コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

CANAAN(カナン) 第13話(最終回) 「キボウノチ」 感想

2009-09-27 16:23:53 | CANNAN(カナン)(2009夏)

 今回でCANNANも最終回。これまでアルファルドに翻弄されてばかりのカナンでしたが、そのアルファルドにカナンは打ち勝つことができるのでしょうか。最終回ということもあってアクションシーンがとても素晴らしかったです。
 正直観念的すぎてよく分からないことも多かった作品でしたが、見終わった後もう1度見返したくなりました。


 最終回ということでOPなしでスタート。気合を感じました。そのせいか今回は時間の流れがとても長く感じました。濃い30分でした…。
 前回マリアのいる車両と切り離し、そのまま退場してしまうのではないかと思われたユンユンですが、残されたマリアを放っておけなかったのか迷った末に、ユンユンはものすごい勢いで戻っていきます…!素晴らしい走りっぷりでした。最終回もユンユンが光っています。ユンユンすごすぎ。

 でも爆弾の時限装置はここで発動してしまい、マリアはカナンに向き合えないでいたことを謝りながら、その爆発に巻き込まれてしまいます――。OPの意味深だったマリアのカットがここで。あのシーンは散るマリアの運命を示唆するものだったんですね…。

 爆破したのを確認すると、またアルファルドはカナンを挑発してきます。アルファルドはカナンを一体どうしたいのやら…。
 が、マリアが殺されたと思ったカナンの目が変化…。マリアを殺されことで発狂するんじゃないかとも思っていましたが、カナンは怖いくらいに冷静でした…。もう達観しているよう…。アルファルドはそんなカナンに動揺…。恐れを抱きます。

「見るな!」「私を見透かすな…!」
「ただありのままに見つめろ」

 カナンはアルファルドの仕掛けてくる攻撃をあっさりとかわしてしまいます。もはや無我の境地ですね…。ここにきて形勢逆転のようです。今までにない流れになってきました…。

 アルファルドは何を仕掛けても乱れないカナンに動揺…。そんなカナンに何か恐れを抱いてしまいます。そしてアルファルドは色々置いて、また逃げようとしますが…。なんかアルファルドが卑怯くさい…。自ら敗北を認めたようにも見えました。
 でもカナンは逃げようとするアルファルドを追います。

「マリアは死んでいない
 死んでいない、私には分かる」

 カナンはマリアが生きていると信じていました。これも二人の絆でしょうか…。


 で、爆破した列車。なんとユンユンがマリアを救ってくれました!さすがユンユンです!ユンユンはマリアを抱え、病院へ連れて行こうとします。またここの決死の覚悟をしたユンユンがカッコよかったです。

「カナン…私は約束を守る女っす!
 マリアは絶対何とかするっす。
 だからへばったら承知しないっすよ!!」

 
 ここのユンユンの画が凄みがあってすごかったです…。まさかのユンユンの活躍でした。ユンユンがこの作品の良心のように感じます…。
 またマリアは意識がきれる前にカナンへこう思っていました。

「ごめんね、ごめんね、カナン。
 でも私、守られているのではなくて、
 あなたの隣に立ちたいの…」

 マリアもカナンと行動することで、お姫様的なポジションではなく、カナンと同じ場所に立ちたいと願っていました。1話から見ていると、そういうふうに思えるようになっただけでも成長したなと思います。マリアの願いは叶うのでしょうか…。


 マリアについて語るカナン。そこでカナンはマリアは光ではなく友達だと答えを出します。カナンもまた自分の力で立ち上がろうとしていました。そんなカナンをアルファルドは笑い離脱しようとしますが、それをカナンは見逃しはしませんでした。

「行かせない。ここでお前は私が――」
「私が!!」

 それから二人の決闘が始まります――。ここの二人の動きが凄まじかったです。画に関しては今期ナンバー1でした。
 でも心を決めたカナンと、心が揺らいでいるアルファルドとではもう勝負はついたようなもの…。アルファルドはカナンに追い詰められていきます…。でもアルファルドはカナンに抵抗しようとはせず…。カナンもまた抵抗しないアルファルドを殴っていて、白い闇を殴っているようだと感じます。二人の戦いは単なる勝ち負けでは終わらないようです…。

