日本税制の問題点
所得課税、消費課税、資産課税、法人所得課税、退職金税の算出、海外との比較総括
◆国民負担率(対国民所得比)日本は08年、他国は05年、財務省(ノルウェー,フィンランド09.4.11追加)
※租税負担率は国税及び地方税の合計の数値である。また所得課税には資産性所得に対す課税を含む
日本, アメリカ, イギリス,ドイツ,フランス, スウェーデン,イタリア, カナダ, デンマーク,ノルウェー,フィンランド
個人所得課税 7.6% 12.0% 13.5% 10.9% 10.3% 22.2% 14.4% 16.8% 39.3% 12.6% 18.5%
法人所得課税 7.1% 3.9% 4.3% 2.3% 3.7% 5.3% 3.9% 5.0% 5.9% 15.3% 4.6%
消費課税 6.9% 5.9% 14.2% 13.7% 15.2% 18.6% 15.5% 11.7% 23.6% 15.9% 19.0%
資産課税等 3.6% 3.9% 5.5% 1.2% 8.3% 5.4% 6.3% 5.7% 3.0% 1.4 % 1.7%
租税負担率 25.1% 25.6% 37.5% 28.0% 37.6% 51.5% 40.1% 39.2% 70.8% 45.2% 43.8%
社会保障 15.0% 8.9% 10.8% 23.7% 24.6% 19.2% 18.2% 6.3% 2.9% 11.6% 16.7%
国民負担率 40.1% 34.5% 48.3% 51.7% 62.2% 70.7% 58.3% 45.5% 73.% 56.8% 60.5%
◆個人所得課税負担率、日本は11ヶ国中最低の7.6%、他国は全て2桁
▼アメリカと同じ負担率なら16兆円税収増になる
個人所得課税負担率をアメリカと同じ12.0%(日本7.6%なので4.4%増)にすれば単純計算で16兆円税収増になる。
2008年の国民所得384兆円なので(384×4.4%=16.8)となる
▼最高税率(給与所得)下げてきた、1995年65%→50%
▼株の譲渡益と配当課税下げ2004年、20%→!0%(国7%地方3%)資産性所得全てを総合課税にし累進課税にすべき日本は分離課税で極めて低率(米国は原則総合課税なので資産家には原則最高税率47%がかかる)
▼所得税の最高税率の推移、地方税を含む、
1983年の93%から99年に50%と大幅減になったのです。それ以前は消費税もなかった。焼酎は安かった。景気は良かった。()内は国税のみ、
1983年まで93%(75)、84年88%(70)、87年78(60)、89年65%(50)、99年50%(37)と4段階にわたり大幅に引下げられたのです。
※最高税率を海外並みに引下げたのなら資産生所得も総合課税にすべきだったのに分離課税のまま、これが問題ですね。
(参考)最高税率、日本50%(ただし給与所得にだけで資産性所得は分離され極めて低率)、アメリカ47.5%(ブッシュ以前は50.1%)総合課税
▼社会保険料の問題
実納付額が所得に逆転しているのです、最高限度額と所得控除を廃止すべきです
所得控除後の実納付額、所得に逆転の例
▽億万長者の実納付額、49万2000円(納付限度額、全国同一)
▽所得260万円の実納付額
守口市 79万1132円
船橋市 56万2065円
国民健康保険料+介護保険料+国民年金保険料=社会保険料合計
所得比例分の納付限度額と所得控除は廃止すべき
※保護者が高額者なら学生の年金も、医療保険も介護保険も保険外医療費も、全て実納付額が1/2で良いのです
子ども手当てをばらまきと言うなら、所得控除はよりばらまきですね。
▼課税最低限の引き下げ2004年(夫婦子供2人)384.2万円→325万円、日本税制の最大問題だと思う、
(参考)米国の最低限は2001年は32,121ドル、2007年は3万9783ドルと引上げ、これ以下には現金が支給される(米国の税制EITC)
※1993までは319.8万円から上げてきたのに、319.8→327.7(1993年)→353.9→361.6→382.1→384.2万円(2000年)→※325万円(2004年)に引下げた
※04年からは低額所得者の生活レベルは低下したことになるのです。これは大問題です。政治とは底辺を上げることが主目的のはず
※米国は逆で課税最低限を上げているので逆転して米国が高くなった。その上に特に考慮いすべきは課税最低限以下の勤労者には全員に現金を支給し
年々底辺を上げる税制になっている(EITC)、これが政治の基本だと思う。だが日本は逆に底辺を下げた。
