コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)#130 モーニング41号 感想

2009-09-13 00:24:23 | GIANT KILLING (原作感想)

 前回から引き続き、今回も石浜移籍話の続き。1回は断る決心をした石浜ですが、どうやらまた揺らいできたようで…。これはどっちに傾くのか分からなくなってきました。石浜が下す決断が気になるばかりです…。
 今回は最後の達海の一言にグッときました。達海はフットボールに対し、常に真摯に取り組んでいることがよく分かりました。やっぱりジャイキリのこういうところが好きだなぁと改めて思いました。


 どうでもいいですが、今回のモーニングは表紙の上だけ見ると色合いが前号と一緒で、購入しようとした際、「これ前の号?」と一瞬勘違いしそうになりました。よく見るとキャラが違っていたことが分かり安心しましたが、焦りました…。並べられて売られていたらきっと混乱したと思います。でもさすが井上さん…素晴らしい筆さばきでした。


 最初はETUの山井達、番記者達の様子から。久々に藤澤さんも登場です。東京V戦の時どうしていたのか気になっていたり…。どうやら記者達も石浜の移籍話が気になっているようです。記者達は石浜が出て行ったらETUにとっては戦力ダウンだと、移籍は普通に考えてないだろうと見ていました。でも達海のことだからどう出るか分からない部分も…。達海が考えていることはいつもさっぱりです。

 ETUは練習場で練習試合。練習試合ですが、皆気合が入っています…。その中で清川にチャンスが回ってきます!なんかいつもの清川以上に一生懸命に見えました。いつもはもうちょっと気が抜けた表情をしていたような。清川にも石浜の移籍話はかなり影響を与えているようです。
 そして対する石浜も清川と真っ向から戦おうとします――。

『来い 清川(キヨ)! 勝負だ!!』

 石浜も石浜で感じるものがあるのかもしれません。で、いつものように清川をとめようとする石浜でしたが、その時石浜はいつもの清川とプレイしている表情が違っていることに気づきます…。

『こいつ……
 こんな顔してたっけ……?』

 一瞬戸惑う石浜。石浜は清川をどこか遠くに感じます…。清川だけでなく、石浜も…。
 で、清川はその後ループシュートでゴールを決めます!これにはFWの夏木・世良もびっくり。2人もうかうかしていられないですね~。清川自身もこのゴールに気をよくします。
 その後いつものように会話を交わす清川・石浜の2人でしたが、その後石浜は清川との実力の差に愕然…。意外な流れになってきました。今度は石浜が悩むことになるとは…。でもこういう局面ってたまにあったりするんですよね。急に周りとの差に気づいたり…。これも試練なのかもしれません。
 そんな石浜の様子に達海も気づいていました…。達海にもどうやら何か思うところありました。一度は終わったと思った石浜の移籍問題ですが、まだ終わっていないようです。なんか力をつけるために移籍とかいう展開もありえそうになってきましたね…。


 一方後藤はそのことに関して記者に囲まれますが、石浜を出す気はないとはっきり答えて、そのうち公式に発表すると伝えます。
 その話を聞き、動きを見せたのが藤澤さん。藤澤さんは石浜がチームメイトにどう思われているか興味があるようでその中の何人かに話を聞くことにします。
 まずは石神。同じポジションでありライバル関係にある石神ですが、石神は迷うことなくこう答えます。

「石浜? そりゃ残って欲しいよ
 同じポジションだけどさ

 ライバルっていや
 そりゃ そうなるけど……
 まあ――
 あいついい奴だからね」

 迷いなくそう言える辺り、石神もまたいい人なんだろうな~と感じました。石神の好感度がまた上がりました。

 次は黒田&杉江。黒田は石浜について何だか偉そうに「俺の子分」だと言い、黒田軍団の一員としてこれからも期待しているといいます。黒田軍団なんてあるの初めて知りました~。それに対する杉江のツッコミ「そーなの?」も面白かったです!やっぱり黒田のツッコミは杉江にかぎります。多分メンバーには椿も組み込まれているんでしょうね…。今後の黒田軍団の動向もある意味で楽しみです…。