 そしてここでアルファルドはシャムが死ぬ前に自分に言ったことを思い出します――。個人として欲望を持ったなら、その時、孤独にきづく…。アルファルドは今、そのシャムの言葉の意味を理解します…。それはアルファルドの敗北も意味していました…。

 シャムの言葉を理解したアルファルドは諦め、崖に落ちようとしますが、そんな落ちそうになったアルファルドをカナンが助けようとします……。
 で、カナンはアルファルドの色がころころ変わる理由について、ようやく理解しました。どうやらシャムが死んでいた時点で、アルファルドの心は既に死んでいた…ということだそうで…。意外な事実でした。
 でもカナン自身は違っていました。

「私はあの日で終わっていない!」

 カナンはシャムが死んでからも、色々な人と出会い、成長を続けてきました。アルファルドと違い、前に進み続けてきました。今ならファクトリー編の必要性も分かる気がします…。
 そして心を決めたカナンはアルファルドへある命令をします――。

「生きているものとして命令する。
 お前をこれ以上死なせない!」

 それはアルファルドをこれ以上死なせないというもの…。珍しくカナンが熱いです。カナンもまたアルファルドにまだ進んで欲しいと思ったのかもしれません…。二人の戦いの行方はどうなるのでしょうか。


 後半。それからカナンはアルファルドへ今の自分の思いを語っていきます。その中でアルファルドは自分のことに気づきます…。囚われていたのは自分だと。これまでシャムから言われたことを否定し続けていたアルファルドでしたが、それもそういうことだったのかもしれません。蛇の組織を作った理由に関してもそう語るアルファルド。アルファルドが作った蛇の組織もアルファルドの自己満足でしかなかったのかも…。となると前半って…。

 すべてを悟ったアルファルド。アルファルドはそれからカナンに向かって銃を撃とうとします――。ここは一瞬ヒヤりとしました。でもアルファルドの狙いは違っていて、なんとその後、銃口を自分の腕に向けてしまいます…。その腕はシャムと同じ蛇の刺青が彫られた腕…。アルファルドはこれで自分の過去を決着をつけようとしたのかもしれません。そう考えると凄まじいものが…。
 そしてアルファルドは谷に転落していきます――。カナンの元に片腕を残して…。二人の決着は何ともいえない結末を迎えてしまいました…。一応今も前に歩み続けているカナンが勝者にも思えますが、やっぱり勝ち負けとかはないのかもしれません。とりあえずお互い自分自身に向き合い、答えを出せたようなのでよかったです。


 マリアの夢。そこではマリアとカナンがあやとりをしていました。でもその中であやとりがこんがらがり…。そんな中カナンはこう呟きます…。

「もう元には戻せないよ」

 その言葉にはっとするマリア――。別れのような言葉でした。
 で、マリアが目が覚めたのは病室。どうやらユンユンがあれからまた必死に頑張ってくれたようです。どうやらユンユンがマリアを抱えて歩く中、そこにまたまた車で帰ろうとしていた御法川に拾ってもらったらしく…。できすぎていたような気もしますが、2人が無事で何よりでした。
 面白かったのはユンユンはその時、自分が死んでいたと思い込んでいたということ…。最後の最後までユンユンはユンユンでした。しかもその後マリアを御法川にたくし、空腹で気絶…。ユンユンらしいです。で、ご飯を食べたらバイトに出かけてしまったとか…。たくましすぎます。
 カナンはあれから消息不明。携帯番号も変えてしまい、連絡もつかないそうで。御法川は結局一緒に行動したのに、何も分からないままだったと寂しそうに呟きます…。
 カナンはマリアを守るために、マリアから離れていきました…。確かにこれからもカナンが闘争代行人を続けていくとなると、またマリアを巻き込む危険性も出てくるわけで…。カナンの判断はある意味では正しかったのかもしれません。
 でもカナンの隣に立ち続けていたいと思っていたマリアはそれを悲しく感じます…。でもここで御法川がマリアにアドバイス。

