今回はルルーシュが失意の底に落ち、そこからどう立ち直るかという話。途中のルルーシュの落ちぶれようにはちょっと見ていていたたまれなくなってしまいました。そんな中での生徒会メンバーとのやり取りが良かったなと思いました。ギアスにしては珍しい感じが…。
始めは前回のあの後のルルーシュの様子。ルルーシュはあの後気を失い自室に運ばれていたようです。そしてその傍らにはロロが。ロロはルルーシュに付き添っていたようです。それからルルーシュはロロに寝ている時、何か言っていたかと聞きます。ロロはふとルルーシュが寝ている時「ナナリー…」と寝言を言っていることを思い出しますが、ロロは何も言っていなかったとごまかします。今のルルーシュを見てロロが何を思うか気になるところ。
目を覚ましたルルーシュは学園に。ルルーシュはぼんやりしながら、
『ナナリーが望む世界、ナナリーが選ぶ明日。
しかし、それには俺が…ゼロが邪魔だ。
ナナリーの身の安全は保障されている。
ブリタニアの正規軍と、スザクがいる。
最悪の敵だが、それだけに信じられる。
そう、かって俺が望んだとおりに、俺が守ってやらなくても……』
と、自分はもうナナリーに必要とされていないと自覚します。ナナリーの傍らにはスザクがいてナナリーを守ってくれる、とルルーシュは感じショックを受けている様子。その後ろでは生徒会メンバー達が修学旅行の話をしていましたが、今のルルーシュには聞こえません。
そんな中、学園の放送でエリア11新総督の就任挨拶があると生徒を講堂に集合させ、TV中継でそれを見ます。これを険しい表情で見つめるルルーシュ。画面にはナナリーが映っていました。ナナリーを見る生徒会メンバーはやはりナナリーを知らない様子。ちょっと寂しさを感じます。黒の騎士団の面々もナナリーを見て複雑な様子。
そして始まるナナリーの演説。ナナリーは臆することなく、堂々と自分の考えを皆に伝えます。
「私は行政特区日本を、再建したいと考えています。
行政特区日本では、ブリタニア人とナンバーズは平等に扱われ、
イレヴンは日本人という名前を取り戻します。
かって特区日本では、不幸な行き違いがありました。
目指すところは、間違っていないと思います。
等しく、優しい世界を――。
黒の騎士団の皆さんも、どうかこの特区日本に参加して下さい。
互いに過ちを認めれば、きっとやり直せると、
私は、そう信じています」
これを聞いたスザクは驚いた様子に、そしてイレブンはこのナナリーの言葉には猛反発。
「口にするだけでも、はばかられるものを!」
「また騙すつもりか?」
国民は皆かって自分達を集め虐殺したユーフェミアを「虐殺皇女」と呼び、この提案に激しく反対の姿勢を見せます。黒の騎士団も今更だと反意を抱きます。まああんなことがあってはこれはまあ当然の反応だと思います。あんなことされたら…。あの話に関しては今思い出しても鬱になります。ユーフェミアは本当に気の毒でした…。
このユーフェミアの演説の途中、ルルーシュはこのナナリーの言葉を聞いていられなくなり、苦い表情でその場から逃げるように去っていきます…。ルルーシュはやはりナナリーのことを振り切れないようです。ロロもまたルル―シュが出て行っていくのを見ます。
一方演説が終わった後のナナリー、スザク。スザクはナナリーの提案には驚いたと言います。そのスザクの言葉にナナリーは不安があるのかスザクにこう聞きます。
「スザクさん。ユフィ姉様がやろうとしたこと、
間違ってはいませんよね…」
ナナリーは皆にああ言ったものの、心の内では不安を抱えている様子です。これにスザクはこう答えます。
「間違っていたのは、ユフィじゃない」
この答えは確かに合っていますね。あれはギアスの不幸な事故によるものでした。果たしてこのナナリーの行政特区日本は今度はどうなっていくのでしょうか。
ナナリーに今まで自分のしてきたことを否定されたルルーシュは
『もう、いらないんだ、ゼロも、俺の戦いも…』
と、自暴自棄に。ルルーシュは今までナナリーの為にやってきたのにと落ち込むばかり。カレンから着信があったものの、ルルーシュは携帯を壊し外へ捨ててしまいます。ルルーシュは繋がりを切って、ゼロという仮面を捨ててしまおうとします。