 最後は何故か赤崎。赤碕もまた黒田同様、何故か上から目線でポカはやらかすものの、自分が上手くやればまだ伸びると答えます…。何様だと言いたくもなりますが、まあ赤碕なりに石浜のことは認めているんでしょう、多分…。ここでも杉江同様、世良のツッコミがいい感じで面白かったです~
 。に、しても今回のキャラ紹介の赤崎の欄、どこか憎めない奴というのは何か違う気が…。赤崎は何と言うかツンデレのデレがないキャラなんじゃないかと思います…。今後変わる時がくればいいんですが…。

 話を聞き終えた藤澤さんは皆の答えに満足した様子。で、こう結論を出します。

『石浜は随分……
 チームメイトに愛されているのね……』

 藤澤さんは選手皆が石浜を慕っていると知り、そして石浜はETUで必要とされている選手で、石浜にとってもこのクラブが何不自由ない場所だと考えます。傍から見てもETUにとっても、石浜にとってもメリットがあるとは思えないこの移籍話…。ここまで読んでいると移籍しなそうに思えました。


 そして練習試合後、いよいよ石浜と達海の話し合いが。部屋で待つ石浜の元に、達海がやってきます。今回達海が食べているのはスイカバー!話の進行に合わせてどんどんなくなっていっています。上手い演出です。
 一見いつも通りマイペースな達海…。対して石浜はやっぱり緊張しているようでした。で、達海は早速自分の考えから話したいと、話を始めます。
 まず達海はホワイトボードに甲府の布陣を書き、

「これが今の甲府の布陣
 出る選手によって変わったりもするけど
 基本はこのフォメーションだ」

 と、あっさりとそう告げ、甲府のフォメーションについて詳しく説明していきます…。前回達海が部屋にこもって見ていた映像というのは、石浜の映像ではなく、甲府の試合だったんですね…。しかも石浜のためだけに何試合も……。ここに達海の本気を感じました。
 達海はその甲府がやっているサッカーが「パスサッカー」だということと、そのフォメーションの欠点についてもさらりと説明していきます。

 それから達海はその甲府で石浜にどういうことが求められているかも教えます。それは状況に応じた判断力・仲間同士のコミュニケーション・ハードワークなど様々なもの…。しかもSBの石浜には更に多くのことが要求されてくるようです。
 に、してもここまで分析しているとは…達海は一体どれだけの時間を費やしたんでしょうか…。達海はサッカーに対してはとにかく一生懸命なんだと改めて感じました。

 そして達海は話をこう締めくくります。

「今の時代……
 SBはかなり重要視されているポジションだけど
 中でもこんだけ人が動く戦術の中でSBやるってのは……

 間違いなく
 やり甲斐はあるんじゃない?」

 ETU全体にとって必要とされていることは間違いない石浜。それでもこう甲府への選択肢を示す達海。これは達海が選手と公平な立場でいたいと思うからなのでしょうか。
 が、達海は、

「でも大変だよ」

 と、移籍後のことに関しても心配していました。その後もどういうことが大変なのかということを事細かに石浜に説明していきます。移籍への選択肢だけでなく、移籍後のことも考えているなんて…。サッカーの裏のことについて私はあまりよく知りませんが、よっぽどその選手のことを大事に思っていないと考えられないと思います。達海にとっても石浜は大事な選手だということは確かなようです。
 またこの辺で食べ終わったアイスの棒を投げていました。話の終わりも近いということを示しているのでしょうか。読むたびニヤりとしてしまうシーンです。

