もやもや病エッセイ『脳の細道』

もやもや病患者の体験記です。不定期更新ですが、どうぞ読んでやって下さい。

首が元に戻らない

2006年11月21日 19時03分00秒 | 治療
入院してから四日間ほど経った頃、主治医っぽい医者が集中治療室に私の様子を見にやって来た。私はすかさず自分の病気の状態を把握する為、たどたどしい中国語で医者に話しかけていた。

右手が痺れている事、ロレツが回らない事などを伝え、脳の病気ではないかと釘をさす様に尋ねると、医者は脳みその絵を描いてどの部分で出血が起きたのかを説明してくれたが、脳内出血に至った大元の原因については語らなかった。私自身もその時は自分の体に『難病』と位置づけられる病が潜んでいるとは考えてもいなかった。

私の場合は左脳の脳室で出血が起こった為、右半身への麻痺や言語障害が起きたのだと告げられた。しかし、出血した部位が脳室だった為に中国の技術では手術は難しいとの事だった。しかし、この場合は手術では取り除けない血液を脊髄から針を通して髄液と一緒に抜き取るという治療をしなければいけない。その為に脳神経外科の博士がいる、中山大学付属第一医院へと転院が必要だった。

また、この頃から首が突っ張ったまま元に戻せない様になっていた。これも、血液が脳細胞を圧迫した結果、神経伝達が上手くいかず麻痺の状態にあると説明された。

私は脳性麻痺になった事は無いけれど、脳性麻痺の身体障害者の方は意識は正常に機能していても自分の意思とは関係なしに体が硬直して自由に動かせない状態にあると言うのは、こんな感覚なのかなぁ…などと考えてしまった。