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コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

CLANNAD -クラナド- 第8話「黄昏に消える風」 感想

2007-11-23 23:02:52 | CLANNAD 1&2期AFTER STORY(2007-2009)

 今回はいつのなくシリアスな話。皆が風子のことを忘れていってしまう様子が描かれていきます。後半は見ているこっちも辛くなりました。特に春原と早苗のあのシーンが…。切なすぎます…。タイトルはこういうことだったんですね…。
 前回の感想は出来次第こっそりアップしたいと思います。間に合わなかった…。
 

 最初は前回春原の話を聞いてぼんやりしている朋也から。渚、風子はヒトデを彫っていました。結婚式は幸村先生のはからいで学校で出来ることになったようです。結婚式の日取りが決まってきて風子は嬉しそうです。そんな風子の様子を見て、朋也も嬉しそう。
 その流れでヒトデも多くの人に渡そうと頑張る風子でしたが、行く人皆が受け取ってくれません。智代も風子のことを忘れかけてしました…。どうやら本当に風子の存在が皆の中から消えつつあるようです。そんな中での朋也と風子のやり取りには癒されるものがありました。特に今回に関しては…。「己が最悪です」と言ってしまう風子が良い感じ~。
 ですがその中で、追い討ちをかける決定的な出来事が起きてしまいます。それは三井さんとの遭遇。前々回快くヒトデを受け取った三井さんですが、三井さんもまた危惧していた通り風子のことをまったく覚えていない+見えておらず、「誰もいませんけど?何かの冗談ですか」と冷たい態度をとられてしまいます…。これに渚もようやく今の状況をつかみ始めます。そんな渚に朋也は、

「あいつは忘れられ始めているんだ。容態が変わったからかもしれない。
 皆、あいつの記憶を無くしている。
 もしかしたら、存在自体消えかけているのかも…」

 と言います。何だか先の雲行きが怪しくなってきました…。その日の帰り朋也・渚は風子を「元気だぜ!」と励ましながら下校します。春原はサボっているようで。風子も「風子、頑張ります」と気丈に振舞います。
 幸いまだ秋生達は風子のことを覚えており、その日の晩も変わらず団欒が続きます。ヒトデパンには固定客がついているんですか~?渚は風子を思うあまり、その中でまた涙ぐんでしまいます…。ちょっと泣きすぎなような。
 と、その時パン屋の方でお客さんが。しかしヒトデ作りに没頭するあまり秋生は店番をほっぽり出して居留守を使おうとします。おいおい、大人がそれでいいのか!と思ったのは私だけではないはず…。騒がしくて居留守が使えないと聞いた時の秋生のリアクションは面白すぎでした。早く気付いて…。
 そんな風に暴れていると秋生は彫刻刀を足で踏んづけてしまい…これはかなり痛そう。結局渚が店に出て行くことになります。最初からこうしておけばよかったような…。でも皆ハイテンションですね。いや、面白い家族です。でも朋也は家族がいつも通りで安心したようです。一方渚は「もしかしたら、私や岡崎さんもいつか…」と自分達がいつか風子のことを忘れてしまうのではないかと不安になっている様子。そんな渚を朋也が励まします。

「そんなことあるわけないだろ。結婚式までもうすぐなんだ。
 俺達が風子を支えてやらなきゃな。
 ―そうだ、夢の最後まで」

 朋也の最後の一言が妙に不安をかきたてます。まさかこのまま…?
 それから朋也は学校をサボり中な寮の春原の部屋に。途中会った美佐枝にもヒトデを渡していきます。春原は相変わらずそこでマンガを読み、くつろいでいました。  
  が、話が風子の話になると春原はまたいつになく冴えた様子に。表情がいつもと違います!春原はただ授業をサボっていたわけではなく、風子について調べていたようです。春原は日曜日結婚式を挙げるのが伊吹先生ということから風子が伊吹先生の妹だと推測。そして今一緒にいる風子が誰なのかと疑問を持ちます。ここでは「伊吹風子の偽者か!?」という、春原の本気にドキドキしました。春原は本当にやる時はやるんですね。
 でも春原の目的は風子の正体を暴くことではなく。春原は春原なりに風子の心配をしているようです。ちょっと春原の株が上がってきました…!

