
人生にとって幸福な音が
三つある。
1. 夫が家にいて、静かに本を
を読んでページをめくる音
2. その傍らに妻がいて、、何
かを作っている音
3. その夫婦の側で、子供が
元気に遊び戯れている音
日本のよき時代にあった音たち。
静寂が辺りを包み
ひとあしごとに私は
明日に近づき
心は昨日に連れもどされる
まちがった角を曲がり、
まちいがった選択をしたの
だろうか
答えなんてないのに
後悔してしまいそうになる
踏み出したこの道が
どこへ続くか
今は
深く考えないようにして
深緑のベールを薄く
一枚ずつ剥ぐように
深緑の夕暮れの奥へと
分け入る
まだ一度も起こしたことの
ない行動を
この人といつまでも一緒に
いたいと思う感情って、
こんな短時間で形成される
んだ・・・・・
人が人に惹きつけられるの
って、時間じゃないよね。
その人の個性がはっきりでて
いて、
それを好ましく思えば、
こんなにもすぐ人を好きになれる
私は幼い頃、母と別れたのですが、
作家の西村滋さんは、母の恩に
ついてこう語っている。
「優しかった母が結核に罹って
隔離された。大人たちは近寄ら
ないようにと言うが、幼時のこ
とで母恋しさに近寄ると、
母は私を見るなりに罵声を浴び
せ、コップやお盆などを手当り
次第にぶつけてくる。
顔は青く、髪を振り乱して荒れ
狂う姿は、鬼としか思えず、次第
に母を憎悪するようになった。
いつか、ぐれて少年院にいた。
そのときに、昔の家政婦さんが
来て告げた。
『私はもっとあの子に憎まれたい。
私はあと一年か二年の命です。
あの子は幼くして母を失うのです。
幼い子が母と別れて悲しがるのは
優しく愛された記憶があるからで、
憎らしい母親なら死んでも悲しま
ないでしょう。
夫もまだ若いから、新しいお母さん
が来るでしょう。
その方に可愛がってもらうためにも、
死んだ母親なんか憎ませておくほ
うが、あの子のためです』と。
それを聞いて、私は立ち直ることが
できた」
なんと壮絶な母の愛ではありませ
んか。
お金とか土地とか家などは、残して
かえってためになりません。
自分のつらさを隠して無償の慈しみと
愛の強さを、心から痛感しました。
フライパンにバターをうすく
流します。
愛の殻を割って、白身と黄身
をこわしたり混じりあったり
しないように落とします。
小さじ一杯の塩をふりかける前に、
ためいきをそっと一つ。
好きな人の名前をよんでください。
素早く愛は焼きあがります。
かたちをこわさないで食べるのが、
愛の上手な食べ方の秘訣で
星くずの光がてらしだす
あなたの姿ばかりみている
若草色のおとといが
あなたと私を包みこむ
心から好き
空からふる
ふるえる涙
https://www.youtube.com/watch?v=i92VId99u1w
音羽様
あたたかくて心強い、励ましの
おたよりをありがとう。
つらい日々を過ごしているはず
のあなたに、逆にわたしの方が
励まされました。
検査の結果も出て、あとは木曜日
を待つだけになりました。心身と
もに、準備はすっかり整いました。
だから、何も心配しないでね、わ
たしのことは。
それよりも・・・・・。
勇気を出して、思い切って書いた、
ぶしつけな手紙を、あのようにま
っすぐに受け止めて下さったこと
に、感謝します。
わたしの拙(つたな)い言葉が、
あなたの孤独、あなたの悲しみ、
あなたの苦しみを、ほんの少し
でも慰めたり、和らげたりでき
たのであれば、それはわたしに
とって、かけがえのない、
何物にもかえがたい、喜びであ
り、幸せです(なんだかいつも、
同じようなことばかり書いて
しまって、ごめんなさい)。
あなたからお手紙が届くと、泣
きたいくらい、嬉しくなります。
いえ、実際のところ、まわりの
人たちが呆れ果ててしまうほど
勢い良く、泣いてるの。だから
いつも笑われてます。
「よく、そんなに元気いっぱい
泣けるねえ」って。
順ちゃんからも、しょっちゅう
言われてました。
「いったいどっから出てくるん
や。そんなにぎょうさんの涙」
順ちゃんに奥さんがいるとわか
って・・・・別れなくてはなら
ないと思って、思って、思って、
でも別れられなくて、あきらめ
切れなくて、決心しては崩れ、
崩れてはまた決心する、そんな
日々が半年ほど、続いていたで
しょうか。
その頃は、まだそこまでわかっ
ていなかったと思うけれども、
わたしが別れるべきなのは、
ほんとうは順ちゃんでも恋で
もなくって、「わたし自信」だと
だったのだと思います。
なんていうんかな、鬼はわた
しのなかにいる、とでも言えば
いいのでしょうか。
作家の城夏子さんは、「楽しく
死ぬための生き方」として、
次のように語る。
「楽しく死ぬためには、日々
を楽しく生きることだと、笑
って暮らすことを勧める。
楽しく生きるとは、どんな
生き方か。
庭にどこかの家の白い猫が
入ってきたら、『あれ、猫が
遊びに来た』と楽しみ、一
隅の薔薇が花をつけたら、
『あ、咲いた』と喜ぶ。
なんでもないことを心に留
めて、嬉しがるのである。
私にはそれが、性に合って
いるようだ。
一度しかない一生だから、い
い絵、いい音楽、そして文学
に、どぶんとつかり続けてい
だい。
笑って暮らそう。そして笑っ
て死んでいく」
この逆に、何事にも不平不満
ばかり言って、暗く暗く考え
て面白くもない一生を送る
人もいる。
どうせ同じ一生なら、私も
何事も笑い飛ばして生きて
いく城さんのように、
前向きに生きたいと思います
そのためには、物事には何事
も二面性がありますが、
明るいほうを眺めて生きる
ことだと思います。
私の孤独は
光にとけるオリーブの木
のよう
さんざめく緑の中
私の思いは
このようなことを語り
あえる
だれかを求めて川を下る
ポートには草花が
青空からこぼれ落ちて
きたようにあふれ
孤独はつめたくすみきって
水晶のようにすきとおる