再開発は困ります。

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ようこそ「再開発は困ります。」へ

駅前再開発を経験し、 住民運動を通じて、その場所に住まうと言う 当たり前の生活の権利を主張してました。 電車に乗り、車窓の向こうの駅前にやたら背の高い 人が住まうには、不自由な建物ばかり建っていますが、 その件数分、住まう場所を追い出された生活者が居たという事に 悲しさが込み上げます。 と同時に、怒りも込み上げてきます。 こんな悲しい思いは私達だけで十分だ。。。 今現在、この先、再開発計画に立ち向かう人たちへ 少しばかりですが、応援させて頂きます。 直接連絡を取る事も可能、相談用メールアドレス はsaikaihatsuhakomarimasu@gmail.com コメント欄でも記入結構です。 事前承認せいなので、コメント、TBについては、 こちらで操作するまで公表されません 公表を遠慮したい方は一言その旨記入ください。

「等価交換」の約束は守られているのか?

2011年04月23日 18時28分31秒 | 再開発
地元の再開発計画反対運動の最中、地域住民の質問と
その後の現在、各地の再開発計画の渦中にある方の質問で多かったのは


「再開発コンサルタントから、
  再開発をする上で資産は既存の資産の『等価交換』と言われましたが
   その約束は守られるのですか??」


と言う問いかけが、多かった
再開発問題でぶち当たる矛盾がそこにある。


『等価交換』いかにもくすぐられる言葉だが、
再開発法の中に「等価交換」と言う言葉は見つからない。約束する法令も無い
ただ、「権利変換」と言う手続き運用の中に「等価交換」の原則があるだけだ。


では、口約束のような「等価交換」
とても、曖昧で聞こえがいい言葉だが、私なりに考察してみる事にする。




土地建物所有権者の資産を計算するのは普通、売買のときに行われる
価格とは固定される基準は無い、物品の値段を決める原価と利益率も無い。


●まずは、既存の土地建物の価格とは?

再開発計画の中では、土地の権利の場合、道路つけ、面積、形状
過去の流通実績の中から不動産鑑定士が評価し、金額を確定する。
再開発計画エリアで算出せず、周囲の無作為抽出で算出条件(率)を算定する

建物については、建物の構造、面積、築年月日、建築当時にかかった費用を参考に
これも不動産鑑定士により算出されるが、詳細の算定式などは
不動産の鑑定方法にゆだねられるが、固定的でなく、流動的な面を持つ。


○交換されるマンション床価格の設定とは?

これこそ、物品の価格設定算出と同じである
再開発計画の土地買収金額、撤去解体費、高層マンション建築費、設計費
諸経費、各業者の利益、もっとたくさんあるが省略。
原価+各業者利益=床販売価格(坪単価)が設定され、
既存土地建物評価額にあわせて
マンション取得面積が確定され、権利変換に移る。



以上が流れだが、「等価交換」を証明できる根拠は見出せない

既存所有権を換算する定義はさておき。。。

マンション床を換算する根拠が、原価に業者利益が乗り、価格を設定しているため
どうしても、業者の床の売値に対する、民間業者の意向が反映される
各民間業者も損してまで事業に貢献するボランティア精神は無い為
公益事業でもないので、利益が重要であるし、
建築工事原価も建材流通価格の変動に翻弄されるし、



上記考察の結果、「等価交換」の言葉通りになっていない現実にあたる。
必ず権利が変換される為、以前の記事にあるように、
互いに権利評価が異なる、所有権から、区分所有権に移行するため
どうしても正しい比較が出来ない現実もある。



違う資産評価で強引に比較をするとすれば
銀行が担保を算出することを仮定すれば

既存資産の担保評価額より、マンション床の担保評価額が著しく低い事を考慮すれば
マンション床資産は償却資産で、築年月日が経年するほど担保価値が下がるので
実質、資産は「等価交換」されておらず、
将来を見越すと(長期的に見ると)資産は目減りして
いつしか、資産評価の出来ない中古マンションとなるのである。