「偽者だったらそれでいいんだよ。でも、違うだろ?だったら、風子ちゃんは…。
 岡崎、確かめてきていいか?」

 風子を心配し、隣町の病院に行って風子の顔を見てくると言う春原。でもそれを聞いた朋也は焦った様子で「バカ、止めとけ!!」と春原を止めようとします。そんな朋也の心の内は、

『入院してる風子を見ちまったら、コイツも風子のこと忘れちまう気がする…』

 という考えから。いつも風子を病院で見ている伊吹先生の様子から、その確率は高いかもしれません。止める朋也でしたが、春原の考えは変わらず。

「岡崎、何か知ってるんだろ?風子ちゃんのこと。
 言いたくなきゃ無理には聞かないよ。
 でも、僕は確かめなきゃ気がすまない」

 春原がこれまでになくカッコ良く見えました!まさか春原がカッコ良く見える日が来るとは…。クラナド恐るべし。
 そして次の日。恐れていた瞬間が訪れてしまいます。朋也・渚の前で風子がヒトデを配っている中、そこに春原が現れます。が、その前のシーンで親衛隊までやっていた生徒が風子のことを忘れてしまったことを確認した後のこのシーン。ただで済むはずがありませんでした…。隣町の病院に行って風子を見てきた春原は…

「それがおかしなことがあってさ。記憶喪失っていうのはあんな気分なのかな?
 さっき気が付いたら隣町の病院から出てくるところだったんだ。
 自分じゃなんでそんなところに行ったのか、さっぱり覚えていないんだ。
 何で病院なんか行ったのかなー。寝ぼけてボーっとしていたのかな?」

 と笑顔で2人に言います…。ここはもう…。朋也はその言葉を聞いて動揺しつつも「春原、風子のヒトデいらないか」と春原にヒトデを渡そうとします。風子も自ら春原にヒトデを渡そうとします。と、そんな中、杏・椋が春原を注意しにやってきます。ですが2人も風子のことを覚えていませんでした。杏は何か引っかかった様子でヒトデを見つめますが、思い出すことができず…。辛い状況になっていきます。
 次の日も風子はヒトデを配ろうと頑張ります。しかし皆風子の姿が見えず受け取ってくれません。涼んだ一同の前にまた春原が。最初朋也は風子のことを忘れ、陽気にしている春原のことを邪険に扱いますが、春原がふと

「なあ、風子ちゃんも何か言ってやってくれよ」

 
と風子の名前を呟いたことから、朋也はまた春原に風子のことを思い出させようとします。春原もそれが大事なことだと覚えているようで春原もまた風子のことを思い出そうとします。でも…

「いや、ダメだ…もう思い出せねぇ。
 でもさ感覚だけは覚えている。そんな奴いたなって…」

 ここでもまた切なくなってきました。思い出そうとはしているんですけどね…。そんな春原を見た風子は改めて春原にヒトデを渡そうとします。と、今度は自然に手渡しが成功。ヒトデを受け取った春原でしたが、風子のことはハッキリと思いだせないまま。

「岡崎、渚ちゃん聞いてくれよ。
 僕さそいつのこと嫌いじゃなかった…そんな気がするよ」

「もういい…ありがとう春原」

 必死に思い出そうとするのに思い出せず辛そうにする春原の姿に涙…。あのBGMも反則です。去っていく春原。そんな後ろ姿を見て3人は、じっと見送ります。

「優しい人なんですね」

「バカだよあいつ。
 風子が見えているときは、仲良くしようなんてしなかったのに…」

「あの人なら、きっと来てくれますよ。伊吹先生の結婚式に」

 結婚式の日には皆が風子のことを思い出してくれると祈りたいです…。
 その日の帰り道。話は結婚式に着ていく服のことになります。とりあえず制服でいいんじゃないかということになりますが、アクセサリーがあってもいいということで3人は街にアクセサリーを買いに行くことにします。話の中での卒業の記念日の話でヒトデに関してきっぱり

