内分泌代謝内科 備忘録

亜急性連合性脊髄変性症の MRI 所見

亜急性連合性脊髄変性症
Intern Med 2022; 62: 951-952

57 歳の日本人男性が、4 ヶ月前から進行性の歩行障害で当院を受診した。アルコール依存症の既往があった。

下肢の振動感覚の消失を認め、Romberg 徴候は陽性であった。臨床検査の結果、ヘモグロビン値は 6.3 g/dL(基準範囲: 13.5-17.6 g/dL)、平均赤血球容積は127.7 fL(基準範囲、82.7~101.6 fL)、ビタミン B12 濃度は検出可能レベル以下であり、抗内因子抗体が陽性であった。上部消化管内視鏡検査で萎縮性胃炎が認められた。頸椎、胸椎、腰椎の磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)では、後索の (T2) 高信号を認めた(写真 A, C, 矢印)。

写真 A, C: 脊髄後索の (T2) 高信号を認める。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10076137/figure/g001/

亜急性連合性脊髄変性症と診断し、ビタミン B12 の補充を開始した。治療により臨床症状は徐々に改善し、歩行も回復した。MRI の異常所見も 3 ヵ月後には改善した(写真 B, D, 矢頭)。しかし、患者の振動感覚は改善しなかった。

写真 B, D: 治療後 3ヶ月の時点では後索の (T2) 高信号は認めなくなっている。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10076137/
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「神経」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2022年
人気記事