◆所得控除を廃止して税額控除の税制にすべきです。※EITCの知識無しで政治経済を語る資格無し
▼米国の税額控除の例(課税最低限以下の勤労者全員に現金が支給される)※減税でも課税最低限以下の勤労者全員に現金が支給されるのです
(納税額)=(全給与収入で計算した)税額ー控除税額
だから低所得者には納税額がマイナスとなり現金が支給される。
※社会保険料の所得控除はなく、退職金などに関係なく、全収入で税額を計算し一定額の税額を控除する
夫婦子ども2人の例
▽収入が3万9783ドルの場合は納税額はゼロになる(課税最低限ですね)
▽収入が35,000ドルでは1,013ドルの税還付があり収入は36,013ドルになる
▽収入が15,000ドルでは4,716ドルの税還付があり収入は19,716ドルになる
※子どもの対象年齢は19歳未満、学生は24歳未満
※控除税額は推定7千ドル程度(夫婦子ども2人の場合)
※単身、夫婦子なしの支給額は収入5600ドルで最大額で428ドル
※税控除額は子どもの有る無しで大きく異なる。所得に関係なく支給される子ども手当てと言って良いでしょうね。
※米国の出生率は2.04と高い
※▼(参考)日本で採用した場合、課税最低限を現行と同じ325万円とする
控除額は約50万円程度となる(課税最低限325万円×15%)
だから計算税額が50万円以下(課税最低限以下)には差し引き納税額がマイナスになり現金が支給される
※所得控除では高額所得者は納税額が160万円(課税最低限325×50%)安くなるところ50万円なので110万円損になる(米国では控除税額は推定7千ドル程度か)
▼ワーキングプアー解消のため1975年から導入され最近強化された税額控除です、
税額控除だからマイナス税があるのです
▼日本は輸出超過大国で対外純資産残高266兆円(09年)とダントツ
この十数年間、内部留保は拡大し配当も増え、役員の給与は大幅増、しかるに労働者の賃金は下がっている
輸出競争力に比して他国より人件費が低いから輸出超過になるのです「輸出額=輸入額」が適正人件費なのです。
この266兆円を人件費に当てていたら内需も増え円高にもならず景気は良かったはず。そもそも輸出超過大国なのに不況は政治の貧困が原因です
▼法人税率日米比較(法人税、事業税、住民税を含む)日本は米国より低い
▽ニューヨーク45.95%、ロサンゼルス40.75%
▽東京40.69%、日本標準39.54%(日米は財務省06年)※最近のデータにはニューヨークのがない
▼スウェーデン 28%と低い、だがスウェーデンでは
※社会保障拠出金(雇用者負担)
被雇用者の名目所得の32.42%に相当する額を雇用者が負担する(被雇用者が70歳以上の場合は24.26%)
(参考)個人所得税の最高税率62%(地方税37%+国税25%)
※スウェーデンの最近のデータは次を
http://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/se/invest_04/
日本の実負担率
◆資産課税(相続税を含む)
※相続税は財務省の資料では資産課税に含まれるので、相続税を海外と比較する場合には資産税も海外と比較すべきです。相続税率が低い国は資産税率が高いようです。したがって相続税を下げる場合は資産税を上げるなども必要なのです。
資産課税等負担率、日本は11ヶ国中、低い方から5番目で福祉大国やアメリカやより低いのです、
日本は相続税の最高税率が高いとの意見もあるが、相続税は資産課税に含まれので固定資産税を含めて資産課税全体で評価すべきです。
特に資産課税は毎年負担するので相続税より負担が大きくなるのです。相続税は多額の控除があるのです、
▼資産が増えないような税制なら相続税率の引き下げも良いが日本では個人資産がどんどん増えている、だから2極化が拡大するのでむしろ引き上げるべきと思うのです
▽1990年末 個人金融資産:1026兆円 現預金:481兆円
▽2005年末 〃 1506兆円 〃 771兆円
◆退職金税制は天下り税制で税金逃れの典型税制、改革が必要
退職金税制は天下りには極めて有利で税金逃れの典型税制、すなわち
※税逃れには年収を少なくし退職金を増やす
▼この退職金税制は天下りのみでなく勤務年限の短い企業の役員や県知事などには横行しているはず
1年の勤務でも退職金と名がつけば、退職金総額の1/2は無税、10億円の退職金でも5億には税金はかからないのです。給与なら全額が税の対象、こんな税制は日本だけでしょうね、アメリカは給与と同じ税制です。
