小ネタ

2007-05-15 | 佐々木×キョン×ハルヒ

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/12(土) 17:52:12 ID:EGh5q4gJ
「やあ、キョン」
振り向くと佐々木がそこにいた。
「一人かい、涼宮さんはどうしたのかな?」
「はぁ、お前まで俺とあいつをセットみたいに言うのかよ…」
「ということは今の友達にも言われているのかい?」
「ああ、『涼宮と一緒じゃないのか?』やら『涼宮さん知らない?』やら、俺はハルヒの保護者じゃないっての」
「ふふ、たしかに『保護者』ではないね、それ以上だもの」
「…どういう意味だよ。何が言いたいんだ」
「さて?僕に言いたいことなんてないよ。君が自覚すべき問題だ」
あいかわらずおかしな言い回しだ。
「話は戻るが今日は本当に一人なのかい?」
「いや、SOS団で不思議探しの途中だ。ハルヒとペアだったんだが『ちょっと待ってなさい』とか言って走り出してな」
「置いていかれたというわけだね。ふむ、追いかけなくていいのかい」
「なんでだよ。待ってろって言ったのはあいつだぞ」
「乙女心は複雑なのさ」
その口調で女の佐々木に言われるとなんとも言えないものがあるな。
「まあいいさ、こっちは時間が空いてしまってね、少し話でもしようか」
まあ特に断る理由もない。ハルヒが帰ってくるまでのいい時間つぶしになるだろう。

他愛のない近況報告。
なぜか佐々木はハルヒのことを聞きたがった。理由は「僕と正反対の人物だからね。興味があるんだ」だそうだ。
「ってわけだ。チョコを渡すなら渡すでもっと簡単に出来ないものかね。どうせ義理なんだし」
「…それを本気で言っているなら君はいつか刺されるよ?」
「ぶっそうだな。なんでそうなるんだよ?」
「やれやれ、君はそういうところは変わってないね」
「一年じゃあそんなに変わるわけないだろ」
「いや、一つ変わったところがある」
変わったところ?少なくとも自覚はない。何だというのだろう。
「人の目を見て話すようになった」
「…そうか?」
言われてみればそうかもしれない。だがそれがどうしたって言うんだ。
「以前の君はあまり人と関わろうとしなかったからね。目を見て話すということはその人を正面で捉えるということだ」
「そんな大げさな…」
「少なくとも君は前向きになった。親友としては嬉しい限りだ。涼宮さんに感謝だね」
「ハルヒが何の関係があるんだ」
「わかっているのにとぼけるのはよくないな。涼宮さんはそういう人だろう?僕がそうでないように」
そういえば佐々木の目を見て話した記憶はあまりない。
「正直僕のような引っ込み思案な人間からするとそんなに見つめられると話しにくいったらないんだ」
「そうなのか?そりゃ悪かったな」
「悪いのは僕だよ、キョン。君は涼宮さんに感謝すべきだ」

「キョーン!あれ?誰かと話してた?」
「ちょっと佐々木とな。お前に感謝しろ、だとさ」
「よくわかんないけど言ってることは正しいわね。あんたは団長に対する感謝の気持ちが足りないわ」
「お前は団員に対するいたわりの心が足りないな」
「む、なにそれ。キョンの癖に生意気」
たしかにあいつの言うとおりだ。俺はハルヒの目を見て話してる。ハルヒも俺の目を見て話してる。
いつからそれが当たり前になったのか。俺自身も覚えていない。
「ま、いいわ。キョン!あっちですごいもの見ちゃった。行くわよっ!」
俺の手を引いてズンズン歩き出すハルヒ。
「早くしなさいっ!」
振り向いたハルヒの目は期待に満ちてキラキラしていた。
そうか、俺はこの瞳が見たかったから目を見て話すようになったのか。
…なんてな。佐々木の口調が移ったみたいだ。
普段の俺ならこんなこと思うわけないからな。