 石浜もその達海の熱心な話を聞いて気持ちが揺らいできます。どうすればいいのか揺らぐ石浜に達海はまたアドバイスをします。

「まあチャンスは十分あると思うけどね

 今季の甲府の試合 大体見たけど……
 お前ほどフィジカルに恵まれてて
 スタミナもある奴はいないよ」

 ここの達海のセリフからも、達海がどんなに石浜を必要としているのかが言葉の端々から伝わってくるようでした。なんといってもさらりと大体の試合を見たと自然に言えるのがすごいな…と感じました。
 その達海の言葉から、

『試合見たって……
 監督……
 俺のことで
 わざわざそこまでしてくれたのか……?』

 と、石浜は改めて達海の存在を意識します…。石浜も達海がどれだけ自分のことを必要としてくれているのか理解しつつありました。

 その後達海は、今石浜にとって必要なことを述べていきます。それもまた、ちゃんとその選手のことに関して一生懸命考え抜かないと出てこない答えばかりでした。

「どちらにせよ
 お前の課題は決まっているよ 石浜
 お前に必要なのは戦術理解度を高めることだ」

 これ以降も石浜の今後の課題について話が続きます。フットボールをもっと深く知らなくてはいけない、まだ動き・余裕がなさすぎると、どれも的確なものでした。確かに試合を見ていると油断している時が多かったような。とにかく達海がこれからのETUの戦術に石浜を組み入れようと考えていることが分かりました。

 話の締めくくりに達海は石浜へこう自分の考えについて語ります。ここからが今回の本番です――

「わかる?石浜
 俺はお前のそういう所をよくしたいわけ

 だから外からゲームを見せてる
 それはお前が伸びるって確信があるからだ

 今お前はやれないから
 ベンチにいるんじゃねえ

 これからやるために……
 後半戦で爆発してもらうために
 ベンチに入れてんだ」

 いつもとは違う達海の熱心に思いを語る姿に、初めて読んだ時は呆然としました…。今までの達海にはない、真摯な姿に心打たれました。そんな達海のセリフが眩しく感じられました。
 あと石浜が試合であまり出番がないわけに、ちゃんと理由があったのも驚きでした。いつから仕込んでいたかは分かりませんが、達海にはちゃんとプランがあったんですね。達海が選手皆を大事に考えているということが分かりました。この辺のコマ割りの流れもとてもよかったです。

 そして今回は達海のこの一言で終わり――

「だから
 残ってくれないか?
 石浜

 俺のやりたいフットボールに
 お前の力は必要なんだ」

 こんなことを言われた日には…!達海の何か訴えかけるかのようなその表情に、読んでいる時はドキドキしました。もうこれはトドメですね…。こうセリフを書き出す時も手が震えました…。ジャイキリを読んでここまで気持ちが高ぶったのは久しぶりだったかもしれません。久々にジャイキリ名言がきたなという感じがしました。しばらくはこのセリフでやっていけそうです。やっぱりジャイキリは良い作品ですね…。

 達海に自分が本当に監督に必要にされていると知った石浜…。一体石浜はどんな決断を下すのでしょうか。心臓がやけにバクバクしてきたところで次回へ続きます。


 次回気になるのはやっぱり石浜の下す決断ですね。今回最初には清川との実力の差に唖然としていたり、その後には達海からの熱心な誘い…。きっと今の時点では移籍の確率は半々だと思います。
 その中で達海がはっきりと石浜を必要としていると告げたことは大きいポイントになると思います。監督にここまで言われたらやっぱり気持ちが傾いてしまうのではないかと…。達海の元にいても出場する機会はシーズン後半戦で増えそうですし、達海の分析からして成長の余地もありそうなので、残留する可能性は高そうです。
 でも清川とのシーンを見ると、清川に負けない!と実力をつけるために甲府へ移籍する可能性もありえそうで、なんかヒヤヒヤします。それだけに次回が気になるところですが…。個人的には残って欲しいと思いますが、どうなるのでしょうか。次回が楽しみです。

 ではまた次回に!


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