もやもや病エッセイ『脳の細道』

もやもや病患者の体験記です。不定期更新ですが、どうぞ読んでやって下さい。

気が付いたらノーパンだった

2006年02月28日 18時52分37秒 | 入院
脳内出血のため入院する事になった訳だが、私は強い麻酔薬を打たれ、気が付いたら着ていた服も全部脱がされ、パンツすら穿いていなかった。
そして尿道カテーテルを入れられており、鼻からも管が通され、腕には点滴、そして酸素マスクがつけられ、全身管だらけだった。
これには自分でもびっくりしたが、一番びっくりしたのは真っ裸だった事だ。どうりで肌寒い訳だ。

…やはり当時は19歳のうら若き乙女だった私は、自分では体が動かせない状態にも関わらず、無駄毛の処理をしていなかった事や知らないうちに裸にされていた事に対しての心配など、いらん心配をしていた。
しかし、今思えばそんな事は命が助かるなら取るに足らない事だ。別に腋毛ボーボーだって死んだりはしない。今時、他人に裸を見られたら恥ずかしくて死ぬなんていってる超保守的な(ぶりっ子してる)とある友人に言った事がある。私の某女友達はこう言った。
『あたし、他人に裸を見られたら、見た奴をぶっ殺す。だって恥ずかしいもん。病院だって例外じゃないよ。テヘッ』

おいおい、君の裸は他人を殺して良いほどの代物なのか?
病院だって何も好き好んで人を裸にしている訳じゃない。ましてや恥ずかしいからで人を殺すなんて、どう言う考えなんだよ!?(この娘は今まで入院の経験なし)

他人に裸を見られた位で死ぬなら温泉に行く度に死なねばならないし、風俗嬢などに至ってはは日に何回も死ななくてはならない事になる。

人間は一回しか死なないのだから、そう容易く『死ぬ』だの『殺す』だの口にしてはいけない。
世の中には好き好んで服を脱ぐ人、尿道カテーテルを入れられてる人もいる訳だが、そう言う人が自分の目には変態に見えても許して上げられるような寛容な心が必要だ。他人に迷惑をかけていない、自分の趣味である場合には温かく見守っておけば良い。(私は絶対お断りだが)

話は戻って、私が気が付いたその日は入院してから一日経っており、日本から母が駆けつけた。父はあいにくパスポートが期限切れだった為に直に駆けつける事が出来なかった。母はグアムや台湾など海外渡航の経験は有るが中国には初めてやって来る。

楽しい観光ならまだしも、私が倒れて大慌てでこれほど不安いっぱいで中国へ来る事になろうとは夢にも思わなかっただろう。こんな母にはとても感謝している。母ちゃん、ありがとう。我愛你