「だけど、寄り添うことはできるだろ」
「そう、心だけ寄り添うことが…」

 御法川、最後の最後でいいことを言いました…。それが結局二人の関係の理想なのかもしれません。
 橋を歩くカナン。カナンもまたマリアのことを思い出します。そして自分がマリアを危険に巻き込んでいることを気にして、結局マリアの元に戻ることなく、その場を後に――。

「離れていたって分かるから…」

 二人が一緒にいられなくなるのは寂しいですが、これからも考えると、これでよかったのかなという感じはします。こうしてまたカナンは闘争代行人に戻っていきます…。


 御法川、マリアが上海から日本に帰国する日がきました。ユンユンの薬はマリア父により、複製できるそうで安心。気がかりがひとつ減りました。ユンユンはバイトが忙しくて見送りにはこれなかった様子…。そしてここでタクシードライバーのおっちゃんの出番が!また出番があると思っていなかったので嬉しかったです~。
 しかもラジオからユンユンからの曲のリクエストが!ニクい演出です。アイドルは普通の人間でしたね…。色々もったいないキャラだったかも。
 マリアは挿入歌と共に上海のことを振り返っていきます。

『周りを凄いっていって思うだけじゃなく、
 自分が凄くならなくちゃって。
 皆それぞれ、一生懸命でだからこその輝きで。

 凄いこと、
 普通じゃない手の届かないことなんて、
 本当はどこにもないのかもしれない――』

 常にカナンの隣にいたいと焦っていたマリアでしたが、数々の出来事を経てマリアはマリアなりの答えを見つけることができたようです。最後まで変わらなかったらな…と思っていましたが、マリアも成長できたようでよかったです。
 
 バイト中のユンユン。ユンユンはいつも元気ですね…。ユンユンが見送りに行かなかったのは自分の意思でした。

「マリア、お別れの言葉はなしっすよ。
 きっとまた…」

 最後までユンユンが眩しかったです…。ユンユンのおかげでここまで暗い気持ちにならず、見てこれたと思います。どうやら上海は今日も賑やかなようです。マリアはそんな上海での日々を大切に感じます。

『この街で出会った人を忘れない
 この街で感じたことを忘れない
 忘れない…』

 ここから他のキャラのその後が明らかに。なんと死んだと思われていたカミングズは仏門に~。まさか僧侶になるとは…。意外すぎでした。カミングズはリャンのことが本当に大切だったんですね…。生きていて安心しました。

 アルファルド(と思われる)も片腕を失いながらも生きているようでした。髪をおろしているのが新鮮でした。次は何をしでかすのやら…。

 カナンはいつものように仕事。

「あれ、あたしのだ…」

 というセリフが気になったり。1話の時と違い、カナンは笑顔。やっぱりカナンは笑顔の方が似合っていると思いました。


 マリアは日本に帰国してから写真の展覧会を開いていました。なんか特徴ありそうなキャラが結構いましたけど、ゲーム絡みでしょうか。
 上海での写真と一緒に、カナンの写真も展示してありました。今思えば上海では色々ありました…。
 そして最後にはカナン、そしてアルファルドの写真が――。

『カナンは生きてる。
 その命は激しく輝いて、
 この目で直接見るには眩しすぎて…

 でも目がつぶれそうになっても、
 私は見つめることができたと思う。

 それはきっと、普通の女の子の物語……』

 カナンだけなら頷けたと思うんですが、アルファルドと並んでいると迷ってしまったり…。写真のタイトルは「CANNAN」。なんか上手く繋がって終わったようです。
 1話からしばらくマリアはただカナンに依存し、カナンに守られているお姫様という感じがしましたが、最終回を迎えた今、マリアは自分自身の力で歩き出すことができました。マリア、カナン。二人がちゃんと成長できて終わってよかったと思います。またいつか会える日がくることを祈ります。
 ここで話は終了。OPテーマにのってテロップが流れていきました。

 でもED後にも続きが。カナンはあれから夏目と仕事を続けていました。夏目って一体…。さりげにカナンがポニテでよかったです。
 で、次のカナンのターゲットは片腕の女…。

