もやもや病エッセイ『脳の細道』

もやもや病患者の体験記です。不定期更新ですが、どうぞ読んでやって下さい。

脳内出血になった日~其の一

2006年02月28日 15時03分41秒 | 発病
2002年3月31日、この日は私にとって忘れられない日だ。まさに私の運命を変えた日に違いない!
私は毎年、3月31日を『脳内出血記念日』と呼んでいる。今では、『最近の若者は切れやすいと言いますが、私も負けじと切れてみました(笑)』等と、冗談交じりに話す事が出来るが、もし、ここまで回復しなかったら笑い事では無かったのは確かだ。
私が大学生の時、私の住む寮には、タイ人、インドネシア人、マダガスカル人が住んでいた。皆、中国語は勉強中の身である為、言葉はあまり通じなかったが、皆、仲良くしてくれた。
そんな、2002年3月31日、私とマダガスカる華僑の友人は一緒にバドミントンをする約束をしていた。私も早めに起きて、朝食を取りに行こうと思っていたが、その日は起きがけに変な夢を見たのだ。
今でこそ仕事の関係で良く香港だが、当時は空港以外の場所には行った事が無い場所だったのに、何故か香港に行く夢を見た。しかも、どこかのビルの下を歩いていたら上から、男の人が飛び降りてきて私の頭の上に落っこちてくる夢だ。彼が『行開!(ハンホイ:避けろ!)』と言ったが、私の頭に激突!結局は夢だったのだが、現実味が有って気味が悪かったのは
目が覚めて、起き上がったとたん頭がガンガンと痛み、吐き気がしだした事だ。思えば起き上がった瞬間、急に起き上がった事で血圧が上がり、もやもや病の為に生まれつき細い血管が切れて出血したのかも知れない…。それでも、まだ動けたので、熱でも有るのかと思いながら、洗面所へ行ったが、その時は目の前がチカチカし始め、口からヨダレがダラーっと垂れて来た。
はっきり言って、自分でもこれはヤバイと考え、取り合えず自分を冷静に保たなくてはと思い、水を一口飲んだ。
体も麻痺して来たので、冷静に考えて、意を決して一番中国語が堪能なマダガスカル華僑の部屋に這って行った。
この時点で自力で立つ事はできなかったので、誰かの助けが必要なのを自覚していた。向かいの部屋のタイ人は中国語があまり通じないので、こんな状態で彼女達の部屋に行ったら、言葉も通じないしダメだと本能的に感じ取っていたので、取りあえず一番中国語が上手でしっかり者のマダガスカル華僑友人の所まで這って行く事が先決だと思ったのだ。(其の二へ続く…)