剃毛～検査の為パイパンに…！

集中治療室に入れられると頭が変になる。ずっと寝てばかりいるので、時間の感覚が無くなってしまい、今日が何月何日かも分からなくなってしまうのだ。集中治療室に入れられて三日目の事だったと思うが、また尻に注射を打たれウトウトしていると、数人の看護婦がやって来て私のアンダーヘアーをおもむろにそり始めた。

事前に説明してくれれば良いものの、言葉が通じないと思ったのか、何の説明もされず急に切れ味の悪い剃刀でガリガリと剃られ、石鹸やクリームなど何も付けていない為、思いっきり毛に引っかかりブチブチと引き抜かれた。
『おい！痛てーな！！』
と文句を言ったら看護婦達は口々に
『あっ！喋った！』とビックリしていた。
内心（どう言う意味だよ。そりゃ、中国語ぐらい喋れるさ！）と思っている間に毛をどんどん剃られ、みるとスッカリ剃り跡が青くなっていた
看護婦に剃り跡がヒリヒリすると言ったら、
『あなたは下の毛が特別濃いから剃るのが大変だったわ。』と言われてしまった。何しろ、毛と言うのは剃ったり、抜いたりすると、どんどん濃くなって行く物なのは知っての通りなのだが、高校生一年生の時、右膝の半月板の手術をした際も下半身の毛と言う毛を全部剃られた経験が有ったので、私のアンダーヘアーもかなりレベルアップ？していたのだ。もはや並みの剃刀では歯が立たない程に！
普通、水着を着たりする場合にはビギニライン位は手入れするものだが、盲腸の手術や帝王切開、その他下半身の手術を行う以外には毛を全部剃ってしまうような事は無いと思う。
（風俗嬢でパイパンを売りにしている人や彼氏がパイパン好きの人などは別として）

毛を剃るのには感染を防いだり手術を容易にする為など大事な役割が有る訳だが、この時はとある検査の為に剃毛させられた。
その検査と言うのは脳血管撮影の検査である。この検査は脚の付け根にある太い動脈からカテーテルを挿入し、脳の血管まで通した所で患部に造影剤を流し込み、血管を鮮明に撮影する事が出来る検査なのですが、脳血管の他にも心臓の血管の造影撮影検査にも用いられたりすのだ。

検査は約二時間ほどだったが脚の付け根に穴を空けられるのは非常に痛い。麻酔は打ってくれるのだが、この麻酔の注射が馬に注射するような極太な針で、麻酔を打たれただけで気が遠くなるような痛さだった。（脊髄麻酔程ではないけれど）
そして、麻酔が効いた所でメスで血管に切れ込みを入れ、そこにカテーテルを挿入する為の器具を付けカテーテルを差し込んでいくのだ。脚の付け根には感覚こそ無いが、カテーテルが首の血管を通って行く時には変な体の中で何かが動いている感覚がハッキリと伝わって来る。この感覚は言葉では言い表せない程、気持ち悪い。
何かの漫画で観た血管に寄生虫が入り込んで、体中を動き回る時にの感覚ってこんな感じなのだろうか？