「了解」

 カナンとアルファルド、二人の髪型が逆になっているところが面白かったです。どうやら二人の戦いはまだ終わらないようですね…。アルファルドとの次の戦いを思わせるところで「CANNAN」は幕を閉じます。


 最後に感想まとめを。毎回作品自体は画もはじめクオリティが高くて見ごたえがありました。特に前半。前半は上海という街もよく描かれていて毎回楽しみでした。能力者同士の戦い・テロ話も今思うと面白かったです。

 でも後半に入ってからはどうも観念的・暗過ぎて、正直1回見ただけだとよく分からないことが多かったです…。後半にいくほど難しくついていけず、感想を楽しんで書けなくなることもありました。そのため毎回感想を書くときは他の作品より悩みました…。観る人を選ぶ作品だったのかな…と思います。
 結局蛇の組織も後半を見ていくとアルファルドのひとりよがりなものでしかなかった気がしました。上海でのテロの話では蛇の組織すごいなとか思っていたんですけどね…。

 キャラの方はとにかくユンユン・御法川・リャン・カミングズが良い味を出していたと思います。ワキ役がいてこの作品は成り立っていたと感じます。他のキャラはやっぱり気持ちが定まるまで時間がかかってちょっと…。特にカナンが回によっては空気になってしまうのが気にかかりました。もっとカナンの活躍はあってよかった気が…。

 と、1クールの作品ですが、良い意味でも悪い意味も含めて2クール並の長さに感じました…。1クールでちょうどよかったと思います。
 今回を見ていたらまた1話から見返したくなりました。…ファクトリー編以外。ファクトリー編は見ていて本当に怖かったです…。とにかくOP、アクションシーンに関しては今期ナンバー1だったと思います!


 では1クールお付き合いありがとうございました~。

 



5 コメント

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Unknown (みゆ)
2009-10-04 13:09:05
カミングズが出家してた。
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コメントありがとうございます! (ソウキ)
2009-10-06 23:50:59
みゆさんコメントありがとうございます~。
カミングズ出家は意外でしたよね…。まさかこうくるとは思っていなかったです。リャンへの想いは本物だったようで…。1話の時点ではまったく予想していない流れでした。
ではでは~。
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Unknown (みゆ)
2009-10-08 22:57:54
こんにちわ。上のコメント、私が書いたんです。多分、2つ同時に打っちゃったんだとおもいます。すみませんでした。
えー・・13話見ました。opなかったんで、「ああ、最終回だ・・・ほんとに終わっちゃうんだなー」と思いました。
マリア、マリアアアアアアアア死ぬなあああああァとか思いながら序盤見てました。そしたら爆発してしまいました・・・。死んだの?それとも生きてる?とか思いながら。
一方、カナンとアルファルドの場面。ここも鳥肌が立ちました。挑発されているのにじっとアルファルドを見つめるカナン。取り乱すアルファルド。ここでも戦闘シーンが。やはりいつ見てもかっこいいですね。ここで一応決着がついたんでしょうか。
・・・まあ、残る謎は多いですが、また後で見たとき何かわかるかも。ということで、また最初っから見ます。もうすぐ中学に向けての勉強が始まるので、あんまりひまはありませんが、できるだけみたいです。最後までカナンもマリアもかわいかったです。
2期あればいいなあ。♪
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Unknown (みう)
2009-10-09 08:37:23
すみません。また間違えました。ほんとにすみません上の2つ、私が書きました。今度から絶対気をつけます。みうです。やっと13話まで見たので、コメ書いてないところ思い出しながら書きます。
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コメントありがとうございます! (ソウキ)
2009-10-16 00:09:17
 みうさんコメントありがとうございます。あまりお気になさらず~。とりあえずここでまとめてコメ返しさせて頂こうと思います。

 10話は本当暗い展開が続きましたよね…。この回のリャンは確かに色々やりすぎたと思います…。まあその後の回で報いを受けたようなのですっきりしましたが、この回も思い出すと鬱になりますね…。

 12話はこれまでの数話より明るめでよかったです。よく分からない話もありましたけど…。カナンが本当にアルファルドに打ち勝てるのか気になっていました。最終回は本当意外だらけで驚くばかりでした。

 ではでは~。
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