今回はホロとロレンスのまったりとした2人旅の様子が描かれていきます。普通の作品だとここら辺で敵とか現れてくるのでしょうが、この作品にはそういうのはなく、ただまったりと2人の旅の様子が描かれていきます。この辺がこの作品の魅力のひとつなのかもしれません。2話も結構良い出来栄えだと思いました。
ホロがロレンスの馬車に乗り込み、いよいよここから2人のホロの故郷目指して旅が始まります。2話は原作の2章に当たる話。結構原作に忠実でちょっと驚き。2人のまったりとした感じもよく描けていて今のところ好印象です。でも1クールだとするとスローペース気味なので、原作3巻までやるのだとすれば後半がちょっと心配ですね。
あれから旅に出た2人。特に村人からの追跡などはなく、のんびりと馬車は進んでいきます。と、そんな中雨がどしゃぶりに結構降ってきてこの先進むのには厳しくなっていきます。仕方がなくロレンスは教会に一晩泊めてもらうことにします。ここで問題になりそうだったホロの耳としっぽは外套で隠し、外套を被っているのは昔やけどをしたためといい、難なく切り抜けます。今後もホロの耳等はこんな感じでごまかしていくことになります。ホロはそうごまかすのは嫌がるかと思えば結構嘘に乗り気。昔もこういう手を使って旅をしていたみたいです。
そうして2人は教会の部屋で雨に濡れた服を脱ぎ、室内に干して乾かそうとします。もちろんホロはためらいなく全裸に。これにロレンスは目をそらしたりとたじたじ気味。…まあ無理もないと思います。でも絵に問題があるのかホロにあんまり色気を感じないんですが、これはどうなんでしょう…。
たじたじしつつもロレンスはホロにホロの宿っていた麦は脱穀するべきなのかと聞きます。が、ホロはこれに自分が生きている限り、麦が枯れることはないと言い基本的にどうしてもかまわないと言います。そしてジャマなら脱穀してもいいと言うホロ。これにロレンスは、
「なるほど。じゃああとで麦粒にして袋にでも入れておくか。
自分で持っていたいだろう?」
「助かるの。首から提げられるとなおよい」
とホロに親切です。ロレンスも優しいところあるんですね。でもロレンスはその時目がついホロの首の辺りにいってしまいどぎまぎしてしまいます。ロレンスもまだ大人になりきれてなさそうです。その後麦を売れるかどうかということと、やけどの話しをした後、ホロはロレンスの考えを見透かしたように
「ためしに傷つけてみるかや」
とロレンスを挑発してきます。ロレンスは一瞬挑発に乗りそうになるものの、こらえて
「俺も男だ。そんな綺麗な顔に傷はつけられないな」
とこれをどうにかかわそうとします。これは中々上手い逃げ言葉ですね。この言葉にホロは笑い、ロレンスをからかいます。この後ホロがロレンスの髭を褒めるシーンが好きです。やっぱりロレンスはホロにはまだまだかないませんね。ただロレンスはこんなやり取りが嫌ではなさそうです。部屋に出る前、ロレンスはホロにぼろを出さないように言いますが、ここはホロ。
「わっちは賢狼ホロじゃよ。
それにパスロエの村にたどり着くまでは人の姿で旅をしてきたんじゃ。
まあまかしとき」
と何だか心強い言葉。流石はホロです。ホロの旅していた時のことも気になりますね。一体どんな旅だったのでしょうか。
その後は服を早く乾かす為に暖炉に行くことにします。そこでロレンスはそこにいたお金持ちそうな夫婦の会話にさりげなく入っていき、相手に合わせ世間話をします。ロレンスは自分の知識を活かし相手を自分の話に引き込んでいき、そして相手の住んでいるところを聞き出し今後の商売への結びつけます。これはなかなかできないことですね。ロレンスも商人として結構経験を積み重ねているようです。その後夫婦は妻が疲れ気味ということで去っていきます。
と、その後ロレンスに話しかける人物が。それはロレンスと同じく商人のゼーレン。まだ駆け出しの商人だそうです。外見があんまり冴えないので、アニメでは適当に声が当てられるかと思っていましたが、声は浪川さん。ゼーレンにはもったいないくらいです。
ゼーレンは自分も夫婦の会話に入ろうとしていたが、入れなかったと話し、そんな中夫婦の会話に入っていったロレンスを見てなかなかの人物だとロレンスを褒めます。それからゼーレンはロレンスにホロを妻だと紹介されたあと、ホロの顔が見たいと言ってきます。これについ図々しいなと思ってしまうロレンス。ちょっと良い感じ。でもホロの方が上手で
「女は後ろ姿が一番美しいんでありんす。
気軽にひょいとめくれば人の夢を壊しんす。
わっちにはそんなことできんせん」