「一生共に歩き続けます」

 
と言う風子には脱帽。街中で色々なものを見る3人。と、そんな中で風子は「おたんじょう会セット」が気になってしまいます。そして自分の世界に!!昔は私もこういうのに惹かれた思い出が…。最初こそ朋也のからかいで諦めようとしますが、どうしても諦めきれず悩みます。ここの風子は何だか可愛かったです~。
 この後は公園に。風子は朋也におたんじょう会セットを買ってもらいうきうき。朋也は「まあお前が喜んでいるならいいよ」と満足。ここの会話中に出てきたヒトデとウミウシに挟まれている朋也のカットはとてもダサかった…。「そんなものに挟まれていたくない…」と落ち込む朋也が面白いです。
 この後朋也はバカバカしくなってその場から去ろうとします。渚もこの後を追いかけます。と、その時公園の噴水が始まりました。傍から見れば何だか良いカップルに見える2人。そんな2人をみて「うん」と何か分かったかのように頷く風子が良い感じでした。風子も何か分かってきたようです。でも何だか嫌なフラグに思えてなりません…。
 
 それから3人は渚の家に。しかし秋生は風子のことが見えていない+覚えていない様子。

「いや、今お前達の間に女の子が立っていたような気がしたんだよ。
 今朝からずっとこうなんだ。
 なんかエラい大事なモンを忘れているような気がしてよぉ。
 間違えて早苗のパンでも食っちまいそうな気分だぜ」

 でも秋生もまた何か引っかかりを覚えているようで、苛立っているみたいです。この微妙な違和感がこっちとしてもモヤモヤさせられます。秋生にも忘れられ辛そうな風子。そんな風子を朋也は朋也なりに慰めます。と、そこに早苗もやってきます。最初こそ風子のことを覚えており、見えているというような様子を見せます。ここはもう本当にドキドキ…。
 が、早苗は風子がいる方向とは違う方向を向いていました。そしてそれを3人に悟られ早苗は泣きながら語ります。さり気に風子に寄っていく渚にも注目。

「見えないんです、風子ちゃんが!!…今日私は病院に行って来たんです。
 伊吹先生の病院の話を聞いてもしかしたら風子ちゃんは、
 伊吹先生の妹さんなんじゃないかと思って確かめに…」

「早苗さん…」

「それから私も秋生さんみたいに風子ちゃんのことが
 だんだん頭の中から消えていって。

 まだ…いるんですよね?風子ちゃんは」

「はい、います。ここに…」

「風子ちゃん…ずっとこの家にいていいですからね。
 私も秋生さんも渚ちゃんも、
 みんな風子ちゃんのことを家族だと思っています」


 
ここはもう井上さんの演技がすごかったです…。見ているこっちも本当に泣きそうになってしまいます。いや本当に泣いたかも…。病院に行って風子の記憶を無くしていくというのはやはり昏睡状態になっている風子を見て、今の風子はこういう状態なんだと理解してしまうからなんでしょうか。それで幽霊状態の風子の方は見えなくなると。確かにこれだと一番近くにいる伊吹先生が何故風子を見ることが出来なかったのか納得できますね。病院にいる風子をずっと見ているんですから…。
 3人は風子のことを忘れていく2人の様子にショックを受け、公園のベンチに座っていました。そして3人はこれからどうするのか話し合った結果、学校に向かうことにします。並んで学校に向かう3人。果たして夜の学校ではどんなことが起きるのでしょうか…。


 次回は「夢の最後まで」何だかタイトル+予告の風子の発言からして風子が逝ってしまいそうな予感がします。また音楽がいつもと違っていて更に切ないです…。とにかく風子が助かるように祈りたいです。次回、どうなるんでしょう。
 皆が忘れていく一連のシーンで印象的だったのは、ショックを受けているのが渚・朋也だけではなく、その忘れた人もということでした。普通の作品だったら、多分渚・朋也の2人の描写で終わると思うのですが、今回忘れた側もショックを受けている描写を見て、かなりジーンときてしまいました。忘れる側も忘れる側で辛いんですよね…。
 今回は今までのコミカル路線を外れ、シリアス調な話で面白かったです。ただ見ているこっちとしてもやはり辛いものがありましたが…。でもクラナドの本当の面白さがやっと分かってくるような気がしました。次回は見逃せません!