自身が再開発を心配する幾つかのリスクを項目ごとに記事を進めていきます。
・生活環境
・どのような地域に再開発を仕掛けるか。
・財産権利
・再開発エリアに指定されると、どう変わるか
・避難経路
・生活費用
その他思い付けば追加していきます。
まずは、生活環境編(高齢者)から
今までの住まいから、再開発ビル(高層)に入るとどのようなリスクがあるか
私たちは生活していく上で、衣食住を建物の中で行います。
現在の住まいが、生きる場、出来れば死に行く場として考えられます。
外や、病院で最後を迎えるのは、寂しいものです。
今は若くて、身体も動くから、生活する上でも多少の不都合も我慢や工夫が出来ますが
いずれ、親が、自身が年を取ったとき、その不都合が解消出来なくなる時が来ます。
その対策として、街や駅では、バリアフリー化が進み、
現在建つ住宅などは、先読みをして来たるべき老化に備えます。そのように私は設計します。
今住んでる建物と高齢者に取って優しい状態とは、どんな事を言うのでしょうか?
再開発ビルと現在の建物の生活条件を比べてみれば想像つきます。
私が住んでいた下町の風景を想像します。
自宅で玄関を出れば道路で、自転車なんて止めてあって
少しの用でしたらすぐに済んでしまう
新聞や郵便物は、そばのポストからすぐ取り出せる

玄関先に好きな植木鉢で植物を育てたり、散歩に出たり。
お隣さんと玄関先でお話したり
良くある風景ですが

あったとしても、2階3階程度の住まいです。
コレを再開発ビルに入った場合の生活に変換してみましょう
玄関を出てもそこはコンクリートの廊下、玄関先に植物を置きたいが、
その廊下は避難路としても使用するため、物を置いてはならない決まりがあります。
少し奥まった、アルコーブタイプの玄関で物が置けても、日が当らないので
まず、植物は枯れる

好き勝手が出来ない。
新聞や郵便ポストはセキュリティ上1階に配置されます。
毎日取りに行かなければなりません

楽な部屋着などでは、恥ずかしくて出られませんね。
さあ、少しの用の買い物に出ようとしても
玄関ドア前には自転車は置けません
そうです、下の階の自転車置き場まで取りに行かねばなりません
今まで掛けたことも無かった自転車の鍵を持って下に降ります。
エレベーターで下に降りなくてはなりません。
だいたい再開発ビルは、1~2階などは商業施設、3~4階などは事務所や公共施設が入りますので
あなたは少なくとも5階以上の住まいとなります。
エレベーターは高層ビルですと35階くらいありますので
すぐにエレベータは来ず、待たなくてはなりません
自転車置き場は1階にあるとも限りません
小規模の再開発ですと地下1階に自転車置き場を設置したりします。
高齢者は自転車を引いて地下から1階まで上がれないのです。
もうココで、少しのお出かけのはずが、
時間のかかる上り下りの激しいお出かけになってしまうのです。
実は、毎日のこの作業に高齢者が参ってしまうのです。
このような事から
再開発ビルを終の住まいとして選んでしまう事は、大変リスクの伴うもの
普段の生活を続けたいのでしたら、今までとおりの町並みが
あなたには合っているはずなのです。
建物は古くなりますが、現在はリフォームや補強の技術も向上しており
今ある住まいを改修しながら歳をとる事が出来ます。
改修の方が、新築より金銭的にも優しいです。
私が同居しているお婆ちゃん80代はエレベーターは乗りません
デパートではエスカレーター専門です。
マンションに居住者専用のエスカレーターはありません。
お婆ちゃんが怖がりだったり、変わり者ではなく、
高齢者にエレベーターは恐怖でしかないのです
そんなものなんです。