つづく
所得課税、消費課税、資産課税、法人所得課税、退職金税の算出、海外との比較総括
◆国民負担率(対国民所得比)日本は08年、他国は05年、財務省(ノルウェー,フィンランド09.4.11追加)
※租税負担率は国税及び地方税の合計の数値である。また所得課税には資産性所得に対す課税を含む
日本, アメリカ, イギリス,ドイツ,フランス, スウェーデン,イタリア, カナダ, デンマーク,ノルウェー,フィンランド
個人所得課税 7.6% 12.0% 13.5% 10.9% 10.3% 22.2% 14.4% 16.8% 39.3% 12.6% 18.5%
法人所得課税 7.1% 3.9% 4.3% 2.3% 3.7% 5.3% 3.9% 5.0% 5.9% 15.3% 4.6%
消費課税 6.9% 5.9% 14.2% 13.7% 15.2% 18.6% 15.5% 11.7% 23.6% 15.9% 19.0%
資産課税等 3.6% 3.9% 5.5% 1.2% 8.3% 5.4% 6.3% 5.7% 3.0% 1.4 % 1.7%
租税負担率 25.1% 25.6% 37.5% 28.0% 37.6% 51.5% 40.1% 39.2% 70.8% 45.2% 43.8%
社会保障 15.0% 8.9% 10.8% 23.7% 24.6% 19.2% 18.2% 6.3% 2.9% 11.6% 16.7%
国民負担率 40.1% 34.5% 48.3% 51.7% 62.2% 70.7% 58.3% 45.5% 73.% 56.8% 60.5%
◆個人所得課税負担率、日本は11ヶ国中最低の7.6%、他国は全て2桁
▼アメリカと同じ負担率なら16兆円税収増になる
個人所得課税負担率をアメリカと同じ12.0%(日本7.6%なので4.4%増)にすれば単純計算で16兆円税収増になる。
2008年の国民所得384兆円なので(384×4.4%=16.8)となる
▼最高税率(給与所得)下げてきた、1995年65%→50%
▼株の譲渡益と配当課税下げ2004年、20%→!0%(国7%地方3%)資産性所得全てを総合課税にし累進課税にすべき日本は分離課税で極めて低率(米国は原則総合課税なので資産家には原則最高税率47%がかかる)
▼所得税の最高税率の推移、地方税を含む、
1983年の93%から99年に50%と大幅減になったのです。それ以前は消費税もなかった。焼酎は安かった。景気は良かった。()内は国税のみ、
1983年まで93%(75)、84年88%(70)、87年78(60)、89年65%(50)、99年50%(37)と4段階にわたり大幅に引下げられたのです。
※最高税率を海外並みに引下げたのなら資産生所得も総合課税にすべきだったのに分離課税のまま、これが問題ですね。
(参考)最高税率、日本50%(ただし給与所得にだけで資産性所得は分離され極めて低率)、アメリカ47.5%(ブッシュ以前は50.1%)総合課税
▼社会保険料の問題
実納付額が所得に逆転しているのです、最高限度額と所得控除を廃止すべきです
所得控除後の実納付額、所得に逆転の例
▽億万長者の実納付額、49万2000円(納付限度額、全国同一)
▽所得260万円の実納付額
守口市 79万1132円
船橋市 56万2065円
国民健康保険料+介護保険料+国民年金保険料=社会保険料合計
所得比例分の納付限度額と所得控除は廃止すべき
※保護者が高額者なら学生の年金も、医療保険も介護保険も保険外医療費も、全て実納付額が1/2で良いのです
子ども手当てをばらまきと言うなら、所得控除はよりばらまきですね。
▼課税最低限の引き下げ2004年(夫婦子供2人)384.2万円→325万円、日本税制の最大問題だと思う、
(参考)米国の最低限は2001年は32,121ドル、2007年は3万9783ドルと引上げ、これ以下には現金が支給される(米国の税制EITC)
※1993までは319.8万円から上げてきたのに、319.8→327.7(1993年)→353.9→361.6→382.1→384.2万円(2000年)→※325万円(2004年)に引下げた
※04年からは低額所得者の生活レベルは低下したことになるのです。これは大問題です。政治とは底辺を上げることが主目的のはず
※米国は逆で課税最低限を上げているので逆転して米国が高くなった。その上に特に考慮いすべきは課税最低限以下の勤労者には全員に現金を支給し
年々底辺を上げる税制になっている(EITC)、これが政治の基本だと思う。だが日本は逆に底辺を下げた。