再開発コンサルに上記の質問を投げかけてみると、反論できない事があった
彼らも、この矛盾を突きつけられると、回答に困る様子だ。


第一種再開発事業において
この矛盾の「等価交換」と言う言葉は、適格でなく
再開発推進派が聞こえが良い「等価交換ですよ。」乱発しているのであれば
今回の記事の矛盾を突きつけてみれば良い

あわてる彼らの表情が目に浮かぶ。(意地悪してやれ)

ツッコミ所多し、再開発準備組合は矛盾だらけ。

2011年04月16日 18時23分09秒 | 再開発
ある駅前の風景、再開発計画などは全く決まっておらず、
法令上も都市計画決定もされていない、何もかも未決定の地域。
役所が駅前再開発したいだけ、その一角の空地にプレハブ型仮設の2階建屋がある。
その場所は「再開発準備組合事務所」となっている。

中にはどんな人が居るかと言うと、○ゼネコン社、▽ディベロッパー、
☆設計事務所と●再開発コンサルからそれぞれ出向してきた社員が駐在する。
形式上、再開発をしたい役所側が、連れて来た民間業者である。
主な仕事は、再開発を計画しながら、周辺住民に周知するプリントを作成する
看板をつける、金勘定する。などなど・・・。


ココまで書いた中でもツッコミ所はたくさんある。(ツッコミ


この空地は再開発推進派の所有地であり、そこにプレハブ事務所があるが
そこの場には、借地借家権と賃料が発生し誰かが支払っている。
支払いしているのは役所の再開発課だ(ツッコミ)税金である。


再開発計画が事実上決まっていないのにも関わらず、民間業者は役所(お上)のために
本来の仕事場から、わざわざココの事務所まで出てくる。
スタッフの給与は当該所属の会社から支払われるのだが、人件費を浪費するリスクを負い
決定も、受注もされていない現地に社員を差し出すのは経済通念上おかしい(ツッコミ


カラクリがある。そこに来ている業者に対しては役所から助成金(委託業務費)として
税金を支払っているのである(ツッコミ
反対住民が多く激しく、計画が長期化し、頓挫してもスタッフの給料は湧き水のように
支払われる 民間業者は給与を心配する必要が無い
助成金の予算組みを役所が毎年確保しているからである(ツッコミ)税金である。

しかし、役所は使った税金分、成果を求められるので
再開発計画の進行を曲げない、撤回しない、それが住民の民意に反しても(コレは怒りだ


準備組合を構成する外部業者の選別も極めて不透明だ、ダークだ、
選別方法を役所は徹底的に隠す、再開発課の仕事だが役所が民間業者を指定するのは
官民の癒着が問われるところだが、
どこの再開発でもココのダークな部分が明示された事は無い。(ツッコミ


自身の経験で、地域で再開発計画が進み、都市計画決定され、本組合が設立する時、
全員の地権者(組合員)は再度、各業者を選定できるのだが、いろんな力が作用し
準備組合外部委託業者がそのまま本組合の業務を引き受けるパターンが鉄板だ。

準備組合から社員を出向していた各民間業者は本組合に移行し、
他社と入札形式で業務金額を争うことも無く
そのままの言い値で業務を楽に独占できる仕組みなのだ、(ツッコミ



役所が民間業者に再開発計画をマル投げし、税金を使い
民間業者は計画決定後、確実に仕事を取れる。



再開発問題で一番損をするのは、あってはならないが、やはり地域住民だ。。




役人は「逃げ」の天才である。もうみんな気付いているよね。

2011年04月09日 18時54分35秒 | 再開発
駅前再開発計画の反対住民運動をすると、必ず再開発計画を進める役所と対決する

今まで記事にしたように、地域住民の資産である土地建物をまとめ上げる為
再開発法を使った主権侵害をするため、彼らは私達の納めた血税を使いながら
役人を派遣して、仕事をするためにやってくる。

