『勤務地シンガポール』

残りの人生どう生きるか迷い続けてこのまま終わってしまいそうです

出発20分前の空港にて

2009年06月25日 | 人材採用についてあれこれ

 「出発20分前の空港」にいる、という状況を、皆さんそれぞれ想像してみて下さい。皆さん自身が旅人で、今空港にいます。出発2時間前には空港に到着するつもりで家やホテルを出たのに、途中渋滞や事故に巻き込まれ、空港到着がかなり遅れてしまいました。

 急いでチェックイン・カウンター向かうと、なんとそこには長蛇の列が!どうも航空会社のシステムがトラブルを起こしていているようです。仕方が無いので最後尾についてじっと待ちます。直ぐ後ろにも人が次々と、増えてきます。

 ようやくシステム障害も解決したようで、少し列が動き出しました。時計を見ると出発予定時刻の20分前を指しています。「早くしてくれ~!」と祈る思いで先頭の進み具合を見ていると、今まさに空港に到着したビジネスマンが、物凄い勢いでタクシーを降りると、スーツケースを引きずり、そして大声を張り上げながらこちらにやってくるのが横目に見えました。

 そして次の瞬間そのビジネスマンは驚くべき行動をとります。なんと皆さんの列の一番前に割り込み、誰になんの断りもなくいきなりカウンター越しに空港のスタッフにこう切り出したのです。「私はどうしてもこの飛行に乗らなければ成らないのだ。この飛行機を逃したら大事な商談に間に合わなくなる。だから自分のチケットの発券を先にして欲しい。」

 「お客様、それはなりません。他のお客様もみんなお待ちなので、お客様もお並び下さい。」とスタッフもまた声を張り上げます。ところがそんなことにひるむビジネスマンではありません。「もし遅れて商談を逃したら、その損害は賠償してくれるか」などと言いながら、終いには強引に発券してもらうことに成功しました。

 その様子を見ていた列の一番最後にいた人が、前に立っている人にこう言いました。「なんであの人だけ特別扱いするんでしょうねえ。」そして最後尾からカウンターに向かって、「あのー、私もどうしてもこの飛行機に乗らなければ成らないのです。なんとかして欲しい。」と大声を出したあと、前の人に向かって、「すみません。こういう事情なので、順番を変わってもらえませんか?」と尋ねました。そして順番がひとつ繰り上がる度に前の人に向かって、同じように順番を変わってくれることをお願いするのです。その人はそんな調子で先頭までくると、チケットを発券してもらってゲートに消えました。

 その他ほとんどの人たちは、文句も言わず、また言ったとしてもそのまま列に並んでいます。

 この話は昨日の記事に関連して、同じコンサルタント氏から私が聞いた話です。コンサルタント氏曰く、「人間の心理、思考そして行動には4つのパターンがあり、誰でもその4つのうちのひとつに当てはまる。」というもの。

 上の話の中には、既に3つのタイプが描かれています。一つは、ビジネスマンのように、「自らの目的達成のためなら手段を選ばない。周りの人のことなんて眼中にない。注意されても気に留めない。」というタイプ。そして二番目は、最後尾から最前列まで、「人に影響を与え、自分の目的達成のために人を巻き込んでしまう」タイプ。そして三番目は、「ただじっとしている。または、文句があっても我慢する。または文句は言うが行動は取らない。」というタイプだそうです。

 これで3つのタイプが出揃いましたが、コンサルタント氏によれば全部で4つのパターンがあるとのことですから、もう一つのタイプが登場して来なければなりません。

 もう一つのタイプの人間。皆さん、この人間は、一体どこにいると思いますか?一度考えて見て下さい。

 皆さんそれぞれの答えは出ましたか?答えは、そのもう一つのタイプの人間は、既に上の話の中の、どの列のどの場所にもいません。なぜならば、そのタイプの人は、もうとっくに出国審査もすまし、出発20分前の頃は既に「搭乗ゲートで皆さんが来るのを待っている」からです(笑)。不測の事態を予想し、早めに家やホテルを出、出発2時間前には既に空港に到着していたのです。

 以上、「4つのタイプ」の話ですが、皆さんはそれぞれどのタイプでしょうか(笑)。それぞれの胸の内に聞いて見て下さい。

 ところでこの話の真意ですが、それはどのタイプが優れていて、どのタイプが劣っているか、というい「良し悪し」にあるのではありません。誰が良くて、誰が悪い、という話ではまったくありませんので、どうぞ誤解なきようにお願い致します(笑)。今後も記事を改めて、この「4つのタイプ、またはパターン」について考察を続けて行きたいと思っております(笑)。ある状況下においては強みであった性格上の要素が、ある別の状況下では弱みになる、と言うことが多々あります。そしてその逆の場合もあります。要はそれぞれの要素を自ら自覚して、そして様々な状況下で使い分ける、というのが大切になってくるのではと思った次第です。ではまた!

