Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

リッカルド・ムーティのイタリアオペラアカデミー、マクベス解説

2021-04-09 23:00:00 | リッカルド・ムーティ
今日は東京春音楽祭・イタリアオペラアカデミー、リッカルド・ムーティのマクベス作品解説で東京文化会館。

リモートになるのが不安だったので、ステージ左サイドからホントに、マエストロ・ムーティが楽譜を片手に笑顔で現れたとき、ちょっとの間信じられなかった。

カジュアルな服装、しっかりした足どり、軽妙な語り口、観客に向かって大きなジェスチャー、ふんだんに盛り込まれたジョーク。79歳だけど、なんてエネルギッシュでチャーミングなんだろう。
これが”生ムーティ”  なのかと、目も耳も釘付けになった。

ヴェルディオペラ全体の話で始まったが、2012年の著作「イタリアの心 ヴェルディを語る」に書かれていた内容なので、ぼくにはよく理解できた。

イタリアで習慣になってしまった、間違ったヴェルディオペラの解釈や演奏内容。それを改めようと戦ってきた自分の人生。ヴェルディが意図した通りに、楽譜に書いた通りに演奏することの意味。

それから今回上演するマクベスの解説に入り、歌手たちをステージに呼び寄せた。
ムーティが指導する川崎ミューザの公演に出演する青山貴さん、谷原めぐみさん、芹澤佳通さん、加藤宏隆さん。
そしてムーティがここ東京文化で振る公演にも同時に出演する城宏憲さん、北原瑠美さん。

青山貴さんからレッスンが始まる。ムーティ自らピアノを弾き最後のアリアを歌わせる。最初は通して歌わせてブラーヴォと褒めたけど。
ピアニストに伴奏を代わってからは、2、3小節ごとに駄目出し連発。

楽譜通りに正しく。そこはピアノでしょ。
そこは表現が違う、劇ではこういう場面だから。心理をよく考えて。
そこには休符が入ってるのに何故そう歌わないの?
その単語、その発音はダメ などなど。

厳しいけど、ジョークも満載で、歌手たちは超真剣モードなんだけど、ぼくら観客席には笑いが途切れない。
ムーティもぼくらをやたら笑わせようとして。イタリア人気質なんだろうね。

青山貴さんはみるみる良くなってブラヴィストって褒められホッ。
以下谷原さん、芹澤さんと順番に熱血指導しているうちにあっという間に9時を回ったので終演。

含蓄がありとても勉強になったオペラ解説。見応えがあり興味深かったオペラのレッスン。
マエストロ・ムーティと過ごした夢のようなこの時間と空間。これは忘れられない。
素晴らしい夜だった。







































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