それからのルルーシュの行動はというとただただ意味不明。電車でむやみにギアスを乱発して、TVに映るナナリーを見ないようにしたり、路地でリフレインを奪う為に貴族・チンピラに「腕立て伏せ」「踊り」「スクワット」「遠吠え」「拍手」を命じ、その場をカオス状態にしてしまいます。ここはもうシュール以外言葉が思いつきません…。このチンピラ達はもうずっとこれをするのだと思うと気の毒に思えてきます。
と、ルルーシュはもう何と言うか……すっかり落ちぶれてしまいました。ここのルルーシュは本当に見ていて、いたたまれない気持ちになってしまいました…。ルルーシュの笑い声が滑稽に感じます。
一方船の黒の騎士団。黒の騎士団の面々は行政特区日本には誰も参加しないだろうと確信しており、それからこれからどう動くのか考えようとします。しかし残るナイトメアは紅蓮弐式1機、それにゼロがいないのでは何もできないと手詰まりになります。
と、そんな中そこに神楽耶が話に入ってきます。相変わらずゼロを夫と呼び、ぶっとんだ発言をします。流石は皇族というべきなんでしょうか。
それから神楽耶はカレン、C.C.を見て、何故かお礼。カレンはこれに当惑しますが、C.C.は余裕です。神楽耶はC.C.、カレンの手を3人で合わせて結団しようとします。と、ここで神楽耶があることに気付きます…。
「ゼロ様を支える三人の…あっ、私達三人官女ですね!」
まあ神楽耶らしい発想でしょうか。こう女性3人が揃うというのも楽しそうでいいかもしれません。
その後C.C.がマリアンヌと交信するシーンが。C.C.は、
「ここに戻らないなら、それでもいい。
私にとっては、あいつが生きていることが重要だ。
…まさか。ゼロをやめるだけなら簡単だ。
そんなロマンティックな話じゃないさ。
しかし、このままでは黒の騎士団もおしまいだな。
あっ、ナナリーのためのゼロ。
ルルーシュはそう言っていたよ。
マリアンヌ…」
とマリアンヌへ報告します。しかし1期からですが、マリアンヌが死後どうなっているのか謎は深まるばかりです。とりあえずルルーシュ達を助けることはできない状況みたいですが…。
一方ブリタニアの病院。ここではギルフォードがセシルにお見舞いをされていました。セシルのサンドイッチの具が怖すぎです…。ロイドがこの時ばかりは気の毒に感じました。
スザクもちょっと前まではここにいたようですが、黒の騎士団を追い詰めるために出て行ってしまったようです。これはまたスザクがウザクと呼びたくなる予感が…。港に立つスザク。スザクは作戦前、行政特区日本を再建するというナナリーの演説を思い出します。
『ナナリーは僕の嘘に気付いているかもしれない。
でも、それでもユフィの遺志を継ぐと言ってくれた。
そのためなら、僕も――』
ここはもう何だかスザクの考えが間違っているような気がしました。スザクはやはりナナリーにユーフェミアの影を重ねているようですね。これはナナリーのことを考えると、とてもよくないことのように思います。ここはルルーシュに何とか言ってほしいなと思います。
一方ナナリーはブリタニア皇帝とモニターごしで会話。何だか恐ろしい対面です…。でもブリタニア皇帝にとっても、
「ナナリーよ。何ゆえ志願した。
ゼロの復活した、エリア11の総督に…」
とちょっと予想外の様子。そんな皇帝にナナリーはまた堂々と自分の考えを皇帝に伝えます。
「私はずっとお兄様に守られて生きてきました。
今は行方知れずということですが、
きっと私のことを見てくれているはずです。
だから私は、お兄様に見られて恥ずかしくない選択をしたいのです」
あの皇帝を前にしても怯まないナナリーがちょっとすごいなと思いました。ナナリーは確かに強い子であるようです。このナナリーの言葉にブリタニア皇帝は何を思うのでしょうか。そしてナナリーがゼロの正体を知る時が気になります。
すっかり落ちぶれたルルーシュ。ルルーシュは黒の騎士団が始まった倉庫で、気を紛らわせるために奪ったリフレインを注射しようとします。と、ここでカレンが現れます。カレンはルルーシュに、
「やっぱりここにきたのね」
と声をかけます。そしてルルーシュがリフレインに逃避しようとしているのを見て、カレンはリフレインを壊します!そういえば1期でもリフレインの話はこの話数辺りにありましたね。1期との連動具合は見事だと思います。それからカレンはルルーシュを立ち直らせようと言葉をかけます。
「一度くらい失敗したくらいで何よ!
