道を歩いていると、歩道の脇や植え込みの中にタンポポの花をよく見かける。郊外の畑のそばを歩いていても黄色く可憐なタンポポが、いくつも咲いている。
西日本では、白い花びらの少し大きな株のタンポポが多かった。東日本では、この黄色い花が主流のようだ。コンクリートやアスファルトのわずかな隙間にも根をおろし、しっかりと生きのびて花開かせる。
温かい太陽を浴びて咲くタンポポの花は、まるで黄金の花びらのように眩しい。ブローチにしたくなるぐらいだ。
やがて、花をすぼませたかと思うと、地面に軸を倒して休んでいる。しっかりと種に栄養を送っているのだ。そうして、実を実らせる。よく晴れた日に、すうっと起き上がり、その軸を高く高く空へ伸ばし、満開に綿毛を膨らませる。
あっ!風だ。
風に乗って一つ一つの種をつけた綿毛は、自由気ままな旅に出る。いったいどこまで行くのだろうか。ちゃんと土を見つけて、舞い降りてほしい。新しい土地を探して、たった一人の夢の旅。タンポポの勇気に応援したい。
夢見る夢子さんですか。
メルヘンの世界ですね。綿毛に託して夢をみるなんて。
さてさて、どんな夢でしょうか。
まだ見ぬ土地の豊かな土に根が生やせると良いですね。
たんぽぽに幸あれ。