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5 コメント

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意味深ですね (ぐーす)
2009-06-26 01:49:46
この記事を読ませていただいて最初に思ったのが表裏一体(ちょっと違いますね)、両刃の剣(ちょっと近くなった?)、長所は短所、きわめつけがなんとかと天才は紙一重。
バランスとアンバランスや、基本と応用の使い分けなども含まれるかと思いますが、意図的な行動の結果と感情的な行動の結果の両者も存在します。 意図的な行動をとるためにはまず本質が正しく理解できている必要があるということですよね? 前の記事で書かれていた効率と効果も密接に関連している・・・・

これからも精進しなくっちゃ。
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効率と効果を考えてみました (TM)
2009-06-26 08:15:57
日常生活で十分起こりうるシーンであるため、非常に身近で考えやすい好例でした。
善悪や道徳を抜きに、前コラムの「効率と効果」と合わせて考えてみました。

効率的: 強引ではあるがいきなり列の先頭に割り込む(=確実に間に合う)
効果的: 一人づつ順番を代わってもらいながら穏便に前に進む(=間に合わない可能性あり)

結果だけ見ると、割り込んでも・順番に繰り上がっていっても「並んでいる人全員を抜かす」という結果・事実には違いないんですよね。

結果や事実のみを考え感情抜きで行動するのが「効率的」、結果に至る過程と人間感情を考慮して行動するのが「効果的」という感じでしょうか。

実際に「両方」試し、結果を報告させて頂きましょうか(笑)
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ぐーすさん、TMさんへ (佐藤)
2009-06-27 16:47:01
ぐーすさん、TMさん、コメントありがとう御座位ます!

ぐーすさん、「本質を正しく理解する」、おっしゃる通り、私もそう思います。なので、まずは「自らを知る」ことが大事だとそのコンサルタント氏も言っていました。それで、このテストを受けてみて自分を見つめてみろと(笑)。自分理解→自分の中にある要素(素質)理解→状況に応じて意識的に自分が持っている要素を使い分けることができる。とのことだと思います(笑)。

TMさん、是非「両方」試してみてご報告下さい!(笑)
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ほんとに4つかなー?? (taki)
2009-09-14 16:30:44
うーん、このタイプ、全部当てはまるんですよねww

普段はもう搭乗口、
状況を把握出来てない時はただ待つ人、
その窓口が1つの便のみではない確信があればカウンターへ割り込み。
(皆、同じ便ではない場合には個人の事情が優先しなくてはならないため。
契約、仕事のみだけじゃなく、親族の死に目や事故や自分が行かないと関わることに迷惑が掛かる場合や、
人に迷惑をかけても人生で優先される事項など)
割り込みが出来ない場合は、
そこに並ぶ人とネゴを取って優先してもらう。
また、何が事情であれ並んでいることを優先させるような条件に従うのは日本人的道徳感が強すぎw、って思いますが。

あと発券システムがダメなら、飛行機は待つほかないと思うので、ゆっくり待つか、
気分に余裕持って、お茶のみに行くw

もしくは他の航空会社のカウンターで、
早く出る便を探す。
とかですかね。

この心理判断?には「ここをあきらめて、
他の手段を探す。」と言う選択肢がないのが、ちょっと不思議だな、と。

こういう意見言うと、日本人から「日本人ぽくないぞ」といわれてしまうのですけどもwww
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Takiさんへ (佐藤)
2009-09-16 14:27:58
Takiさんこんにちは!書き込みありがとう御座位ます!!

この4つの特性って、みんなそれぞれ持っているそうなのです。4つのうちのある特性がほかの3つよりも強いとか、または弱いとか、というようなことのようです。

また、人って、上のTakiさんのように、状況に応じてその4つを上手く使い分けているそうですよ(笑)。
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