役所の仕事である、税金を効率よく使い、生活弱者や保護や補助をすべき
住民サービスを提供すべき本来の趣旨を逸脱して
私達の生活をおびやかした。結構なダメージを与えた。
これは許すまじ行為である。

役所に行くと、課がたくさんに分かれている、
住民票や証明書発行のサービスする課
公共住宅の斡旋、学校教育のサービス、医療サービスの課
下水道、道路を管理するインフラの維持管理の住民生活に間接的にサービスする課
住民サービスの課は、カウンターに住民が近づくと「御用はなんですか?」と
良い対応ををするため、役人は地域住民のために働いてくれる。
教科書とおりの地方自治である。


その一角に再開発課がある。
その場所は独特の雰囲気をかもし出している。住民サービスの為の課では無い
違和感があるスペースだった。
住民の1人である私が近づくと、積極的に対応をしてくれない
情報を集める為に初めてカウンターに来た私にどんな情報を聞きに来たのか?
どこに在住の方で、名前は誰であるか、執拗に聞いてくる
「どこの誰でも良い、○○駅前の再開発の情報を集めに来た」と言ったら
役人はあわて始め、私に何を聞きに来たのか構えたきた。



私の仕事柄、建築設計をするする際に、用途地域や公道調査をするため
役所調査をする。 必要な業務であり、役人のあしらいも慣れている。
役人の手の内を知っている私は、意地悪な質問ばかりした。
そのやり取りについては、詳しく書きたいところだが、今回は省略したい

役人は態度を変え、私をカウンターの中に入れ、その時その場に居なくて庁舎内に
席をはずしていた地区担当者とその上司が顔をそろえて、名刺を差し出してきた。
私の気分を害さないように、勤めて低姿勢で気持ち悪い対応をしてきた。

私はその場所で、再開発計画の不要を訴え、計画撤回を申し出た。
彼らは、資料のプリントを差し出し、再開発の必要性を説いた。
私は建築設計をしているので、建物の良い面と悪い面を知っている
その理論をといたら、役人は建築士では無いので反論できない
延々不毛なやり取りをした後、

役人は最後に「この再開発計画は、一部の地域住民からの発案で
その住民の意向に沿う形に、お手伝いをしているのだ。」と言って来た。


出た、責任を逃れる得意の「逃げ」口上がはじまったと思い
「では、その発案をした住民に苦情を申し立てるので。その人の所在を教えろ。」
と迫った。

それを今日教えると、住民同士のトラブルになりかねないので、
「窓口はどうか再開発課の担当者でお願いできないか」 と言う
「この再開発計画を理解してもらうため、時間をかけてでも役所が対応する」と言う

私は「再開発計画を理解する為に来た訳ではない。計画の白紙撤回を要求しに来た。」
「地域住民の代表だ。」と考えを変えない。

その日は、私が帰ると言うまで、議論は続いた。
私は胸のポケットに小型レコーダーを仕込んでいた。
役人との戦いは、その後長く続いたが、
役人はおおよそ、2~4年で担当が替わるのを知っている私は、
担当が替わっても、私に言った事の証明の為に、このレコーダーを利用した
そうしないと、役人は「発言は前担当者が言ったもの」と責任逃れをするのも
私は知っているからだ。


再開発ビルを建てたら終わりではない。その後も戦いは続く(入居者編)

2011年04月02日 18時41分13秒 | 再開発
わたし達の再開発問題反対住民運動のメンバーの中で、竣工した再開発ビルの中に
商業床を取得し、店舗の再出発した家族が居た。
その家族と再開発ビル竣工後しばらくしてから会う機会を得た。



当初から、再開発計画に不審を抱き、現行のまま商売を続けたいと言う要望を持っていた。
Kさんの商売は、駅前で借家契約をしていて、長い間会社帰りの会社員の憩いの場として、
串焼き屋は、毎晩盛況で順調に見えた、建物も昭和の雰囲気をかもしだし
楽しい飲み屋さんでした。