◆所得控除を廃止して税額控除の税制にすべきです。※EITCの知識無しで政治経済を語る資格無し
▼米国の税額控除の例(課税最低限以下の勤労者全員に現金が支給される)※減税でも課税最低限以下の勤労者全員に現金が支給されるのです
(納税額)=(全給与収入で計算した)税額ー控除税額
だから低所得者には納税額がマイナスとなり現金が支給される。
※社会保険料の所得控除はなく、退職金などに関係なく、全収入で税額を計算し一定額の税額を控除する
夫婦子ども2人の例
▽収入が3万9783ドルの場合は納税額はゼロになる(課税最低限ですね)
▽収入が35,000ドルでは1,013ドルの税還付があり収入は36,013ドルになる
▽収入が15,000ドルでは4,716ドルの税還付があり収入は19,716ドルになる
※子どもの対象年齢は19歳未満、学生は24歳未満
※控除税額は推定7千ドル程度(夫婦子ども2人の場合)
※単身、夫婦子なしの支給額は収入5600ドルで最大額で428ドル
※税控除額は子どもの有る無しで大きく異なる。所得に関係なく支給される子ども手当てと言って良いでしょうね。
※米国の出生率は2.04と高い
※▼(参考)日本で採用した場合、課税最低限を現行と同じ325万円とする
控除額は約50万円程度となる(課税最低限325万円×15%)
だから計算税額が50万円以下(課税最低限以下)には差し引き納税額がマイナスになり現金が支給される
※所得控除では高額所得者は納税額が160万円(課税最低限325×50%)安くなるところ50万円なので110万円損になる(米国では控除税額は推定7千ドル程度か)
▼ワーキングプアー解消のため1975年から導入され最近強化された税額控除です、
税額控除だからマイナス税があるのです
▼日本は輸出超過大国で対外純資産残高266兆円(09年)とダントツ
この十数年間、内部留保は拡大し配当も増え、役員の給与は大幅増、しかるに労働者の賃金は下がっている
輸出競争力に比して他国より人件費が低いから輸出超過になるのです「輸出額=輸入額」が適正人件費なのです。
この266兆円を人件費に当てていたら内需も増え円高にもならず景気は良かったはず。そもそも輸出超過大国なのに不況は政治の貧困が原因です
▼法人税率日米比較(法人税、事業税、住民税を含む)日本は米国より低い
▽ニューヨーク45.95%、ロサンゼルス40.75%
▽東京40.69%、日本標準39.54%(日米は財務省06年)※最近のデータにはニューヨークのがない
▼スウェーデン 28%と低い、だがスウェーデンでは
※社会保障拠出金(雇用者負担)
被雇用者の名目所得の32.42%に相当する額を雇用者が負担する(被雇用者が70歳以上の場合は24.26%)
(参考)個人所得税の最高税率62%(地方税37%+国税25%)
※スウェーデンの最近のデータは次を
http://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/se/invest_04/
日本の実負担率
◆資産課税(相続税を含む)
※相続税は財務省の資料では資産課税に含まれるので、相続税を海外と比較する場合には資産税も海外と比較すべきです。相続税率が低い国は資産税率が高いようです。したがって相続税を下げる場合は資産税を上げるなども必要なのです。
資産課税等負担率、日本は11ヶ国中、低い方から5番目で福祉大国やアメリカやより低いのです、
日本は相続税の最高税率が高いとの意見もあるが、相続税は資産課税に含まれので固定資産税を含めて資産課税全体で評価すべきです。
特に資産課税は毎年負担するので相続税より負担が大きくなるのです。相続税は多額の控除があるのです、
▼資産が増えないような税制なら相続税率の引き下げも良いが日本では個人資産がどんどん増えている、だから2極化が拡大するのでむしろ引き上げるべきと思うのです
▽1990年末 個人金融資産:1026兆円 現預金:481兆円
▽2005年末 〃 1506兆円 〃 771兆円
◆退職金税制は天下り税制で税金逃れの典型税制、改革が必要
退職金税制は天下りには極めて有利で税金逃れの典型税制、すなわち
※税逃れには年収を少なくし退職金を増やす
▼この退職金税制は天下りのみでなく勤務年限の短い企業の役員や県知事などには横行しているはず
1年の勤務でも退職金と名がつけば、退職金総額の1/2は無税、10億円の退職金でも5億には税金はかからないのです。給与なら全額が税の対象、こんな税制は日本だけでしょうね、アメリカは給与と同じ税制です。
つづく