また先々考えて取り返せばいいじゃない!!
このカレンの強気な言葉にルルーシュは―
「だったら…俺を慰めろ。女なら、できることがあるだろう?」
と、最低なことを言い、カレンにキスをしようとします。ルルーシュ、すっかり落ちぶれています…。でもここは画効果でドキドキしてしまいました。カレンはこのルルーシュの行動に動揺しますが、
「ああ…ダメっ!」
と思い切り、ルルーシュの頬をひっぱたきます!ここはカレンの強さを感じました。それだけにルルーシュの落ちぶれようが引き立ってしまったわけですが…。
その後、カレンはルルーシュへしっかりするようにとルルーシュを説得しようとします。
「しっかりしろ!ルルーシュ!今のあんたはゼロなのよ!
私達に夢をみせた責任があるでしょう!
だったら…最後の最後まで騙してよ!
今度こそ完璧にゼロを、演じきってみせなさいよ!!」
ここまで言った後、カレンは涙を耐え切れなくなり、走り去っていきます…。カレンはよくやったと思います。でもルルーシュを立ち直させる言葉としてはちょっとどうなんだろうと思ったり…。
一方残されたルルーシュはまたどん底に…。と、ここですべてを見ていたロロが登場。ルルーシュは始め驚いた様子を見せますが、平静を装うとします。が、ロロはここで甘い言葉をルルーシュにかけます…。
「いいじゃない。忘れてしまえば。」
「えっ…」
「辛くて、重いだけだよ、ゼロも、黒の騎士団も、ナナリーも…」
「違う!ナナリー…」
「ナナリーの為にもなる」
「うっ…」
「ゼロが消えれば、エリア11は平和になるよ。
兄さんもただの学生に戻って、幸せになればいい」
「しかし……」
「何がいけないの?幸せを望むことが。誰も傷つけない。
今ならすべてをなかったことにできる。
大丈夫。僕だけはどこにもいかない。
ずっと、兄さんと一緒だから……」
ここでロロ来たか…という感じが。ロロもやる時はやるキャラのようですね…。黒いです。でも兄想いなロロがちょっとロロが好きになってきてしまいました。
一方黒の騎士団の船。カレンはゼロの仮面を見つめますが、ここでC.C.はカレンにその仮面をつけることの重さを語ります。その仮面をつけるには世界を背負う覚悟をしなくてはならないようです…。もうこれはルルーシュにしか背負えないようです。
と、ここでスザク率いるブリタニア軍が襲撃してきます!この急な攻撃に戦力不足な黒の騎士団はなすすべがなく、攻められる一方に―。ルルーシュが来なければこのまま黒の騎士団は終わってしまいます――。
ロロの甘い誘惑を前に言うことなく、ただ学校へ帰ってきたルルーシュ。が、学園には修学旅行で皆出払っていて、ルルーシュは寂しそうな様子を見せます。
と、ここで花火が撃ち上げられ2人は驚き、屋上へ。そこにはミレイ、シャーリー、リヴァルがいました。3人は、
「ルルーシュもやろうよ。文化祭で使ったのの余り!」
「どうして?修学旅行は…?」
「俺達だけでいっちゃったら、泣くでしょ、君」
「旅行なんてのはね、
どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなのよ」
とルルーシュのために残ってくれました。良いメンバーですね…。そしてルルーシュはシャーリーの持っていた折鶴を見て、過去のことを思い出していきます。ここからはルルーシュのモノノーグが続きます。「幸せに形があるとしたら、それはどんなものだろう」という問い。それにルルーシュは幼い頃の3人での会話を思い出して、
『そうだな…それはスザクが言っていたように
ガラスのようなものかもしれない。
だって、普段は気づかないから。
でも確かにそれはあるんだ。
その証拠に、ちょっと見る角度をかえるだけで