居住している場所は、再開発エリア外であったが、
生活の糧である商売の場所がどうなってしまうかによって、自身の生活も激変してしまう事を
不安視して一緒に、再開発計画に問題提起し、反対の意思を表明していた。



さきの記事にも書いたように、わたし達の再開発反対運動は成果を得られず
計画は進行し、転居か、ビルへ入るかの選択を迫られた。



Kさん家族の選択はどうしたかと言うと、飲食エリアの一角の商業床を購入し
再開発ビルの一部で、今までと同じ飲食の商売を続ける選択をした。

選択する事は、そこの家族の生活形態を尊重する為、反対派住民の会に所属しても
構わないとした。
だが、念のため、専門の弁護士を付け、書類の確認を注意して行った。




再開発ビルへの入居が決まっても、ビルの工事期間は転出しなければならない。
転出先は、プレハブ2階建ての仮店舗建屋だ。
仮店舗はスケルトン渡し(内装工事を行わず、箱のみの提供)で内装費が掛かり
36ヶ月間のために、内装工事を自費で行わなければならなかった、
店舗を引き続き営業出来るとして、休業補償などは無かった。



36ヵ月後再開発ビルのの中に入るため、また内装工事の費用を自費で施工した。
排気ルートに関しては、鉄筋コンクリート造の為決まっており、
設計段階で計算された換気扇と排気ダクトまでは、ビルの設備として取り付けられた

さあ、心機一転でココから奮起して商売を復活させてやるという意気込みで
開店初日を向かえ、客を入れ串焼きをはじめ、換気扇を回したときに異常が起きた

換気扇の排気が甘く、店の中まで煙にまみれてしまったのである。
設計ミス?施工ミス?いずれにしても、商売にならない
煙が店内に充満しては、お客様が煙で目が開けられない
串焼きを手元で行っている、店主の体にも以上が出てきた。
排気が弱いため、手元の熱い煙によって失明の寸前まで悪くなってしまったのだ。
店主も命がけ、毎日開ける店、排気がうまく行くように設計、工事側と交渉して
一刻も早い解決を迫らなければ、店の損害も大きくなっていく
のらりくらりの再開発業者とのやり取りも、日々神経をすり減らしてった。


そんな中、ふと思い出したのが、かつての上手く行っていた頃の店舗のことだった。
店の構え、雰囲気(木造の古さと味わい)排気された良い匂いが
帰りの会社員の足を止め、店に入ってくれたあの頃。。。


でも決めた以上このビルでやっていかなければならない。
現在の店舗のカウンターそばに、以前の、撤去される前の、
店の入り口付近を撮った写真を飾ってあるのを見たとき、昔を想う気持ちと
前に進む気持ちを同時に感じました。


再開発ビルに入っても、駅前にこだわり、商売を続けたいと想う事は当然だ。
ただ、住まいが別の所に有る方が尚良いだろう。

真新しいビルで商売を再開したからといって楽になった、儲かったなんてことは無い
かつてと同じか、キビシイくらいである様だ、
以前と違うのは、共同ビルであるがゆえに、共益費や商店組合からの
要望などがきつくなり、ビル内店舗の足並みを揃え、強調していかなければならないところ
面倒な事や経費が多くなったと言っていた。
協調性やお金を捻出しなければならないのに
再開発ビルの中での営業の努力は個店の責任として押し付け
誰も助けてくれる事も無く。補償も無く。
自立して個々に売り上げを伸ばす戦いを続けなければならないことだ。

再開発ビルになったから、売り上げが2倍になった話などは夢の話で
夢のような事をかつて言っていた、再開発コンサル、役所担当者、商業コンサルなどは
建物を引き渡したら次の現場へ行く為、その街にはもう居ない。