とこれをやんわりとかわします。流石はホロ。生きてきた時が違います。これにゼーレンはホロの言葉に呑まれ引くことに。すごい奥さんだと話すゼーレンにロレンスは思わず本音が。
「尻にしかれないようにするのが精一杯だ」
何だか妙に重みがあったような…。で、2人を見たゼーレンはこの後2人にある商売の話を持ちかけます。その商売とは銀貨にまつわる商売。ホロは部屋に戻り、ロレンスは食糧調達に。じゃがいもにチーズがかかっているもので、何だかおいしそう。あとその際麦の脱穀もすませ、高そうな袋に入れ、それをホロに渡します。でも結構値段がかかっているようでロレンスは困り気味。
それでロレンスはホロに
「お前、嘘を聞き分けられるとか何とかいってなかったか?」
と、この商売に乗るべきかどうか意見を聞きます。ホロはじゃがいもに夢中な様子。でもほおばりすぎて途中でのどにつまったりしています…。ここは人らしいですね。
で、話は戻ってホロの答えはある程度なら見破れるそうで、ゼーレンは商売の話をしている時嘘をついていただろうと話します。ロレンスもこれに同意します。それから話は銀貨の商売の話に。ちょっとここは省略。ここでもっと分かりやすく図とか出してくれれば良かったんですけどね。原作を一通り読んでも商売の話はなかなか完全に理解できません。アニメから入った人もどうなんでしょう。
ここで印象的だったのは2人の嘘に対する会話です。思わず納得してしまいました。
「嘘をつく理由がわからない、じゃろ?
嘘をつく時、大事なのはその嘘ではなく、
何故嘘をつくかというその状況じゃ」
「俺がそれに気がつくまで何年かかったと思う?」
「ふふん、ぬしはあのゼーレンという男を若造と思っているようじゃが、
わっちから見りゃどっちもどっこいじゃと言ったろう」
これは確かに考えてみるとその通りですね。大事なのは何故嘘をつくかという状況なのかも。ゼーレンは嘘をついていると思うロレンスですが、どうやらここで話を断るのではなく、むしろ商売の話に乗る気らしいです。どうやら
「注意深く裏をつけば大抵は儲け話になるはずだから」
とこれが嘘でもどこか儲け話につながっていると見ているようです。ホロもロレンスがこの話に乗ると分かっていたようで笑みを浮かべます。さてこの商売上手くいくのでしょうか?
そうして一晩明け、朝に。朝の教会の背景が素晴らしかったです。色が綺麗ですね~。井戸の前で2人は教会についての話をします。何だかこうして聞いていると教会も商売をしているんだな…と少し冷めた気持ちになってきますね。寄付は大変そう。そんな中ホロは時代につれて変わってきている教会を見て、故郷も変わっているのかもしれないと少し心配そうな様子を見せます。そんなホロを見たロレンスは、
「お前自身は変わったのか?
なら故郷も変わっていないだろ」
とホロを元気づけようとします。ロレンスも色々なところを回ってきているからホロにこう言えるのかもしれません。この言葉にホロも元気を取り戻し笑顔で
「わっちがぬしから慰められてちゃ賢狼の名折れじゃ」
とロレンスに言ってから部屋に戻っていきます。2人の関係も良くなってきているように思えます。
それからロレンスはゼーレンに商売に乗ると告げます。それを聞いたゼーレンは先に街に。2人も早速街へと馬車を進めていきます。馬車の上で2人はいつものように会話をします。最初はいつも通りだった会話。でも話が狼の話になると空気が険悪になっていきます。ロレンスは何度か狼に襲われており、その度、狼に仲間を食われる瞬間を何度か見てきたらしいですね。これは地雷だったかも。その後ホロはロレンスのごきげんをとろうと
「……怒っとる?」
と話しかけますが、ロレンスの返事は「怒ってる」とそっけないもの。でもここのしゅんとしたホロがかわいくてついかわいいと思ってしまいました。でも流石はホロでその後ロレンスを同じように言葉ではめます。これでとりあえずおあいこに。その後ホロは
「ぬしとわっちじゃ、生きてきた世界が違うんじゃよな」
と呟きます。2人の距離は、まだまだ遠く感じます。
次回は「狼と商才」ヨーレンの商売の話を受け、2人は街に行くことになります。ここでロレンスはゼーレンが嘘をつく理由を暴くことが出来るのか注目です。しばらくは今回の調子で話が進んでいきそうです。原作未読の人はちょっとのんびり気味でキツいかもしれませんが、この先山場はばっちりあるのでそれまで見ていってくれれば。
そういえば次回予告の前のDVDのCMが面白かったです。特にゼーレン!最近こういう形式のCM、多いですね~。
感想はこの先書くか迷いましたが、2話も結構良い感じだったのでしばらく時間があるようだったら書くようにしていきたいと思います。しかしこの作品何故か感想が書きにくい…。