ガラスは光を映し出す。
そこにあるのだと、どんなものよりも
雄弁に存在を主張するから……』
と思います。ここの幼いルルーシュ・スザク・ナナリーのカットが良かったです。あとルルーシュの表情、ガラスの描写も暖かさがあって好きです。ギアスでも暖かいシーンが見れるとは思わなかったです。
そして過去を振り返ったルルーシュは、ナナリーが折鶴へかけた願いを思い出します。それは…
『優しい世界でありますように』
というナナリーらしい願い。それを思い出したルルーシュは、
『そう、優しい世界はこんな近くに…。
偽りの記憶に汚されてもなお、透明なガラス色で、
いつまでも、ずっと、ずっと……』
とニーナ、スザク、ナナリーがかって生徒会メンバーにいたことを思い出し、優しい世界はすぐそばにあったと知り、涙を流します――。ここは何だか暖かい気持ちになりました。
そしてルルーシュはそれを知り、
「みんな、またここで花火をあげよう。
絶対、絶対に、もう一度、みんなで…」
と皆でまた過ごす日を取り戻すために、また戦い続ける決意をします。
『そう。俺の戦いは、もう、ナナリーだけじゃ――』
もうルルーシュの戦う意味はナナリーだけでなく、皆のためにも。でも戦う意味が皆のためにというのは暖かく見えますが、何か違う気が…。もう少しルルーシュの内面を描いて欲しかったような気がします。
そして防戦一方の黒の騎士団。もう投降するしか後波はありません。すっかり作戦を成功させた気でいたスザクでしたが、ここでルルーシュが遠くから黒の騎士団へ指示を出してきます!そのルルーシュの表情にはいつもの戦意が。ルルーシュはまた立ち上がります!
それからはもうルルーシュのペースに。そしてルルーシュの作戦は見事に成功!これによりブリタニアは危機に陥ることに。と、そんな戦場にヴィンセントに乗せられ、ゼロが現れました!何だか今回のゼロの動きは見ていると笑いが…。スザクはゼロがここに現れたことの意味を感じ、
「これが、お前の答えなのか!?」
と呟き、ゼロへ銃を向けます。でもゼロはそんなスザクに驚くべき言葉を告げます――。
「撃つな!撃てば君命に逆らうことになるぞ」
「何?」
「私は、ナナリー総督の申し出を受けよう。
そう。特区日本だよ」
ゼロはナナリーの提案した行政特区を受け入れると宣言!これには黒の騎士団の面々も驚きを隠せません。でもゼロはあくまで本気。今回最後はゼロの命令で終わります。
「ゼロが命ずる!
黒の騎士団は全員、特区日本に参加せよ!」
ここはルルーシュの目が見えなかったのが少し残念だったような。こうしてルルーシュはまた立ち上がり、ゼロの仮面を被り戦うことを決めました。
今回はちょっとルルーシュの立ち直る過程にはどうかなーと感じる部分もあって、そこに関してはちょっと複雑です。あれでルルーシュが本当に立ち直るとはちょっと思えませんでした。でも生徒会メンバーに暖かさを感じるシーンは良かったなと思いました。ギアスで日常の温かみを感じるシーンはあまりないのもあるので。また皆が揃う日は来るのでしょうか…。
次回は「百万 の キセキ」ナナリーの提案する行政特区日本に賛同を表明したゼロが一体何を考えているのか気になるところ。今はかっての悲劇を繰り返されないことを祈るばかりです…。ナナリーにはああいう運命は辿ってほしくはないと思います。ナナリーに関してルルーシュがどう対処するのか注目して見ていきたいと思います。タイトルの百万のキセキという言葉がポイントになりそうです。
今回はロロの言葉にちょっとやられてしまいました。何だか黒さを見せてきたロロの動向も気になるところです。この先ナナリーを暗殺しかねない予感が…。
ではまた来週に!