ブラッド・ピット ジョーブラックをよろしく

Meet Joe Black


ブラッドピットはジーンズがとっても似合うけど、
スーツ姿もとっても格好いい。

愛嬌のいい若者のブラピ　⇔　冷たく尊大な死神のブラピ

アップがながーーいシーン（ほとんど極限まで長い）がちりばめられて、
静かに上品に淡々と物語が進んでいく。

「エド・ウッド」では、エドの感情は無視されながら、コミカルに早いテンポで次々とシーンが繰り広げられる。それぞれのシーンの積み重ねで、エドの性格と切ない感情が画面からあふれ出てくる。


一方、「ジョーブラック」は刻々と感情の変化を追っていく。

見詰め合って、当惑して、陶酔する。
見詰め合って、惹かれあって、混乱する。
怪しくて尊大で無愛想なジョーブラックが、恋して揺れておぼれていくのが、
長ーーーいアップのシーンの中で
観客は納得させられて、引き込まれていく。


初めは、人間死期が近づいたら、会社や部下や財産なんてどうでもよくなるんだよ。ってシニカルなお話しになるのかな、って思ったら、お話しは最後までそういう人間の現実を大事にもっていった。

アンソニーホプキンズが演じる大富豪の社長はよい父親で懐が広く、全てを最期までやさしく大事に扱う。

ありえない設定、ありえない美しい男女、ありえない上流階級、ありえない結末、ありえない、静かな死。